
◆さまざまな要因で株価が大きく動く3月相場、その実態は?
3月は年度末ということで、大半の企業にとって3月期決算の業績が確定する月であり、決算に伴い株主優待や配当の権利が確定する月です。今回は、このような3月相場にどのような傾向があるのか、過去の株価データを用いて調べてみました。
■検証対象:全銘柄
■検証期間:2000年1月1日~2026年1月31日
■1銘柄当たりの投資金額:20万円
■買い条件:2月末の寄り付きで買い
■売り条件:25日経過後、翌営業日の寄り付きで売り
2月末に全銘柄を購入し、25日経過後に売却した場合について検証を行います。仮に勝率が50%以上で損益がプラスならば、3月は株価が上がりやすい月となります。反対に損益がマイナスであるならば、3月は下がりやすい月といえるのではないでしょうか。
以上のルールで過去のデータを用いて検証した結果は、以下の通りです。
◆株式市場の傾向(3月)の検証結果
勝率:55.25%
勝ち数:51,722回
負け数:41,894回
引き分け数:2,006回
平均損益(円):2,805円
平均損益(率):1.40%
平均利益(円):18,445円
平均利益(率):9.22%
平均損失(円):-16,371円
平均損失(率):-8.19%
合計損益(円):268,176,917円
合計損益(率):134,090.75%
合計利益(円):954,025,023円
合計利益(率):477,024.85%
合計損失(円):-685,848,106円
合計損失(率):-342,934.10%
PF(プロフィット・ファクター):1.391
平均保持日数:25.35日
以上が3月の株式市場の傾向です。検証結果を見てみると、勝率は55.25%、平均損益は1.40%です。勝率は5割を上回り、1トレード当たりの平均損益もプラスとなっていることから、3月は株価が上昇しやすい傾向にあるといえそうです。
しかし、損益の推移を確認すると、2020年に大きな暴落が確認できます。これは、皆さまご存じの通り「コロナショック」による暴落です。このようにまれな暴落は突然起こり、3月相場が原因とは判断できないので、やむを得ないといえるでしょう。
例年の3月相場は、決算企業の決算対策や、機関投資家が運用ファンドの利回り評価の引き上げを目的とした「ドレッシング買い」が入りやすく、個人投資家も配当や株主優待権利を目的に、買いを入れる傾向にあります。
一方で、法人企業や機関投資家が決算対策に株式を売却することから、売りも出やすい月ともいわれています。買い勢力、売り勢力ともに材料豊富な3月相場ですが、過去のデータを用いて検証した結果によれば、総合的に見て上昇しやすい傾向があるといえるでしょう。
◆3月に買ってはいけないワースト銘柄ランキング
次は、3月の傾向をより詳しく確認してみましょう。3月は例年上がりやすい傾向にありますが、その中でも勝率が低く、3月に買ってはいけない個別銘柄はどれでしょうか。
表は、先ほどの検証結果において勝率が20%以下の個別銘柄のランキングです。ワーストランキングの銘柄を見ると、以下のようになっています。
<1566>上場インデックスファンド新興国債券
<4929>アジュバンホールディングス
ランキングの中には、スタンダード市場で取引されている新興銘柄もあります。中小型の銘柄であるスタンダード市場の銘柄は大型株と比較すると値動きが激しく、投資家の動向が表れやすいといわれます。
上昇しやすい3月相場でも、こういった銘柄には注意が必要です。
※このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社および関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします
文:西村 剛(証券アナリスト、ファンドマネジャー)
国内運用会社にて中小型株式ファンドマネージャー兼アナリストを経て独立。個人投資家に分かりやすく株式投資を伝授すべく、講演や執筆を行う。『夕刊フジ』3年連続 株-1グランプリ グランドチャンピオン。
文=西村 剛(証券アナリスト、ファンドマネジャー)

