AlbaLinkは2月13日、「老後資金に関する意識調査」の結果を発表した。調査は2026年2月2日、30代~50代の男女500人を対象にインターネットで行われた。

老後資金に不安を感じる人は93.2%

  • 老後資金に不安を感じるか

    老後資金に不安を感じるか

30代~50代の男女500人に「老後資金に不安を感じるか」を聞いたところ、「とても不安(58.0%)」「やや不安(35.2%)」が合わせて93.2%だった。「とても不安」だけで全体の6割近くとなっており、多くの人が老後資金について強い危機感を抱いている様子が伺える。

テレビやネットなどでも「年金額が減るのではないか」「物価上昇で生活が苦しくなるのではないか」といった懸念が取り上げられていることで、問題意識を抱くようになったと考えられる。

老後資金として準備していること

  • 老後資金として準備していること

    老後資金として準備していること

「老後資金として準備していること」を聞いたところ、1位は「預貯金(46.2%)」だった。2位「NISA(35.8%)」と答えた人も多くなっている。3位「iDeCo(7.0%)」、4位「保険(6.0%)」、5位「株式投資(5.6%)」という結果だった。

最も多かったのは預貯金で、比較的安全でわかりやすい方法を重視する人が多くなっている。

一方で「NISA」や「iDeCo」など、リスクをとりつつ税制面でメリットを活用しようとする層も少なくないことがわかる。

さらに「預貯金メインでNISAも活用」など、比較的リスクの低い方法と高い方法を組み合わせている人も多くいて、バランスが重視されていることも伺えた。

1位「預貯金」

  • 「預貯金くらいしかできてないのが現状」(30代 男性)
  • 「貯金するしかない。収入があまりにも少ないので投資のようなリスクのある運用はできない。少額でも確実に貯めるしかないと思っている」(40代 女性)
  • 「預貯金でしたが、家族の介護で大変なことになっています」(50代 女性)

預貯金は元本割れのリスクが低く、誰でもすぐに始めることができる。お金を守りながら老後資金を準備する方法とも言える。

一方で日本国内の銀行に預けても金利はいまだに低く、資産が増える効果はあまり期待できない。アンケート回答からは「本当は他の方法も気になるが、現実的に選べるのは預貯金しかない」という、やや消極的な選択でもあることが伺えた。

預貯金を選ぶしかない理由としては「リスクが怖い」「知識がない」などが挙げられていた。

2位「NISA」

  • 「20代は貯金をメインにしていましたが、『置いていても増えていかない』『物価高に耐えられない』と思い、30代でNISAを始めました」(30代 女性)
  • 「NISAを使って資産運用はやっています」(40代 女性)

NISAは、投資信託や株式に投資した場合の運用益が非課税になる制度である。貯金だけでは増えないと感じたことをきっかけに始めた人もいることからもわかるように、貯金に比べると「リスクはとりつつも資産増加を期待したい」という積極的な選択となっている。

選んでいる商品としては「投資信託」と答えた人が多くなっていて、長期目線で運用していく意向が感じられる。

3位「iDeCo」

  • 「最近iDeCoも始めました」(30代 女性)
  • 「預貯金のみをしていたが、iDeCoを始めたのでiDeCoがメインです」(30代 女性)

iDeCoは「掛金が全額所得控除になる」「受け取り時にも一定額まで非課税になる」など、税制面で優遇されている制度。60歳まで原則お金は引き出せないため、老後資金づくりに特化するなら魅力的な制度といえる。「最近始めた」「預貯金からiDeCoに切り替えた」などの声が寄せられた。

ただ投資信託に投資する場合には、元本割れするリスクがある。元本割れのリスクを減らしたい場合には、掛金の振り分け先として定期預金の割合を増やす方法がある。

4位「保険」

  • 「保険の積立をわずかですが続けています」(30代 女性)
  • 「資産形成ができる保険に2つ入っている」(30代 女性)
  • 「外貨保険くらい」(50代 男性)

「積立型の保険」「個人年金保険」「外貨保険」などを選んでいる人が多く見られた。保険で老後資金を準備することで、「万が一への備え」や「家族の安心」と「資産形成」を同時に考えられるようになる。

また計画的に積立ができ、生命保険料や個人年金保険料については「生命保険料控除」が使えるのもメリットだ。ただし中途解約すると解約返戻金が支払った額より少なくなり、元本割れしてしまう可能性もあるので注意が必要となる。

5位「株式投資」

  • 「余剰資金から高配当株を購入し、配当金で少しでも資産を増やす。また株主優待で割安に商品を購入したり、QUOカードを入手し普段の食費に当てたりしています」(30代 女性)
  • 「外国株」(40代 女性)

株式投資は、比較的大きな価格変動のリスクがある商品。一方で、配当金や値上がり益によって資産を増やせる点が特徴となっている。上手に銘柄を選べさえすれば、長期安定的に配当金が入って収入減となってくれる。

ただ上手な銘柄選びは難しく、投資資金が少ないと分散投資もしにくいことから、老後資金の準備方法として選んだ人は「NISAでの投資信託投資」や「iDeCo」などに比べて少なくなった。

老後資金の目標金額

  • 老後資金の目標金額

    老後資金の目標金額

「老後資金の目標金額」を聞いたところ、目標金額を決めている人の中でのボリュームゾーンは、「1,000万円超2,000万円以下(26.6%)」だった。とくにキリのいい数字で「2,000万円」と答えた人が多くなった。

老後資金の目安について語られるときに、「2,000万円」という数字がよく出てくるために、ひとまずの目標にしている人も多いと考えられる。「ひとまずは◯◯万円が目標だが多ければ多いほうがいい」「いくらあっても不安なので、できるだけ多く」という声も複数あった。

