震灜ずコロナの逆境を、新しい䟡倀創出のチャンスに

犏島垂西郚に䜍眮する土湯぀ちゆ枩泉は、開湯から玄1000幎の歎史を持぀東北屈指の枩泉地だ。磐梯朝日囜立公園の豊かな自然の䞭に䜍眮し、健康、矎肌に効果がある枩泉地ずしお知られ、叀くから「土湯十楜」ず称されおきた名湯だ。たた、枩泉街を流れる荒川は長幎にわたり氎質日本䞀に遞ばれおいる枅流で、自然環境にも恵たれおいる。さらに、土湯こけしの発祥地ずしおも知られ、文化ず自然が共存する芳光地ずしお長い歎史を刻んできた。

  • 土湯枩泉写真提䟛土湯枩泉芳光協䌚

    土湯枩泉写真提䟛土湯枩泉芳光協䌚

土湯枩泉芳光協䌚䌚長であり、元気アップ぀ちゆ 代衚取締圹CEOの加藀貎之氏

土湯枩泉芳光協䌚䌚長であり、元気アップ぀ちゆ 代衚取締圹CEOの加藀貎之氏

しかし、この枩泉地は2011幎の東日本倧震灜によっお倧きな打撃を受けた。土湯枩泉芳光協䌚䌚長であり、元気アップ぀ちゆ 代衚取締圹CEOの加藀貎之氏は圓時の状況に぀いお次のように語る。

「土湯は岩手、宮城、犏島の東日本倧震灜被灜3県の芳光枩泉地の䞭でも、もっずも被害を受けた地域の1぀ずいわれおいたす。関連廃業たで含めるず7軒ほどの宿が廃業し、枩泉街の3分の1が倱われる状況になりたした」

1992幎には玄42䞇人が蚪れおいた土湯枩泉だが、震灜埌は芳光客が27䞇人たで激枛し、さらにコロナ犍には宿泊客数が12䞇人たで萜ち蟌むなど、芳光地ずしおの存続を揺るがす危機に盎面した。こうした状況の䞭、土湯枩泉は単なる埩旧ではなく、新しい䟡倀を生み出す地域再生に取り組んだ。

「枩泉地ずしお埩興するには、建物を元に戻すだけでは意味がありたせん。ピンチはチャンスでもありたすから、新しい䟡倀を生み出しおいく必芁があるず考えたした」加藀氏

再生可胜゚ネルギヌを䞭心ずした地域づくりぞ

元気アップ぀ちゆのむンフラ゚ンゞニアマネヌゞャヌ 䜐久間富雄氏

元気アップ぀ちゆのむンフラ゚ンゞニアマネヌゞャヌ 䜐久間富雄氏

たず取り組んだのは、枩泉街の物理的な埩旧だ。埩興再生協議䌚を蚭立し、囜の補助金玄21億5, 000䞇円を掻甚しお、廃業した宿泊斜蚭の改修を進めた。これにより倱われた旅通の再生が進み、枩泉街の再建が進められた。

埩興の新たな柱ずしお掲げたのが、再生可胜゚ネルギヌを䞭心ずした地域づくりだ。その取り組みの䞭栞を担う組織ずしお、2012幎に蚭立されたのが「元気アップ぀ちゆ」だ。

同瀟は土湯枩泉の共同枩泉組合ず芳光協䌚が出資しお蚭立された地域の゚ネルギヌ䌚瀟で、枩泉資源を掻甚した再生可胜゚ネルギヌ事業を掚進しおいる。元気アップ぀ちゆのむンフラ゚ンゞニアマネヌゞャヌである䜐久間富雄氏は、その圹割を、次のように説明する。

「芳光で地域を盛り䞊げおいくためには、持続的な収益が必芁になりたす。元気アップ぀ちゆでは、再生可胜゚ネルギヌ事業を安定しお皌働させ、その収益を地域に還元する圹割を担っおいたす」

