朝起きてすぐ、食後、寝る前など、毎日の歯磨きのタイミングは人それぞれ。その一方で、「“いつ”磨くか」まで意識している人は、意外と少ないかもしれません。実は、歯磨きは回数だけでなく、タイミングによっても口内環境が大きく変わるといわれています。

そこで今回は、“効果的な歯磨きのタイミング”について、歯科医師の視点をもとに紐解いていきます。

  • 爪楊枝で歯を掃除する中年男性

    ※画像はイメージです

みんなはいつ歯を磨いている?

マイナビニュースのアンケートによると、「普段、どのタイミングで歯磨きをしていますか?」という質問に対し、「就寝前」が54.6%、次いで僅差で「朝食後」が53.6%という結果でした。これに続いて、「起床後」と「夕食後」も32.9%と並びます。

  • グラフ:Q1. 普段、どのタイミングで歯磨きをしていますか?(複数回答可)

この結果から、日々の歯磨きは「朝」と「夜」に行う人が比較的多いということがわかりました。一方で、「昼」の時間帯は仕事や学校などで外出している人も多く、歯磨きをするタイミングが取りにくいため、回答率が低くなっていると考えられます。

タイミングを“意識”して歯を磨いている人は?

次に「1日の中で歯磨きのタイミングは意識しているか」という質問に対しては、「決まったタイミングで磨くようにしている」と回答した人が過半数(50.3%)を占める結果になりました。

  • グラフ:Q2. 歯磨きのタイミングについて、意識していることに最も近いものはどれですか?(単一回答)

一方で、「あまり意識していない」人も18.1%おり、生活の中で思い立ったタイミングで磨くという人も一定数存在しました。

なお、「あまり意識していない」を答えた人が実際に選んでいた歯磨きのタイミングを見ると、最も多かったのが「就寝前」で47.3%、次いで「起床後」34.5%、「朝食後」32.7%でした。つまり、“タイミングを意識していない”層であっても、就寝前や朝の歯磨き習慣は無意識のうちに定着している傾向がうかがえます。

専門家に聞く“効果的な歯磨き習慣”とは

今回のアンケートでは、歯磨きのタイミングは人によって違うものの、“意識していない”層でさえ「就寝前」と「朝」に磨く人が多いという傾向が見えてきました。

では、こうした“選ばれやすい時間帯”は、実際に歯磨きのタイミングとして理にかなっているのでしょうか? ここからは、日常で押さえるべき歯磨きのタイミングについて、中島歯科クリニック副院長 中嶋麻優子先生にお伺いします。

中嶋 麻優子(なかじま まゆこ)先生

中島歯科クリニック 副院長

―歯科医師の立場から見ると、1日の中で最も重要な歯磨きのタイミングはいつなのでしょうか?

中嶋先生:最も重要なのは、「就寝前」の歯磨きです。睡眠中は唾液分泌が減少し、口腔内の細菌が増殖しやすくなります。そのため、就寝前の清掃不足はむし歯・歯周病リスクを大きく高めます。

―就寝前に汚れをしっかり落とすことが大切なんですね。歯磨き以外に必要なケアはありますか?

中嶋先生:特に就寝前は、フロスや歯間ブラシを併用することを推奨しています。また、最低2分以上、丁寧に磨くことも重要です。

―フロスや歯間ブラシは、歯磨きの“前”と“後”のどちらで使用するのが効果的なのでしょうか?

中嶋先生:フロスや歯間ブラシは歯磨きをした後に使うと、歯磨き粉の成分が歯周ポケットまで行き渡りやすくなるためおすすめです。

―「就寝前」を含め、歯磨きは1日に何回行うのが理想ですか?

中嶋先生:日常では、1日に2〜3回の歯磨きを目安にすると良いでしょう。

―アンケートでは、「食後すぐに歯磨きをしたほうが良い」と聞く一方で、「食後は酸で歯が弱くなっているため、少し時間を置いたほうが良い」という意見もあり、どちらが正しいのか迷うという声がありました。実際はどうなのでしょうか?

中嶋先生: これは先生によって考え方の違いがありますが、私は「とにかく磨くことが大切」だと患者さんにお伝えしています。

―ここまで日常での口腔ケアについて伺ってきましたが、これらの習慣は歯の健康以外にも影響するのでしょうか?

中嶋先生:口腔内の細菌量を減らすことは、誤嚥性肺炎や感染症リスク低下にも関連すると報告されています。そのため、口腔ケアは全身の健康管理の一環といえるでしょう。

「就寝前にきちんとケアをする」——その一手間が、口の中だけでなく全身の健康にもつながっていくようです。風邪やインフルエンザが流行るこの時期、毎日の歯磨き習慣を見直してみるのはいかがでしょうか?

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