また「未定」という人が27.6%と多かったのも特徴だ。目標を決めていない理由としては、まず「夫婦間で現状の整理を始めようという段階」など、準備段階であることがひとつ。

一方で「決めてないし貯められるイメージがつかない」「よく言われていた2,000万円はもう間に合わない気がするので決めていない」と、諦めムードの人もいた。

老後資金の準備で苦労していること

  • 老後資金の準備で苦労していること

    老後資金の準備で苦労していること

「老後資金の準備で苦労していることは何か?」という問いに対する回答で最も多かった回答は「日々の生活費で精一杯(44.0%)」だった。2位「物価が上昇している(21.0%)」、3位「今後教育費がかかる(12.4%)」、4位「資産運用の知識がない(12.0%)」が続く。

老後資金の準備における最大の壁は「そもそも準備に回せる余裕がない」という点だとわかる。「日々の生活費で精一杯」「教育費の心配もある」「収入が伸びない」といった状況があると、資産運用しようにもお金が足りないからだ。

「資産運用の知識がない」という声も一定数あり、どう準備すればよいかわからないという点も課題となっている。危機感や意欲はあっても経済面や知識面でハードルが多く、老後資金の計画自体が立てにくいと感じている人も多いと推測できる。

1位「日々の生活費で精一杯」

  • 「今の生活費でカツカツなので、なかなか貯金に回すお金を捻出できない」(30代 女性)
  • 「食費などが高くて貯金ができない。毎日の生活で疲れていろいろ買ってしまい、貯金ができない」(40代 女性)
  • 「生活費を切り詰めているが、なかなか余剰資金を確保できないです」(50代 男性)

食費や日用品など、日々支出する生活費が多く、預貯金や資産運用に回せるお金が少ないと感じている人がかなり多くなっている。

将来の生活も大切だが、今の生活が破綻してはいけないため「節約しても資金ができない」という声も。老後資金が気になるという思いがあっても、後回しになっていることが読み取れる。

2位「物価が上昇している」

  • 「物価が上がり続けているため、「今の目標金額で将来本当に足りるのか」という先行き不透明な点に苦労しています」(30代 男性)
  • 「今現在は物価高だと感じます。さらに高くなっていくだろうし、どれくらい上がるのか見通しが立たないのも不安に感じる原因です」(30代 女性)
  • 「インフレが進行するのではないかとか、今後先が読めない」(40代 男性)

物価上昇が苦労の原因となる理由としては、ふたつの側面がある。まずは「現在の物価上昇によって生活費が増えるので、老後資金に回せるお金が減る」という点。さらに「将来にわたって物価上昇が続くことによって、老後資金としていくら必要なのかが見えにくくなる」という問題もある。どう考えても未来のことはわからないので、定期的に見直す前提で準備を続ける考え方が現実的といえる。

3位「今後教育費がかかる」

  • 「まずは子どもの学費貯金で精一杯」(30代 女性)
  • 「子どもが3人と多くまだ小さいので、教育資金や生活費が今後どれくらいかかるのか未知数である。また受験期にどれくらい追加でお金がかかるのかもわからない」(30代 女性)
  • 「今はまず教育費が心配で、老後の資金まで考えられない」(40代 女性)

子どもを育てている家庭では、老後資金とともに教育資金の準備も大きな課題となる。子どもの人数や進路によって必要額が大きく変わるため、将来の支出が読みづらく、不安につながっていた。実際に「子どもの留学資金が思ったよりかかり、老後資金として貯めていたお金で賄った」など、教育費が思ったより大きくなって、老後資金の準備計画を練り直しているという人もいる。

親子の年齢によるが、通常は教育費のかかる「子どもの高校~大学進学」よりあとに、「親の老後」が来る。そのため、まずは教育費優先であり、老後資金のことまで考えられないという人も多くなった。

4位「資産運用の知識がない」

  • 「NISAなどの知識がなく、始めてみたいが手をつけられない」(30代 女性)
  • 「知識がなく、勉強する時間もなく、1日があっという間に過ぎていく」(40代 女性)
  • 「上手にお金を運用するための知識が足りないと感じます」(50代 男性)

「預貯金だけではお金が増えないから、老後資金準備のためにも、お金を投資に回しましょう」と、よく言われる。しかし投資に関する知識がない場合には、どの金融商品を選んで、どのように投資したらいいのかもわからない。知識や経験がないことで、リスクへの不安が大きくなる面もあると考えられる。勉強すればいいと思っても、仕事や家事育児で忙しいと勉強する時間が取れないことも。わかりやすい情報を求めるのであれば、公的機関や金融機関の初心者向け情報を活用することもできる。

5位「収入が増えない」

  • 「賃金はアッパーが見えてる」(30代 男性)
  • 「非正規雇用で賃金が上がらないため、なかなか貯金が貯まらない。いつクビを切られるかわからず、老後を迎える前に、貯金を切り崩す可能性がある」(30代 男性)
  • 「子育てをしながら仕事時間を増やすのは難しい。また在宅ワークが気になっているが、何をどう始めればいいかわからない」(40代 女性)

「物価は上がっているのに、給料は増えない」「昇給が見込めない」「家庭の事情で働けない」「配偶者の年収が減った」などの回答が寄せられている。生活費に余裕がない状態で、さらに収入が増えないと、老後資金に回せるお金が生まれない。

また不安定な雇用だと、老後資金より先に「急に仕事を失ったときに備える資金」を用意する必要もあり、長期的な準備はさらに難しくなる。

解決策としては、「支出の見直し」がある。本業で昇給が見込めないなら、副業や転職を検討するのもひとつの方法といえる。