車の暖房が効かないときはどうする?原因と対処法を解説

冬の寒い日に車内を暖めようとしても、何らかの原因で暖房がなかなか効かないことがあります。車の暖房が効かないのは、いくつかの原因が考えられます。暖房の仕組みを理解した上で、適切な対処法や効果的な使い方を知っておきましょう。

この記事では、車の暖房が効かない主な原因と対処法のほか、車の暖房の効果的な使い方について解説します。

車の暖房の仕組み

車の暖房が出す温かい風は、稼働しているエンジンから排出される熱を利用したものです。エンジンの熱によって80~90℃にまで熱くなった冷却水をヒーターコア(熱交換器)に循環させ、ファン(送風機)で風を当てて温風を生み出し、車内に供給しています。

車の暖房はエンジンからの熱を利用しているので、暖房用の熱を出すための追加の燃料を必要としていません。そのため、暖房をつけていてもガソリンが消費されることはなく、燃費に影響を与えないのです。

なお、ハイブリッド車(HEV)や電気自動車(BEV)に関しては、構造上、燃費や電力消費量に影響を与えるので注意してください。

冷房の仕組みとの違い

車の暖房と冷房の仕組みには、大きな違いがあります。エンジンの熱を利用するシンプルな仕組みの暖房に対し、冷房は家庭用エアコンのようにエアコンガス(冷媒)を気化させ、車内を冷やしています。

作動させる場合はエンジンをかけて冷房・除湿を制御する「A/Cスイッチ」を押します。そうすると気体を液化するコンプレッサーが動き出し、冷たい風を送り出すのです。なお、A/Cスイッチを押さない限りは一般的に冷たい風が出ることはなく、暖房または送風の状態になります。

車の暖房が効かない主な原因

車の暖房が効かない場合には、いくつかの原因が考えられます。ここでは、その主な原因について解説します。

冷却水の不足・劣化

車の暖房が効かない主な原因として、エンジンを冷やすための液体である冷却水の不足や劣化があります。車の暖房はエンジンによって温められた冷却水を活用しています。

冷却水の不足・劣化はヒーターコアへ十分な熱を供給できないため、暖房の効きを悪くする原因となります。また、冷却水の不足はオーバーヒートにもつながりますので、早めに冷却水の量を確認する必要があります。冷却水は少しずつ蒸発していくものですが、1年に300ml程度の減少なので、急激に減少する場合は水漏れも疑いましょう。

サーモスタットのトラブル

車の暖房が効かない主な原因として、サーモスタットのトラブルを疑うべきでしょう。サーモスタットとは、車のエンジンの温度を適温に調整するための部品です。例えばエンジンが高温になった場合、サーモスタットが水門のように開いてラジエーターへ冷却水を供給します。エンジンを冷やしてオーバーヒートを防ぐ役割を果たすのです。

サーモスタットが経年劣化などでトラブルを抱えた場合、水門が常時開いた状態になってエンジンを冷やしすぎるオーバークール状態になりかねません。これによって冷却水の温度も上がらず、暖房の効きが悪くなる可能性があります。

ウォーターポンプのトラブル

冷却水を循環させる役割を担うウォーターポンプのトラブルも、車の暖房が効かない主な原因に挙げられます。ウォーターポンプが故障すると暖房が効かなくなるだけでなく、エンジンが発する熱を冷却できないため、オーバーヒートにつながりかねません。

ウォーターポンプのトラブルは、冷却水が漏れるといった前兆で判断できます。停車中のエンジン下あたりに、緑色や赤色、青色などの液体が滴り落ちている場合には、要注意です。

ヒーターコアのトラブル

暖房の温風を作り出しているヒーターコアのトラブルも、車の暖房が効かなくなる原因といえるでしょう。ヒーターコアは車のエンジンと居室空間のあいだにある部品であり、内部の管を高温の冷却水が通ります。

