米労働省が2026年3月6日に発表した2月雇用統計の主な結果は、(1)非農業部門雇用者数9.2万人減、(2)失業率4.4%、(3)平均時給37.32ドル(前月比+0.4%、前年比+3.8%)という内容であった。
雇用者数
2月の非農業部門雇用者数は前月比9.2万人減と市場予想(5.5万人増)に反して減少。業種別では医療部門やレジャー・接客部門で減少が目立った。そのほか、製造業や建設業でも減少が確認された。
前2か月分の非農業部門雇用者数が合計で6.9万人下方修正されたこともあって3カ月平均の雇用者数は0.6万人増となり、前月時点の5.0万人増から減速した。
失業率
2月の失業率は4.4%と市場の予想通りに前月の4.3%から上昇した。一方で、フルタイムの職を希望しながらパート就業している人などを含めた広義の失業率である不完全雇用率(U-6失業率)は前月の修正値8.1%から7.9%に低下した。
労働人口に占める働く意欲を持つ人の割合である労働参加率は前月の62.1%から62.0%に低下した(労働参加率については、2026年1月から最新の国勢調査の結果が反映されており、2025年以前の参加率との間に連続性はないとされている)。
平均時給
2月の平均時給(全従業員)は37.32ドルとなり、前月の37.17ドルから0.15ドル増加して過去最高を更新。伸び率は前月比+0.4%、前年比+3.8%と市場予想の+0.3%、+3.7%をそれぞれ上回った。
まとめ
米2月雇用統計については、非農業部門雇用者数が先月比で減少した上に失業率が前月から悪化。医療従事者のストライキや悪天候などの特殊要因を割り引いても、米国の労働市場に対する懸念を拭えない軟調な結果であった。
賃金上昇率(平均時給)の伸びが堅調を維持している点などから、労働市場が急減速している訳でもなさそうだが、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が1月に示した「労働市場に安定化の兆しが見られる」との認識とはほど遠い状況ではあろう。ただ、貿易摩擦の再燃やイランとの戦争による原油高でインフレが再び上昇するリスクがある中で、簡単には利下げを行えそうにもない。FRBは当面の金融政策をめぐり、雇用情勢と物価動向の両睨みで難しい判断を迫られることになるだろう。



