日本テレビ系ドキュメンタリー番組『NNNドキュメント’26』(毎週日曜24:55~)が、YouTubeで配信するショートコンテンツ『Nドキュポケット』では、3月25日に放送された「パネルの警告 釧路湿原とメガソーラー」(札幌テレビ制作)の再編集版を配信。再生可能エネルギーの必要性が高まる一方で、その開発が自然環境を脅かす現実が描かれている。

  • ※画像はイメージ

    ※画像はイメージ

再生可能エネルギーの必要性が高まる一方で、その開発が自然環境を脅かす現実が、NNNドキュメント『メガソーラーと希少生物の命 釧路湿原を脅かすエネルギーの課題』で描かれた。

舞台は、ラムサール条約登録湿地でもある北海道・釧路湿原国立公園の周辺地域。特別地域の外側では、この10年ほどで太陽光発電施設の建設が相次いでいる。問題となっているのは、釧路市北斗で進められていたメガソーラー建設計画。およそ4.3ヘクタールに6,600枚のパネル設置が予定されていた。

開発に警鐘を鳴らすのが、野生動物の治療にあたる獣医師・斎藤啓介だ。番組では、風力発電の羽根にぶつかって負傷したオオワシを治療する姿を通して、人間による開発が希少生物に与える深刻な影響を伝えた。斎藤さんが現地工事の様子をSNSに投稿すると、大きな反響を呼んだ。

事業者の日本エコロジーの松井政憲社長は「私たちは無秩序な開発ではなく、地域と共生する再エネを目指していきます。 方針としましては一貫して、法令順守、環境保全、地域協働でございます」と語っているが、計画地では森林法違反にあたる伐採が発覚し、工事は一時中断。その後も土壌汚染対策法に関わる調査不足など、複数の法令違反が明らかになった。さらに土壌調査では、3地点から基準値を超える有害物質も検出され、工事中断は長引く見通しとなっている。

背景には、東日本大震災以降に再エネ導入が急拡大した一方、太陽光発電施設の設置を直接規制する法律が十分整っていない現状がある。自然保護活動にも取り組む登山家・野口健氏は、メガソーラー自体を否定するのではなく、「ルールがあった上でのメガソーラーを」と指摘した。

国も現在、メガソーラー規制の強化に向けた法整備を進めている。脱炭素と自然保護をどう両立させるのか。釧路湿原で起きている問題は、その難題を突きつけている。