【鎌倉 観光スポットレポ】神奈川県護国神社 - 大船の街を一望する高…

湘南モノレール富士見町駅から徒歩7分。大船の街を見晴らす水道山の中腹に、神奈川県護国神社(かながわけん ごこくじんじゃ)が鎮座しています。

今回はこちら、神奈川県護国神社の歴史や御祭神、見どころを紹介。鎌倉散策の参考となれば嬉しいです。

神奈川県護国神社の歴史

2018年(平成30年)5月29日に創建され、2020年(令和2年)12月5日に現在地へ遷座されました。

それまで神奈川県は、日本全国で唯一「護国神社がない県」と言われており、その現状を憂えた民間有志が2012年(平成24年)に創建運動を開始します。

日本の平和と独立を守るため、尊い生命を奉げられた戦歿者の英霊に、感謝と顕彰の誠を奉げたい。そんな思いが結実したのでした。

護国神社とは

戦没者の英霊を祀る神社で、日本全国の各道府県に鎮座しています(※)。神奈川県でも戦前から創建運動が行われており、完成直前までこぎつけました。しかし、1945年(昭和20年)5月29日の横浜大空襲によって焼失。そのまま創建されずにいたのです。

(※)東京都には日本全国の英霊を祀る靖国神社が鎮座しているため、都単位の護国神社はありません。

神奈川県護国神社の御祭神

こちらの神奈川県護国神社には、以下の御祭神が祀られています。

御祭神名はいずれも大和言葉(日本古来の言葉)に基づいて奉称(命名)されており、少しなじみにくいかもしれません。

神奈川県英霊 【創祀:2012年(平成24年)5月29日】

御祭神名は「かながわすべてのほつみたま」と読み、文字どおり「神奈川県にゆかりのある英霊(ほつみたま)すべて」という意味です。

身寄りのある者もない者も、記録に残っている者もいない者も、誰一人も漏らすことなくお祀りしたいという思いから名づけられました。神奈川県の英霊約46,000柱を総称した一柱の神格で、こちらの主祭神として本殿にお祀りされています。

硫黄島海軍英霊 【合祀:2025年(令和7年)5月25日】

御祭神名は「いおうとうにてはなとちりける うみさきもりがほつみたま」と読み、硫黄島で戦死(散華)された海軍(海防人)関係者の英霊が、相殿神として本殿にお祀りされています。

こちらの英霊は、次の海軍予備学生英霊と共に海上自衛隊横須賀教育隊より合祀の依頼があり、それがきっかけで合祀されました。

海軍予備学生英霊 【合祀:2025年(令和7年)5月25日】

御祭神名は「かねそなえたるまなびとの うみさきもりがほつみたま」と読みます。

海軍予備学生(かねそなえたるまなびと)のうち、横須賀鎮守府(現代の海上自衛隊・横須賀地方総監部)隷下の英霊が、相殿神として本殿にお祀りされています。

神奈川県公霊【創始:2022年(令和4年)4月】

御祭神名は「かながわのしもべがみたま」と読み、神奈川県下における殉職公務員(しもべ・公僕)の御霊が、末社である神奈川県公霊社(かながわけんこうれいしゃ)にお祀りされています。

創始(そうし):神様を祀り創めること、ここではその年月日です。

神奈川県の英霊約46,000柱:靖国神社の祭儀課データに基づきます。

主祭神(しゅさいじん):その神社でメインにお祀りされている神様です。

合祀(ごうし):すでに神様が祀られている神社や社殿へ、合わせて祀られること。ここではその年月日を指します。

相殿神(あいどのしん):主祭神と同じ社殿に祀られている神様です。一緒に祀ることで、御神徳を高め合う相乗効果があると考えられました。

神奈川県護国神社の御神徳

画像提供:境内末社・神奈川県公霊社

世界平和(戦争がなくなりますように)君民弥栄(皇室と国民の絆が永遠でありますように)国家安泰(日本国が幸福に発展しますように)義勇奉公(みんなのため力を尽くせますように)敬天愛人(自然を敬い、人を愛せますように)