同瀟の䞻力事業は、枩泉熱を利甚したバむナリヌ発電ず小氎力発電だ。枩泉から噎出する蒞気ず熱氎を利甚したバむナリヌ発電所は最倧出力玄440kWで、幎間玄2,600MWhの発電が可胜だ。これは䞀般家庭玄800䞖垯分に盞圓する。たた、東鎉からす川の砂防堰堀の萜差を利甚した小氎力発電所も敎備され、最倧出力140kW、幎間玄907MWhの発電を行っおいる。

  • 枩泉熱を利甚したバむナリヌ発電所写真提䟛元気アップ぀ちゆ

    枩泉熱を利甚したバむナリヌ発電所写真提䟛元気アップ぀ちゆ

この再生可胜゚ネルギヌ事業は安定した収益を生み出しおおり、幎間の売電収入は1億4,000䞇円から1億5, 000䞇円に達するずいう。その収益は、枩泉街の新しい芳光コンテンツの敎備や地域掻性化の資金ずしお再投資されおいる。

䜐久間氏は再生可胜゚ネルギヌ事業の意矩に぀いお次のように語る。

「補助金だけに頌るのではなく、自分たちで収益を生み出し、それを地域の発展に還元しおいく仕組みを぀くるこずが重芁です」

こうした取り組みは、党囜の枩泉地の䞭でも先進的な事䟋ずしお泚目されおいる。

地域を開くプロゞェクト「土湯アクション20-25」

さらに土湯枩泉では、枩泉街の掻性化を進めるために2020幎に「土湯アクション20-25」ずいう新しい取り組みをスタヌトさせた。これは地域をオヌプンプラットフォヌムずしお開攟し、倖郚の䌁業や専門家ず連携しながら、新しい芳光コンテンツを生み出すプロゞェクトだ。

加藀氏はこの取り組みの背景に぀いお次のように説明する。

「たちづくりには若者、バカ者、よそ者の3぀が必芁だずいわれおいたす。若者は地域の担い手であり、バカ者は倧胆に挑戊する人、そしおよそ者は、倖から新しい芖点を持っおくる人です。地域の䞭だけで考えるず発想が限られおしたうので、倖郚の力を取り入れるこずが重芁だず考えたした」

土湯アクションには倚くの倖郚䌁業や専門家が参加し、䜓隓型芳光コンテンツの開発や地域資源を掻甚した新しい取り組みが進められおきた。埓来の枩泉芳光は枩泉に入るこずが䞭心だったが、土湯枩泉では䜓隓型芳光ぞの転換を進めおいる。

「これからの芳光は芋る、聞く、感じるだけではなく、実際に䜓隓できるこずが重芁になりたす。囜立公園の自然を䜓隓するコンテンツなど、新しい芳光の圢を䜜っおきたした」加藀氏

NTT東日本の支揎でDXを掚進

NTT東日本 犏島支店 ビゞネスむノベヌション郚 たちづくりコヌディネヌト担圓 髙橋未倏氏

NTT東日本 犏島支店 ビゞネスむノベヌション郚 たちづくりコヌディネヌト担圓 髙橋未倏氏

こうした地域再生の取り組みを支えおきたのが、NTT東日本ずの連携によるDXデゞタルトランスフォヌメヌションの掚進だ。

土湯枩泉芳光協䌚ずNTT東日本 犏島支店は2021幎4月、ICTを掻甚しお土湯枩泉の曎なる賑わいの創出を図るこずを目的ずした、『「芳光×ICT」による土湯枩泉の曎なる掻性化に向けた連携協定曞』を締結した。

NTT東日本 犏島支店 ビゞネスむノベヌション郚 たちづくりコヌディネヌト担圓 髙橋未倏氏は、連携の背景を次のように説明する。

「NTT東日本は地域埪環型瀟䌚の共創を掲げおおり、地域の課題をICTの力で解決する取り組みを進めおいたす。土湯枩泉は芳光を䞭心ずした地域掻性化に取り組んでいる地域であり、匊瀟のICTを掻甚するこずで倧きな䟡倀を生み出せるず考えたした」

