マンションやビルなどの修繕工事支援サービスを展開するスマート修繕は、マンション区分所有者531名を対象に実施した「マンション区分所有者への修繕積立金に関する意識・実態調査」の結果を2026年3月19日に発表した。
調査は2026年2月20日〜23日の期間、インターネット調査にて行われ、修繕積立金の値上げ実態や家計への影響、将来不安などについて分析した。
約2世帯に1世帯が直近5年で値上げを経験
直近5年間で修繕積立金が値上がりしたか聞いたところ、「上がった」と回答した世帯は47.3%にのぼり、約2世帯に1世帯が値上げを経験している実態が明らかになった。
値上がりした世帯のうち、増額幅は「1,001〜4,999円」は47.0%で最多となった。一方で、月額5,000円以上の負担増を経験した世帯も約47%にのぼり、大幅な増額が発生している組合が少なくない状況が浮き彫りとなった。
修繕費用の値上げで家計悪化が約7割
修繕積立金の値上がりがあった人のうち、68.5%が「家計に影響が出ている」と回答した。
節約や見直しを図っている項目(複数回答)では、「食費・光熱費などの生活必需費」は57.6%、「娯楽・交際費」が55.8%となり、多くの所有者が日々の生活の質を削って住居の維持費を捻出している苦境が鮮明になった。
82.9%が将来の値上げに「不安」
将来的な修繕積立金の上昇に対し、全回答者の82.9%が「不安を感じる」と回答した。
不安を感じる理由の最多は「老後資金など中長期的な家計への影響」は70.2%で、かつて終の棲家として購入したマイホームが、老後の生活設計を脅かす要因となっている現状が示唆された。
住み替えの意識、「月額3万円」が売却検討の閾値
現在の積立額を「高い」と感じる層は51.6%と過半数に達した。
「月額いくらになったら売却・住み替えを検討するか」という問いに対し、約3割の層が「月額2万円〜5万円」を閾値として挙げた。一方で、「上がっても今のマンションに住み続けたい」は41.1%で、膨らむコスト負担と住まいへの愛着の間で揺れ動く住民のジレンマがうかがえる。
長期修繕計画、コスト削減の実践はわずか20%
修繕積立金を左右する長期修繕計画について、5年以内の定期見直しを行っているのはわずか26.2%だった。
また、「工事内容や金額の見直しで値上げを抑えられる可能性」を知りつつ「組合として対応している」のは20.0%に留まった。一方で、27.7%が「管理会社に任せているので関係ない」と回答しており、当事者としての具体的なアクションに踏み切れていない実態が判明した。
まとめ
調査の結果、修繕積立金の値上げが所有者の家計を圧迫し、将来の老後資金への強い不安に繋がっていることが判明した。コスト適正化の手段を知りながらも、実際に対策を講じている組合はわずか2割に留まっている。建物の老朽化と資材高騰が進む中、管理組合による主体的なコスト対策が急務となっている。










