ロート製薬は3月2日、妊娠・出産を取り巻く意識・実態を調査した「妊活白書2025」を発表した。調査は2025年12月2日~12月10日、全国の18歳~49歳30,568名を対象にインターネットで行われた。

若年未婚男女への調査

「子どもを望まない」初めて女性が男性を上回る

若年未婚男女(18~29才・子どもはいない)400名を対象にした「将来、子どもが欲しいかどうか」という質問では、「欲しい」37.4%、「欲しくない」62.6%と回答しており、「現在、そして将来も子どもを欲しいと思わない」の回答において、2018年の調査以降、初めて女性(64.7%)の割合が男性(60.7%)の割合を上回った。

  • 将来、子どもが欲しいかどうか/将来、子どもが欲しくない

    将来、子どもが欲しいかどうか/将来、子どもが欲しくない

「結婚・出産・子育てや生活・人生に対する意識」においては、男性よりも女性のほうが、子どもを産み・育てることによる「経済的な負担」と「仕事のキャリアへの支障」をより不安視していることがわかった。その差は、女性がおよそ10pt高い結果に。

  • 子どもを産み育てることによる経済的な負担が怖い・不安/子どもを持つことでキャリアに支障が出ると感じる

    子どもを産み育てることによる経済的な負担が怖い・不安/子どもを持つことでキャリアに支障が出ると感じる

子どもが欲しい→欲しくないを上回る「25歳の壁」

18歳~39歳の未婚男女を対象にした調査では、「子どもが欲しい」のピークは20才前後で、「将来、子どもが欲しい」が「欲しくない」を上回っているのは24才までと、25才を境に意向が逆転する「25才の壁」が存在することがわかった。

  • 将来、子どもが欲しいかどうか

    将来、子どもが欲しいかどうか

子どもを望まない未婚若年男女(18歳~29歳)のうち、22.1%は可能性は残しておきたいと考えている(男性:22.9% 女性:21.2%)。

また、子ども望む既婚男女(25~44歳/子どもなし)のうち、「以前は子どもが欲しいかどうかよく分からなかった」「以前は子どもが欲しいと思っていなかった」と回答した人が合わせて62.2%となった。

第1子を望む年齢

将来、子どもを望む若年未婚男女の第1子希望年齢に関して、2018年は約2.5人に1人(39.0%)が30歳になるまでに第1子を望んでいたが、2025年は約4人に1人(25.2%)まで減少。30代以降に希望する層が伸張しており、第1子希望年齢は後ろ倒しとなっている。(平均年齢は31.3才)

  • 第一子を望む年齢

    第一子を望む年齢

「妊活・出産」の情報収集をし始めた年齢

若年未婚男女を対象に、「妊活または自身のライフプラン・キャリアプランを意識して、妊活・出産の情報収集をし始めた年齢」について聞いたところ、全体では66.3%、子どもを望む層であっても54.7%と、半数以上が情報収集をまだ開始していなかった。

  • 妊活を意識して、または自身のライフプランやキャリアプランを意識して、妊活・出産に関する情報を収集した年齢

    妊活を意識して、または自身のライフプランやキャリアプランを意識して、妊活・出産に関する情報を収集した年齢

現在または将来子どもを望む既婚男女への調査

妊娠・出産に向けて取り組んでいること

現在または将来子どもを望む既婚男女(25~44才・妊娠中含め子どもはいない)800名に対し、「妊娠・出産に向けて現在取り組んでいること」を質問したところ、昨年からほぼ全ての項目が上昇。主に、健康的な生活習慣や、ライフプランの検討、パートナーの体に気を配ることが伸びており、妊活の取り組みは広がりを見せている。

一方で、既婚男女が「妊活または自身のライフプラン・キャリアプランを意識して、妊娠・出産の情報収集をし始めた年齢」に関しては、全体で約7割が結婚してから知識を取得。(全体:68.2% 男性:75.4%、女性:61.9%) また、結婚を意識する前(学生時代など)から情報収集していた人は男女ともに1割未満(9%以下)だった。

