
静岡県藤枝市に滞在型音楽制作スタジオ 「MUSIC inn Fujieda」 が完成し、2026年3月22日(日)にグランドオープンした。
オープニングに先立ち、3月21日(土)にオープニングセレモニーとオープニングイベント「MUSIC inn Fujieda オープニングパーティー〜ホリエアツシ×後藤正文 トーク&弾き語り〜」が開催された。
「MUSIC inn Fujieda」は、2024年に後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)が中心となって創立されたNPO法人「アップルビネガー音楽支援機構」(活動総称「APPLE VINEGAR -Music Support-」)が、クラウドファンディングなどの支援を受け完成させた滞在型音楽制作スタジオ。旧東海道に面した築130年の土蔵を改築したこのレコーディングスタジオを中心に、コミュニティスペースやセレクト書店「SO GOOD books&styles」が入る音楽制作と地域文化の交流を生み出す新たな文化的複合拠点としてスタートする。
3月21日午前中に開催されたオープニングセレモニーでは、NPO法人アップルビネガー音楽支援機構の創立者で理事を務める後藤正文、代表理事の小林亮介の挨拶に続き、来賓として出席された藤枝市長の北村正平からの祝辞が。会場には、来賓をはじめ、スタジオ改築や運営に関わった関係者約80名が出席し、挨拶に続き、スタジオ「MUSIC inn Fujieda」のテープカット、施設内の支援者銘板の除幕式が執り行われた。
代表理事小林亮介は、3年半前の後藤の提案をきっかけに始まった本スタジオがグランドオープンを迎えることへの感謝を表明し、また、クラウドファンディングや寄付をはじめ、楽器や機材の提供、建設に関わった方々など、列席の関係者への謝意を述べた。また、スタジオ完成後のテストレコーディングでASIAN KUNG-FU GENERATIONが『フジエダEP』を録音したことに触れ、その可能性への手応えを語った。
続いて後藤正文からも同様にスタジオ完成に関わった各位への感謝が述べられた。また今回スタジオへとリノベーションされたお茶の土蔵が築130年の歴史を持つことに触れ、「このスタジオを130年後の未来の世代に手渡していけたら素敵なこと。同時にどう手渡していくかが今後の課題でもあると思っています。富や場所、機会や技術などみんなで色々なことをシェアしていける場所として、今私たちが取り組んでいることがロールモデルとなれば」との意欲が語られた。
藤枝市長の北村正平は、スタジオ完成を祝福するとともに、関係者の尽力と熱意に敬意を表明。「市民が将来に希望を持てるまちづくりのために、地域の特色や魅力を活かしていくことが重要」と話し、以前から合唱文化が盛んだった藤枝を、サッカーの町に続いて音楽の町としていければとの考えを示した。あわせて、今後も市としての支援を惜しまず応援していきたいとの思いを語った。
午後には、スタジオ近隣の「ひとことカフェ」にて、オープニングイベント「MUSIC inn Fujieda オープニングパーティー ~ホリエアツシ×後藤正文 トーク&弾き語り~」が開催。ASIAN KUNG-FU GENERATIONと同期であるストレイテナーのホリエは、本プロジェクトを立ち上げ当初から応援し、完成の際にはコミュニティスペース内にて利用者が使用できる和紙貼りのテーブルを寄贈。後藤にとってホリエは「(自分の)プロデューサーだ」という言葉が飛び出すほど、長年にわたって信頼を寄せ合う仲。若い頃から、ホリエは後藤の知識量や社会への問題意識に触れて「ゴッチは発信すべきだ」と助言していたというエピソードなど、長年の親友だからこそ話せる内容を繰り広げた。音楽活動にまつわるお金のことについて意見を交わしながら、リスニング環境がCDからストリーミングに移行した今の時代は、アーティストの売上格差が広がっているからこそ、若手やインディーズアーティストの可能性を閉ざさない支援が重要であると説明した。

トークのあとは、弾き語りライブ。ホリエは、「シーグラス」「DAY TO DAY」「Ark」「Next Chapter」「吉祥寺」「TRIBUTE」「彩雲」の7曲をアコースティックギターの弾き語りで届けた。「Next Chapter」の前、「あらゆる戦争や紛争がない世界にできたら」と曲に込めるメッセージを語る場面も。
後藤は、MUSIC inn FujiedaでレコーディングしたASIAN KUNG-FU GENERATIONの新曲「おかえりジョニー」の他、「解放区」「ライフ イズ ビューティフル」「MAKUAKE」、Gotch名義の「A Girl in Love / 恋する乙女」、さらにはOasis「Champagne Supernova」のカバーをアコギ弾き語りで披露。最後は、2人が「GOTSUSHI」と命名した後藤とホリエのユニットで、ストレイテナー「TENDER」、ASIAN KUNG-FU GENERATION「ソラニン」をともに歌うという貴重なシーンが生まれた。プレミアムチケットを手に入れた約120人のファンは、この日限りのトークとコラボレーションにじっくりと耳を傾け、イベントは大盛況の中終了した。
APPLE VINEGAR -Music Support-では、地域に根ざした音楽文化の育成を目的として、藤枝市と連携したプログラムにも取り組んでおり、これまでに藤枝市在住、または市内の学校に通う小学生・中学生・高校生を対象とした初心者向けバンド体験ワークショップや、後藤正文による作詞・作曲ワークショップなどを実施している。今後「MUSIC inn Fujieda」は、アーティストの創作活動を支える場であると同時に、こうした取り組みをさらに発展させ、地域と音楽文化をつなぐ新しい音楽文化の拠点となることを目指していく。
Official site: https://www.applevinegarmusicsupport.com
