フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)で、22日に放送された「今どきじゃない会社で夢みる僕と私の新入社員物語 前編」。東京・池袋のベンチャー企業「グローバルパートナーズ」に飛び込んだ新入社員たちの1年を追った作品で、29日に「後編」が放送される。
鳥居稔太ディレクター(テレビマンユニオン)が追ったのは、売上ゼロが続き、会社の空気になじめないにもかかわらず、辞めずに踏みとどまる新入社員。効率や合理性が求められがちな今、あえて働き続ける選択をする若者に、何を感じたのか――。
営業成績トップクラスと売上ゼロの同期
「ゾス!」の掛け声が響くグローバルパートナーズは、厳しい営業ノルマ、上司からの叱責、社内での飲み会など、どこをとっても“今どきじゃない”会社。今回の主人公の1人は、その中でもひときわ元気な新入社員・ひまりさん(22)だ。持ち前の明るさでテレアポ営業を次々とこなし、営業成績はトップクラス。会社の期待を背負う存在となっていく。
もう1人は同期の伊藤さん(22)。入社から3カ月が過ぎても売り上げゼロで、会社の雰囲気にもなじめず、同期たちが次々と新規契約を決める中、焦りと不安ばかりが募っていた。
この2人の新入社員に焦点を当てたのは、社会人として働くこと自体が初めての中で、さらに独特の熱量を持つ会社に飛び込む若者たちが、どんな気持ちや悩みを抱えながら新生活に挑んでいるのかを映し出したいという狙いから。
その上、2人はいずれも社会人になって初めて東京で暮らし始めた上京組。何も分からない状態でもがきながら、自分の居場所や働く意味を見つけていこうとする姿に、鳥居Dは1年目ならではのリアリティを感じたという。
言葉から感じ取った自分の道を信じる強さ
中でも、鳥居Dの印象に強く残ったのが伊藤さんだった。取材を始めた頃は「今にも辞めそうだった」だけに、「なぜ辞めないの?」と何度も問いかけたという。明らかに会社の雰囲気に性格が合っていないように見える上、話す力があり、プレゼンのスキルにも自信を持っていたことから、別の会社ならもっと能力を発揮できるのではないかと疑問に思っていたのだ。
それでも、伊藤さんは歯を食いしばって踏みとどまっていた。鳥居Dは「本人としては、自分が正しいと思う道をコツコツ進んでいて、理屈じゃないんだと思いました。よく“今どきの若者は精神力が…”と言われることもありますが、すごく芯のある人だと思います」と受け止める。
社会人として少し先輩の立場から、「テレアポの声が小さいから、もっと大きく声を出したほうがいいのでは?」「上司の方に商談の練習をお願いしてみたら?」とアドバイスしてみたこともあった。だが、返ってきたのは「声が小さいのはあえてこうしている部分もあるんです」「まだ練習をお願いできる立場じゃないんで」という言葉。そこにも、自分の道を信じる強さがにじんでいた。
公私ともに振るわない日々から変化の兆し
会社のカルチャーに自然となじみ、持ち前の明るさを武器に結果を積み上げていく、ひまりさん。入社わずか7カ月でチームリーダーにも昇格し、順風満帆の会社員生活を送っていくかに見えたが、「後編」では大きな壁にぶつかることになる。
一方、会社の雰囲気になじめず、結果も出ない上、同棲する彼女との関係も上手くいかないという、公私ともに振るわない日々を送る伊藤さん。しかし、自分が正解だと思う道を突き進むことで、変化の兆しが見えてくる。
そんな2人を、これからも追っていきたいという鳥居D。「彼らが将来どうなっていくのか気になっているので、引き続きこの会社を見続けていきたいと思います」と意欲を示した。