  • 「妊娠・出産」に向けて現在取り組んでいること

    「妊娠・出産」に向けて現在取り組んでいること

子ども望む既婚男女のプレコン認知度

子ども望む既婚男女(25~44歳/子どもなし)のプレコンセプションケア(プレコン)認知度は約20%だった。

プレコンセプションケアとは、"プレ"=前、"コンセプション"=受胎(妊娠)を意味し、妊娠前から健康づくりにより、次世代の健康にもつながるという考え方。ただし、「産む・産まない」を問わず、今の若者の健康増進(ヘルスリテラシー向上)を含む、幅広い概念とされている。

  • 「プレコンセプションケア」の認知状況

    「プレコンセプションケア」の認知状況

妊活と仕事・キャリアに対する意識

妊活と仕事・キャリアに対する意識に関して、既婚男女は「子どもを持つことで仕事のキャリアに支障が出る」(男性:52.0%、女性:64.1%)、「子どもを産み・育てていく上で転職や異動も視野に入れている」(男性:53.3%、女性:66.8%)と回答。男女ともに半数以上が、仕事・キャリアへの影響を感じており、特に女性は男性に比べて10pt以上高い結果に。

  • 子どもを持つことでキャリアに支障が出ると感じる/子どもを産み、育てていく上で転職や異動も視野に入れている

    子どもを持つことでキャリアに支障が出ると感じる/子どもを産み、育てていく上で転職や異動も視野に入れている

妊活の相談相手

既婚男女の妊活の相談相手について、職場の上司・同僚への相談は、男性(3.8%)、女性(4.2%)とほとんどの人がしておらず、そもそも男女の4割以上が誰にも相談していないことが明らかになった。

  • 妊活の相談相手

    妊活の相談相手

妊活経験者男女への調査

「想像したよりも、妊娠は成功しづらい」6割超

妊活経験者(18~49才・子どもがいる)500名のうち、全63.2%(男性:58.3%、女性:67.6%)が「妊活開始前に想像したよりも、妊娠は成功しづらい」と回答。また、全64.0%(男性:64.3%、女性:63.8%)が「仕事とのバランスを取りながら妊活をすることは大変」、全50.1%(男性:49.1%、女性:51.0%)が「妊活の影響で、仕事やキャリアプランを変更する必要が生じた(生じそう)」と答え、実際に妊活と仕事・キャリアを両立させることにハードルがあったことがより明確になった。

その他、約6割が「学生時代など若い頃に、妊娠・出産に関する正しい知識を得ておきたかった」(全体:62.4% 男性:61.2%、女性:63.5%)、「もっと早くから妊娠のための準備や妊活を始めておいた方が良かった」(全体:58.6% 男性:58.5%、女性:58.6%)と回答し、知識・準備不足であったことを感じている。

  • 妊活に対する意識(妊活経験者男女全体)

    妊活に対する意識(妊活経験者男女全体)

妊活開始のタイミング

妊活経験者男女の妊活開始のタイミングに関して、女性の約3人に1人(34.0%)が自分が希望していた時期よりも遅くなったと回答。男性(19.3%)との差は約1.8倍。中でも、30代女性の4割以上は希望時期より遅くなったことが明らかになった。

子どもを望む未婚男女の第1子希望年齢(平均年齢31.3才)と重なる、30代前半女性の妊活が遅れた理由をみていくと、「妊活に関する情報不足や不安があった」(37.9%)、「仕事の都合やキャリアアップの機会を優先」(24.1%)との回答が多く、仕事のキャリア躍進期と妊活タイミングが重なることや妊活への情報不足・不安が、結果として妊活開始時期の遅れに大きく影響を及ぼしたことがうかがえる。

  • 希望した時期に妊活を開始できたか

    希望した時期に妊活を開始できたか

  • 希望した時期に妊活を開始できなかった理由

    希望した時期に妊活を開始できなかった理由