こちらの神々は、いずれも「公のために」尊い命を奉げられた方々です。私利私欲の願いを叶えるのではなく、大切な誰かの幸せを祈り、行動される方を御加護くださることでしょう。

神奈川県護国神社の見どころ

大船の街と観音様

こちらの見どころとして、水道山の中腹に位置するゆえの眺望が第一に挙げられるでしょう。晴れ渡った青空の下に広がる大船の街と、その向こうには大船観音も拝めます。

かつて護国観音と呼ばれていた観音様と護国神社の揃い踏みです。

御神木たち

境内の御神木は、いずれも有志が寄進したもので、それぞれに丹精込めてお世話をしているそうです。画像は有志が靖国神社からお分かちいただいたヤマザクラ。最初は10cmくらいの苗木から、ここまで大きく育っています。

続いては、熊野本宮大社(和歌山県)からお分かちいただいたというナギの木。こちらは実生から育てたものです。

そして社殿の裏手に植えられたのは、ソメイヨシノとマツ。

ふりつもる み雪にたへて いろかへぬ 松ぞをゝしき 人もかくあれ (※昭和天皇御製)

【筆者による意訳】どんなに雪が深くつもっても、葉の色が褪せない松は立派である。人間である私たちも、見習いたいものだ。

【深掘り考察】人間は苦難に見舞われると、たやすく変節(心変わり・挫折)しがちであるが、松の葉を見習いなさい。

多くの困難を乗り越えて、神奈川県護国神社の創建を果たした有志たちの心意気が示されています。

季節の花々

春はサクラやロウバイ、そして初夏にはヤマユリやツツジ、アジサイが楽しめるでしょう。※ロウバイとアジサイは境外です。

ヤマユリは神奈川県の県花(シンボル・フラワー)であり、有志が丹念にお世話をしているものです。最盛期には境内を香りが包み込みます。

サクラの開花はまだ不安定ながら、今後数十年とかけて境内を彩ってくれることでしょう。

神奈川県護国神社の御朱印

御朱印は境内の専用ボックスに納められていました。初穂料はお賽銭箱に入れるようです。

御神紋の抱桜(いだきざくら)と神奈川県護国神社の文字、そして奉拝・年月日とシンプルなデザインになっています。

こちらの御神紋は有志の投票によって決定されたそうです。桜の葉が花を包み込むデザインが、英霊に対する感謝と敬愛の気持ちを表現しているそうです。

神奈川県護国神社への道順

参拝者から「道順がわからない」という声が寄せられているそうなので、わかりやすく写真付きで紹介しましょう。

まず、ここまでは皆さん来られると思います。坂の手前にあるカーブミラーと一方通行標識が目印です。

坂道を上ったら、間もなく右手に現れる細い階段(一応、鎌倉市道)を進んでください。

ここが鬼門(道に迷いやすいポイント)で、見逃して左へ進んでしまうと行き止まりなので要注意です。

先が見通せなくて不安になりますが、信じて進みましょう。

すると、意外とすぐ着いてしまいます。お疲れ様でした!

まとめ

今回は、神奈川県護国神社を紹介してきました。県民有志による手づくりの神社ですが、手探りながらも英霊をお祀りしたい情熱が、境内のそこかしこに感じられます。

日本国内外で戦争の気配が濃厚となりつつある昨今だからこそ、英霊たちに感謝と敬愛の誠を奉げ、真の平和について考えたいものです。

神奈川県護国神社

参拝時間

24時間

※照明が不十分なため、夜間の参拝はご注意ください

休務日

社務所はありません

主な祭礼

例大祭 5月29日に近い日曜日(毎年協議により決定)

アクセス

所在地:神奈川県鎌倉市台4-1199-19湘南モノレール「富士見町駅」から徒歩7分(450m)駐車場:なし(公共交通機関か、付近のコインパーキングがおすすめです)