漢方薬はドラッグストアなどで購入できるものもありますが、睡眠の悩みに作用する漢方薬は、症状のタイプによって使い分けることが大切です。

そこで今回は、せたがや内科・神経内科クリニック院長で、気圧予報・体調管理アプリ「頭痛ーる」アドバイザー医師を務める久手堅 司氏の著書『自律神経 これ1冊ですべて整える』(東洋経済新報社)より、不眠に効く漢方薬についてお届けします。

不眠に効く漢方薬は睡眠の状態によって使い分けを

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睡眠に関する悩みを訴える方はとても多いです。不眠があったり、睡眠がうまくとれていなかったりすると、さまざまな不調につながっていきます。

西洋薬で不眠に使用する薬は、眠気を誘発する作用を持つものがメインです。種類は大きく分けて、ベンゾジアゼピン系受容体作動薬、非ベンゾジアゼピン系受容体作動薬、メラトニン受容体作動薬、オレキシン受容体拮抗薬があります。

その一方で、漢方薬は睡眠のリズムをコントロールする薬になります。この「リズム」という部分が大事です。不眠には3つの種類があります。

(1)入眠障害:寝つきが悪い場合。一番多いです。
(2)中途覚醒:途中で何度も目が覚めてしまう。眠りの質が浅い。2番目に多いです。
(3)早朝覚醒:朝早く起きてしまう。3番目です。

以上3種類の不眠について、それぞれの睡眠のリズムの乱れを調整する漢方薬には次のような漢方薬があります。

入眠障害によく使われる漢方薬

●酸棗仁湯:身体は疲れているけど、寝つけない場合に使用します。気分が落ち込んでいないという部分もポイントです。

●加味帰脾湯:入眠障害があり、気分が落ち込んでいるとき(不安や心配の多い抑うつ傾向にある)、だるさや貧血などの症状があるときに使用します。

中途覚醒によく使われる漢方薬

●抑肝散:中途覚醒があり、日頃からイライラしやすい、肩こり気味などの場合に使います。当院で、不眠の患者さんに最も多く処方している薬です。

●柴胡加竜骨牡蠣湯:中途覚醒があり、動悸が出やすく、音やにおいなどに過敏の場合に使います。

早朝覚醒によく使われる漢方薬

●釣藤散:早朝覚醒があり、血圧が高めで、明け方に頭痛や耳鳴りがする場合に使います。

とりあえず睡眠の悩みに効く漢方薬を使ってみたいけれど、迷うという場合には、抑肝散を最初に使ってみましょう。

ここでの「肝」というのは、肝臓とは違います。東洋医学の五臓でいう「肝」は、自律神経をコントロールしたり、血液を貯蔵したりする役割があり、感情にも関係していると考えられています。そのため、不眠の改善に効果を発揮します。また、お子さんの夜泣きなどにも使われていて、気持ちが興奮しているときにも効果的です。

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著者:久手堅 司
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