第一三共ヘルスケアは2月1日、治療による肌トラブルに悩むAYA世代の女性がん患者を対象とした「肌ケアセミナー」を、東京・日本橋で開催した。

  • カバーメイクミニ講座

    カバーメイクミニ講座

AYA世代の「AYA(アヤ)」とは、Adolescent and Young Adult(思春期・若年成人)の略で、主にがんを中心とした医療領域で用いられている。一般的に15~39歳の人生の大きな転換期にある世代を指すが、その世代のがん患者は中高年や高齢層と比べると少ないことから周囲の理解を得にくい現状があるという。

また、この世代は進学や就職といった転換期にあり、妊孕性や心理的負担などがん患者特有の課題に直面しやすい。同社の調査によると、治療中の肌ケアで効果を実感した人の約80%に前向きな心境の変化があったとのこと。

今回で11回目を迎える「肌ケアセミナー」には、30名近くのがんの罹患者や経験者が参加した。

同社の看護師・東島愛美氏は、「抗がん剤治療中から取り入れたいスキンケア」について解説。抗がん剤で皮膚の新陳代謝が低下しトラブルが起きる仕組みを説明し、低刺激な洗浄料で摩擦を抑えて洗うコツやこまめな保湿、年間を通じた紫外線対策が重要であることを伝えた。肌ケアの基本である「保清・保湿・保護」の3点が示されると、参加者からは「すぐに実践したい」との前向きの声が挙がった。

  • 抗がん剤治療中から取り入れたいスキンケアについて解説

    抗がん剤治療中から取り入れたいスキンケアについて解説

「肌ケア体験講座」の講師は、アピアランス・サポート東京 アピアランス・サポート相談室 室長の村橋紀有子氏が務めた。「デリケートなお肌のための​セルフエステ フェイスケア​」と題し、治療とライフイベントが重なるAYA世代へ心身をいたわる重要性を解説。副作用のくすみ等、医師に相談しづらい悩みに対し、こまめなケアが自己肯定感やQOLを高めると強調した。

実技では、乳液を多めに使って摩擦を避け、老廃物を流す「巡活マッサージ」を伝授。耳周辺のポイントを指を使い静脈に添わせて流す具体的手法について、参加者は熱心に耳を傾けていた。

  • 肌ケア体験講座

    肌ケア体験講座

講義の最後は、一般社団法人ピアリング アピアランスケアアドバイザーの野村奈美氏によるカバーメイクミニ講座「元気に見えるベースメイク編」。野村氏は、外見の変化がAYA世代の精神的負担になりやすい現状に触れ、あざや色素沈着、傷あとなどを目立たなくする「カバーメイク」の有用性について解説した。

講座ではシミを薄く重ねて隠すコツや、ブラシの活用、血色を良く見せるチークの入れ方など、自然で元気に見える技術を披露。また、外見を守ることが治療を乗り越える力になると語り、メイクが単なる化粧を超えて心の支えになることを強調した。

  • カバーメイクミニ講座「元気に見えるベースメイク編」

    カバーメイクミニ講座「元気に見えるベースメイク編」

セミナー後半は、講師陣と同社社員、参加者が一つの輪になり、AYA世代特有の悩みにフォーカスした座談会を行った。参加者は「愛用していた化粧品が肌に染みる」「脱毛が怖い」といった身体的な不安や、周囲の視線による心理的障壁などを吐露し、AYA世代の女性がん患者の切実な痛みが浮き彫りになった。

  • AYA世代特有の悩みにフォーカスした座談会

    AYA世代特有の悩みにフォーカスした座談会

これに対し講師陣は、頭皮マッサージや栄養摂取など、具体的なセルフケアについてアドバイス。こうしたケアは、治療に励む自分自身を慈しむ儀式であると伝えた。外見を守る術を身につけることが、不安を払い前向きに病へ立ち向かう「心のバリア」「自分を守るお守り」になると激励した。

参加者からは、「日常で実践できるケアを知り安心した」「仕事や外出前にも取り入れられそうな内容で、無理なく続けられそうだと感じた」という声が多く寄せられた。そのほか、ケアを通じて鏡を見るのが楽しみになったという変化や、前向きな同世代の姿に希望を持てたという感想も集まった。