ヒーターコアの中の管が詰まったり劣化したりすると冷却水が行き届かず、結果として暖房の風は冷たいままになるのです。

車の暖房が効かないときの対処法

車の暖房が効かないときには、どのように対処したらいいのでしょうか。ここでは、車の暖房が効かないときの対処法について解説します。

冷却水の点検

車の暖房が効かないときの対処法として、まずは冷却水を点検すべきでしょう。冷却水は最近のものは7年などの長期間持ちますが、従来のものは2~3年が交換の目安のため、車検時などで定期的に補充・交換する必要があります。

リザーバータンクを確認し、冷却水が規定量(「FULL」と「LOW」のあいだ)より不足していた場合は、同じ種類のものを注入します。このとき、エンジンが冷えた状態で行うようにしてください。また、変色や泡立ちなど劣化していた場合は新しい冷却水に交換する必要があります。

各部品の交換

サーモスタットやウォーターポンプなどの部品交換は、車の暖房が効かないときの対処法のひとつです。これらの部品に不具合を抱えていると暖房の作動状況に影響を及ぼすため、交換が必要となります。

ただし、暖房に関する部品の交換を自分で行うのは難しいため、自動車整備工場などに依頼しなければならない点に注意しましょう。

車の暖房の効果的な使い方

車の暖房は、使い方を工夫することによって効果的に車内を暖めることができるでしょう。ここでは、車の暖房の効果的な使い方について紹介します。

乗車前に暖機運転する

乗車前に暖機運転することは、車の暖房の効果的な使い方のひとつです。暖機運転とは、エンジン内に温かいオイルを潤滑させるために行うアイドリングを指します。

技術の進歩により、現代の車では暖機運転は基本的に必要ありません。しかし、暖房については前述のとおり、冷却水が蓄えた熱を利用するため、「低水温表示灯」という青色または緑色に光るランプで水温(冷却水の温度)が上がったのを確認してからスイッチをオンにすると、効果的に車内を暖めることができます。特に寒い日の始動時には、数十秒間の暖機運転を行いましょう。

反対に、エンジンの始動直後に暖房スイッチを全開にしても、エンジンが冷えているために冷風しか出てこないことも、覚えておきたいポイントです。

始動時にはエアコンの内気循環モードを活用する

車の暖房の効果的な使い方として、エアコンの「内気循環モード」を活用することが挙げられます。車のエアコンに備わる内気循環モードは車外から入ってくる空気を塞ぐため、車内の温度を維持できます。暖房始動時には内気循環モードにしておくと、車内の空気が早く暖まるでしょう。

なお、車内が暖まったときには「外気導入モード」に切り替えれば車外の空気が入り込むため、車内外の温度差によって生じる窓ガラスの曇りを防ぐのに役立ちます。

エアコンのA/Cスイッチをオフにする

エアコンのA/Cスイッチをオフにするのも、車の暖房の効果的な使い方といえるでしょう。これはA/Cスイッチが冷房・除湿のためにあり、一般的には暖房の機能に無関係なのが理由です。

暖房使用の際にはA/Cスイッチをオフにしておくことでコンプレッサーが停止するため、エンジンの負荷が軽くなり、結果として燃費の悪化も防げます。なお、窓ガラスに結露が生じて曇った際には、扇状に三本の波が入った「デフロスター」のスイッチをオンにするとエアコンが作動し、曇りをすぐに除去できます。

車の暖房の修理費用相場

車の暖房が壊れたときの修理費用の相場は、数千円~8万円以上です。さまざまな部品の中でもラジエーターやヒーターコアを修理・交換する場合には、費用は高くなる覚悟をしなければならないかもしれません。

ちなみに、冷房(エアコン)が故障した場合、部品によってはさらに高額になります。エアコンガス漏れを引き起こすエアコンコンプレッサーやエバポレーターの修理費用は、10万円を超える可能性があるのです。

まとめ

車の暖房が効かないのは、冷却水の不足・劣化のほかに、サーモスタットなどの各部品にトラブルを抱えている可能性があります。冷却水の量の確認などは自分でも確認しやすいですが、水漏れを起こしていたりその他部品が壊れていたりした場合は業者でないと対処しづらいです。冷却水関係の不具合はエンジンのオーバーヒートにつながる場合があり、そうなると修理費用も高くつくので、早めに修理業者に点検・修理を依頼するようにしましょう。

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