帝国データバンクは2026年2月18日、2026年度の新卒社員の初任給に関する企業の動向アンケート結果を発表した。本調査は2026年2月5日~9日、全国の企業1,541社を対象に、インターネット調査によって行われたもの。
企業の7割近くが「初任給引き上げ」と回答
2026年4月入社の新卒社員に支給する初任給を前年度から引き上げると回答した企業は67.5%となった。前年度の71.0%から3.5ポイント低下したものの、依然として7割近くに達した。一方、「引き上げない」(32.5%)は3割台に上昇した。
企業規模別では、「大企業」(65.6%)、「中小企業」(68.2%)はいずれも6割台後半だった。一方、「小規模企業」(50.0%)は前年度比12.2ポイント低下し、全体を17.5ポイント下回った。
平均引き上げ額は9,462円に上昇
初任給の引き上げ額は「1万~2万円未満」(47.4%)が最多で、「5千~1万円未満」(31.6%)が続いた。平均引き上げ額は9,462円となり、前年度の9,114円を上回った。規模別では「大企業」が9,749円、「中小企業」が9,371円で、「大企業」が約400円高かった。
2026年度の初任給額は「20万~25万円未満」(61.7%)が最多。「25万~30万円未満」(17.8%)は前年度比6.4ポイント増で2割近くに上昇し、「15万~20万円未満」(17.4%)を上回った。「20万円未満」は17.8%となり、前年度の24.8%から7.0ポイント低下した。
背景には人材確保や定着促進、最低賃金上昇への対応、賃金テーブル全体のベースアップなどがある。一方で、物価上昇や原材料費高騰によりコストが膨らむなか、特に中小企業や小規模企業では原資確保が課題となっている。既存社員との賃金バランスを懸念する声もあり、引き上げを見送る企業もみられた。
初任給引き上げは採用面で一定の効果が期待される一方、人件費総額の増加や社内の賃金バランス調整が課題となる。価格転嫁の進展や生産性向上が、今後の鍵となりそうだ。