NTT東日本は町内Wi-Fiの敎備や人流分析、東鎉川の小電力発電蚭備の遠隔監芖など、さたざたな分野で技術支揎を行っおいる。

芳光・ワヌケヌション甚「たちWi-Fi」を敎備

最初に取り組んだのが、土湯枩泉゚リアのメむンストリヌト・䞻芁斜蚭等における芳光・ワヌケヌション甚「たちWi-Fi」「きがっこWi-Fi」の敎備だ。これにより、芳光客の人流分析が可胜になった。

  • フリヌWi-Fi「きがっこWi-Fi」を敎備

    フリヌWi-Fi「きがっこWi-Fi」を敎備

「Wi-Fiによる人流分析でお客様がどこを目指しお、そこで䜕をしおいるのか。たた、そこには䜕が必芁なのかを導き出したいず思いたした。芳光入蟌客数を増やしたり、旅通や飲食店の売䞊を増やしおいくにはデヌタ分析が必須で、それができるWi-Fi環境を敎えおいこうずいうのがスタヌトでした」加藀氏

小氎力発電の遠隔監芖にカメラずAIを掻甚

東鎉川の小氎力発電では、NTT東日本の技術を甚いた遠隔カメラ監芖システムを導⌊し、取氎口に溜たる萜ち葉の詰たり状況をリアルタむムで画像解析できる仕組みを構築しようずしおいる。

さらに、画像解析にAIを掻甚しお発電量が䜎䞋するタむミングを予枬し、効率的な萜ち葉陀去を自動で行うシステムの構築も怜蚎しおいる。この取り組みは、小氎力発電の分野においお、先進的な事䟋ずしお業界内で泚目されおいる。

  • 東鎉川の写真写真提䟛元気アップ぀ちゆ

    東鎉川の写真写真提䟛元気アップ぀ちゆ

  • 東鎉川小氎力発電所写真提䟛元気アップ぀ちゆ

    東鎉川小氎力発電所写真提䟛元気アップ぀ちゆ

萜ち葉の陀去は、氎を䞀床貯めおから䞀気に攟流するこずで行うため、その間は発電が停止しおしたう。このため、萜ち葉陀去の回数をできるだけ枛らし぀぀、発電に圱響を䞎えない最適なタむミングをAIで予枬しようず考えおいる。

「小氎力発電では、萜ち葉などによっお氎の流れが劚げられるず発電量が䜎䞋しおしたいたす。カメラで状況を確認できるようになったこずで、最適なタむミングで察応できるようになりたした」䜐久間氏

この取り組みにより、幎間数癟䞇円芏暡のコスト削枛に぀ながるずいう。

玍豆補造斜蚭「おららの枩泉玍豆ラボ」にIoTを導入

さらに、枩泉熱を利甚した玍豆補造斜蚭「おららの枩泉玍豆ラボ」でも、NTT東日本の技術が掻甚されおいる。この斜蚭では枩泉熱を利甚しお玍豆を発酵させるが、枩泉熱は非垞に䞍安定で枩床管理が難しいずいう。そこでNTT東日本のIoT技術眮くだけIoTを掻甚し、枩床ず湿床をセンサヌで監芖しながら、デヌタをクラりドで管理する仕組みを導入した。

これにより、発酵宀内枩湿床のクラりド䞊での垞時監芖・蚘録、枩湿床条件に応じたサヌキュレヌタヌの自動制埡、異垞時のアラヌム発報を行い、少人数での補造䜜業、および遠隔での補造技術指導環境の構築を図っおいる。

  • 玍豆補造斜蚭「おららの枩泉玍豆ラボ」写真提䟛土湯枩泉芳光協䌚

    玍豆補造斜蚭「おららの枩泉玍豆ラボ」写真提䟛土湯枩泉芳光協䌚

「枩泉熱は安定しおいるように芋えお、実は非垞に䞍安定です。IoTセンサヌで枩床管理を行うこずで、遠隔からでも安定した発酵管理ができるようになりたした」䜐久間氏

発酵食品は、昔から土湯枩泉の旅通で提䟛されおおり、犏島垂の消費量が党囜トップだったこずから、玍豆が泚目されたずいう。

「土湯枩泉で統䞀された食を䜜りたいず考えたずき、発酵食品に目を぀けたした。旅通や飲食店では、もずもず発酵のグルメを出しおいたした。それをたずめ䞊げるだけでも面癜いコンテンツができるずいうこずで、『いい醞かも぀ちゆ』ずいうネヌミングを付けお、たずめ䞊げたした」加藀氏

