新年度のさまざまな環境変化で見過ごされがちな春の不調。とくに登校や授業、集団行動といった初体験の連続で生活環境が大きく変わる新小学1年生は、心身に負担が掛かりやすく、疲労感や眠気などの不調が現れやすいタイミングでもある。

「キッズケアプロジェクト」を推進するキリンは3月26日、『春のこどもの体調変化「初バテ」に備えよう おとなの“新小学1年生”体験会』を貞静学園短期大学の体育館で開催。子育てインフルエンサーの木下ゆーきさんが、新小学1年生が春からの学校生活で感じるかもしれない心身のストレスを、さまざまな体験コンテンツを通じて味わった。

“なんとなく不調”の原因は、環境の変化による心身のストレス

「キッズケアプロジェクト」を推進するキリンホールディングスは小学生の子どもを持つ保護者や小学校教諭を対象に、春の子供の体調変化に関する調査を今年2月に実施。春の時期に見られるだるさや疲労感、眠気といった不調が、小学1年生に多く確認され、「春の初バテ」ともいえる状態にあることがわかったという。

春の初バテとは寒暖差や気圧の変化、新生活における「初めての体験の連続による負荷」で引き起こされる“疾患未満の不調”のこと。本イベントには貞静幼稚園を3月で卒園した年長クラスの園児とその保護者たちが参加し、新小学1年生が感じるかもしれない日々の負荷を体験しながら、不調のサインや免疫ケアの大切さを学んだ。

ゲストとして登場した木下さんは、「春の時期に子どもが疲れやすいみたいな話は聞いたことがありましたし、実際に我が家でも経験がありました。今回は子どもたちの気持ちに寄り添えるようなる、とても良い機会だなと思っています」と、参加者たちを前に挨拶。 念入りな準備運動の後、さっそく12キロの重りが入ったランドセルを背負い、その重量感を体感することになった。

タブレットや水筒などの荷物が増えた結果、登下校時に小学生が背負うランドセルの総重量は平均5.7kgといったデータもあり、この重さは大人の体重に換算すると、2リットルペットボトル6本分に相当するという。

さらに大人と子どもでは時間の流れの感覚も違うため、大人よりも4〜5倍の長い体感時間で、その重量を感じている可能性もあるそうだ。

「後ろにのけぞるほどの重たさで、横断歩道を渡るときに手を上げるのも、肩に負担が掛かりますね。今日は体育館の短いコースですけど、暑い日や雨の日、坂道や階段、他の荷物が増えることもあると考えたら、本当に大変。実際に体感してみるとびっくりです」(木下さん)

健康の土台は規則正しい生活と適度な運動

続いて、木下さんたちは掃除の時間として、床の雑巾掛け体験に挑戦した。小学校の平均的な教室の大きさを、大人のサイズ感で変換するとバトミントンコート2面分。雑巾掛けの距離は450m以上となることから、今回は体育館に用意された11メートルのコースを5往復して、その負荷を大人たちが体験する。

しかし、床の雑巾掛けは20年以上ぶりという木下さんは、2往復ちょっとの距離で早々にギブアップ。「乾拭きでも5往復は絶対無理」と息を切らせながらコメントし、最後は雑巾を大人サイズのバスタオルに置き換えた雑巾(バスタオル)絞りも行った。

その後に実施されたトークセッションには、一般社団法人日本臨床統合医療学会 理事長の川嶋朗氏が登場。春に起こりやすい体調の変化「春バテ」について発信してきた同氏は、春に心身の不調が起きやすい理由を改めて解説した。

「『春に三日の晴天なし』というような言葉もある通り、春先は低気圧が通ることで気圧の変化が起きやすく、こうした気圧の変化が体調に深く影響します。また、自然環境だけでなく、新しい年度が始まるため社会的な環境でも大きな変化が起きます。特に幼稚園や保育園から小学校に上がると授業が始まって、交友関係なども変わるため、大人以上に大きな負荷が掛かっているものと考えられます」(川嶋氏)

同時に子どもたちは疲れを自身で自覚できてないことも多いため、家庭で疲れや睡眠などの変化を注意深く見守ることも大切なようだ。

今年2月に実施された先述の調査では、小学校教諭の8割以上が「4月は児童の“なんとなくの不調”が多い」と回答。一方、4月の子どもの不調を感じている保護者は約3割にとどまり、子どもの体調変化に対する認識に学校現場と家庭で差がある可能性が示された。また小学校教諭の約8割、保護者の半数以上が「小学1年生の4月は他学年よりも不調が多い」ことを実感しているという。

4月に見られる不調は「疲労感」「眠気」「ぼーっとしている」など、“なんとなくの不調”が中心で、日々の生活習慣を整えることが子どもの健康の土台づくりにつながると考えられている。

「幼少期は免疫や健康の土台を築く上では非常に重要な時期で、生活習慣を整えることがとても重要です。朝食をしっかり摂り、十分に質の良い睡眠をとる。そして適度な運動も大事。こうした生活習慣をしっかりと身につけて、健康の土台を今のうちからつくっておけば、自律神経が整って免疫も強い子になります。なので、ぜひ親子で一緒に取り組んでいただければと思います」(川嶋氏)

木下さんは自身の子育てや子どもの春バテを振り返り、「この春から中学2年生になる息子は、小学校1年生になってしばらく、それまでなかったおねしょが続いたときがありました。時間の経過とともに治ったのですが、先生のお話にもあったように規則正しい生活、早寝・早起きをさせて、朝ごはんをしっかり食べさせること、子どもたちの話にきちんと耳を傾けることを心がけていましたね」と話す。

「お子さんが小学校に上がるタイミングは、不安を抱えている親御さんもたくさんいらっしゃると思うんですが、親側もあまり無理しすぎず、ほどほどに頑張ることが大切かなと思います」と、最後にメッセージを送っていた。