
「HEAD IN THE CLOUDS Music & Arts Festival in TOKYO 2026」が3月28日(土)・29日(日)に千葉・幕張メッセで行われる。今週末の開催を前に、88rising代表ショーン・ミヤシロ氏の緊急インタビューが実現した。
88risingといえば忘れがたいのが、2019年1月にZepp Tokyoで開催されたショーケース公演。出演したのはRich Brian、Higher Brothers、AUGUST 08、そして日本からKOHH(現・千葉雄喜)の4組。そのフィナーレに海外勢がステージへ集結し、コレクティヴとしての88risingを象徴する名曲「Midsummer Madness」を披露すると、〈F*ck the rules!〉(ルールなんてクソ喰らえ)というフックで大合唱が巻き起こる。アジアと日本の距離が縮まっていくことを確信させる一夜だった。
その頃、日本でも注目を集め出していたのが、88risingが2018年にLAでスタートさせた「HEAD IN THE CLOUDS」。日本からも過去に新しい学校のリーダーズ、千葉雄喜、Awich、YOASOBI、XG、Teriyaki Boyz、Number_i、Creepy Nuts、SIRUPが出演。ジャカルタ、マニラ、広州と展開を広げ、アジアと世界の音楽シーンを繋げてきた音楽の祭典が、いよいよ日本初上陸を果たす。
アジアのトップスターや新世代に加えて、BE:FIRST、ちゃんみな、HANA、Ayumu Imazu、AI、Kvi Babaという強力な”日本代表”も名を連ねる「HEAD IN THE CLOUDS TOKYO」。そこでは本当の世界レベルを体感しながら、愛するアーティストが世界というスケールへ到達する瞬間を目撃できるはずだ。開催を目前に控え、日本にルーツを持つショーン氏がその特別な想いを明かしてくれた。

―日系アメリカ人であるショーンさんにとって、日本で『HEAD IN THE CLOUDS(HITC)』を開催することは、感慨深い経験ではないかと想像します。2020年のサマーソニックで予定されていた88risingステージがコロナ禍で中止になって以来、このプロジェクトは長い年月をかけて準備されてきたそうですね。クリエイティブマンとの「6年越しの約束」を果たすために、どのような対話を重ねてきたのでしょうか?
ショーン:私は異なる文化のあいだで育ちましたが、日本は常にホームのように感じてきました。ですから、「HITC」をここ日本で開催することは、私にとって非常にエモーショナルですし、個人的にも思い入れがあります。
2020年、私たちはクリエイティブマンと共に「SUPERSONIC」で大きな仕掛けをする準備ができていました。それが(コロナ禍で)中止になったとき、正直に申し上げて、ファンの方々を裏切ってしまったような気持ちになりました。それ以来、私は自分自身に何度も言い聞かせてきたのです。「必ず戻ってくる、そして最高な形で実現させる」という約束を。
ナオキ(清水直樹代表)やクリエイティブマンのチームとは、長い時間をかけて着実に、誠実に対話を続けてきました。タイミング、最適な会場、そしてラインナップ。しかしそれ以上に重要だったのは、単にLAやジャカルタのコピーを日本に持ってくるのではなく、日本にとって「オーセンティック(本物)」であると感じられる内容にすることでした。
今回の東京公演は、その6年越しの約束がついに現実になったものです。私にとっては、これまでのひとつの章を締めくくり、より大きな新しい章を開くような感覚です。88risingが、本当の意味で、長期的に日本に根を下ろしていくための第一歩なのです。

左から清水直樹・クリエイティブマン代表、ショーン・ミヤシロ氏
―今回の日本公演のヘッドライナーとして、BE:FIRSTとちゃんみなさんを選んだ決め手は何でしたか? 彼らのどういった部分が「HITC」の精神」と共鳴したのでしょうか。
ショーン:BE:FIRSTとちゃんみなさんは、どちらも「恐れを知らない(fearless)」アーティストです。それこそが「HITC」の核心でもあります。つまり、自らの道を切り拓き、境界線のない新世代を体現するアーティストであるということです。
―インドネシアのRich Brian、タイのMILLIといった、88risingの看板アーティストも出演します。日本のファンには、彼らのどのような点に注目してほしいですか?
ショーン:Rich Brianについては、日本の皆さんに彼の「進化」を感じてほしいです。彼はインターネットを通じて少年時代にデビューしました。今のステージ上での彼は、真のストーリーテラーです。彼が放つエネルギーの緩急に注目してください。一つのセットの中で、ハードなナンバーから内省的な瞬間までを自在に行き来するのです。
MILLIは、東南アジアの新世代を象徴する存在です。彼女はファニーで、激しく、政治的であると同時に、繊細さも持ち合わせています。彼女の存在感そのものに注目してください。振り付け、ビジュアル、そしてユーモアを駆使して、自分のルーツについていかに真実を語っているかを感じてほしいですね。
「HITC」は出会いの場所
―Jay ParkとLNGSHOTのコラボレーションも大きな注目を集めています。このユニークなコラボレーションが、東京のステージで実現することになった背景を教えてください。
ショーン:このコラボレーションは、一つのシンプルなアイデアから生まれました──「アジアの音楽シーンのあらゆる歴史を歩んできたレジェンド(JAY PARK)」と、「次世代を定義しようとしているアーティスト(LNGSHOT)」を、日本で組み合わせたら何が起こるだろうか。
―「HITC」といえば、コーチェラで共演したNumber_iとJackson Wangが、のちに本格的なコラボレーション楽曲「GBAD (Number_i Remix)」をリリースしたのは、アジアの音楽ファンにとってエキサイティングな出来事でした。こうしたアーティスト間の自発的かつ有機的な繋がりを育むことも、「HITC」の核となるコンセプトだと言えますか?
ショーン:コーチェラでのNumber_iとJackson Wangの共演が、のちに本物のコラボレーションへと発展したような瞬間──あれこそが、私たちの目指す理想像です。私たちは「HITC」を単なる「ラインナップ」だとは考えていません。このフェスは、アーティストたちにとっての「出会いの場所(meeting point)」なのです。
―ショーンさんは以前、「HITC」は単なるフェスティバルではなく、東洋と西洋を繋ぎ、アジアの才能を讃え、共に成長するためのプラットフォームであるとおっしゃっていました。日本、アジア、そしてグローバルな音楽シーンが結びつきをさらに深めていくために、今後最も重要になる要素は何だとお考えですか?
ショーン:最も重要なのは「信じること(trust)」です。アジア独自の物語を信じること、ローカルなシーンを信じること。そして、アーティストたちがこれからも、境界のない才能によってグローバル規模のナラティブを形作り続けていくのだと信じることです。
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HEAD IN THE CLOUDS Music & Arts Festival in TOKYO 2026
2026年3月28日(土)・29日(日)千葉・幕張メッセ
OPEN 11:00 / START 12:30
公式サイト:https://hitcfestival.jp/
チケット詳細:https://hitcfestival.jp/ticket/
〈出演〉
3月28日(土)
BE:FIRST / RICH BRIAN / MAX / HANA / KiiiKiii / Ayumu Imazu / no na
3月29日(日)
ちゃんみな / AI / JAY PARK x LNGSHOT / Kvi Baba / BIBI / MILLI