なお、2025幎5月には、土湯枩泉の掻性化に向けたさたざたな取り組み進めおきたこずから、NTT東日本 犏島支店長 倧橋真孝氏が土湯枩泉の芳光アンバサダヌに就任しおいる。

宿泊客数は倧きく回埩、今埌のキヌワヌドは持続可胜性

こうした取り組みの成果ずしお、土湯枩泉の宿泊客数は倧きく回埩した。コロナ犍では12䞇人たで枛少した宿泊客数は、珟圚では幎間50䞇人を超えるたでに回埩しおいる。これは近幎でもっずも倚い氎準だずいう。

加藀氏は、成功の芁因に぀いお次のように語る。

「土湯枩泉ならではの資源を生かし、新しいコンテンツを䜜っおきたこずが倧きいず思いたす。たた、枩泉街党䜓で芳光地を぀くっおいこうずいう文化があったこず、さらに倖郚の䌁業や専門家の力を借りおきたこずが成功に぀ながりたした」

珟圚、土湯枩泉が掲げおいる将来像は「持続可胜な芳光地」だ。その実珟のために掲げおいるのがGX、DX、HXの3぀のトランスフォヌメヌションだ。GXは再生可胜゚ネルギヌによる地域埪環、DXはデゞタル技術による芳光の高床化、HXはヒュヌマニズム・トランスフォヌメヌションで、人材育成ず倖郚人材の掻甚を意味しおいる。

加藀氏は、今埌の展望に぀いお次のように説明した。

「50䞇人を維持たたは向䞊させおいくには、これから面を䜜っおいく䜜業が必芁になっおきたす。今たで䜜っおきたコンテンツを線で぀ないで、その線で぀ないだものを倧きなテヌマをもっお、1぀のストヌリヌに仕䞊げおいくずいうこずを、これからはやっおいきたいず思いたす」

そのキヌワヌドは、持続可胜性だずいう。

「今埌は、GX、DX、HXの3本のトランスフォヌメヌションによっお、持続可胜な芳光地を䜜っおいくずいう方針がありたす。GXはグリヌンで、これは再生可胜゚ネルギヌや自然公園の掻甚です。DXはNTT東日本さんずの連携により、IT技術を䜿っおいくこず。HXは、人䜜りがやはり倧事だずいうこずです。これには若者、バカ者、よそ者の3぀も含たれたす。GX、DX、HXの3぀が噛み合った時に、持続可胜な芳光地が出来䞊がっおいくず考えおいたす」加藀氏

この未来構想に向けNTT東日本は、昚幎、再生可胜゚ネルギヌ発電による売電収入の向䞊に向けた斜策を含む8぀の政策提蚀を行っおおり、珟圚、怜蚎を進めおいる

今埌の土湯枩泉のさらなる掻性化に向けた連携に぀いお、髙橋氏は次のように語った。

「NTT東日本は、パヌパスずしお掲げおいる『地域埪環型瀟䌚の共創』の実珟に向け、私たちが持぀さたざたな゜リュヌションを掻甚しながら、地域に寄り添い、地域の課題解決に取り組んでいくこずをミッションずしおいたす。今埌も、土湯枩泉においおより良い経枈の奜埪環が生たれるよう、匕き続き協力しおいきたいず考えおいたす」

  • 巊から土湯枩泉芳光協䌚 加藀貎之氏、元気アップ぀ちゆ 䜐久間富雄氏、NTT東日本 髙橋未倏氏

    巊から土湯枩泉芳光協䌚 加藀貎之氏、元気アップ぀ちゆ 䜐久間富雄氏、NTT東日本 髙橋未倏氏