関東の鉄道事業者11社局は28日、クレジットカード等のタッチ決済を用いた後払い乗車サービスについて、事業者をまたいだ相互利用を2026年3月25日始発から開始すると発表した。対象エリア内であれば、タッチ決済対応カード1枚で異なる事業者間の乗継ぎが可能になる。
相互利用に参加する鉄道事業者は、小田急電鉄、小田急箱根、京王電鉄、京浜急行電鉄、相模鉄道、西武鉄道、東急電鉄、東京メトロ、東京都交通局(都営地下鉄)、東武鉄道、横浜高速鉄道の11社局。サービス開始時点で54路線729駅を対象とする。
利用時はタッチ決済に対応したクレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、またはそれらを設定したスマートフォン等を自動改札機の読取り部にタッチして入場・出場する。対応する決済ブランドは「Visa」「Mastercard」「JCB」「American Express」「Diners Club」「Discover」「銀聯」の7つ。事前チャージは不要で、利用した運賃は後日まとめて請求する後払い方式となる。利用履歴は「Q-move」サイト(QUADRACが提供)で確認できる。
適用される運賃は大人普通旅客運賃で、IC運賃とは異なり10円単位に。小児運賃の設定はなく、こどもが利用した場合も大人運賃となる。東京メトロと都営地下鉄の路線を乗り継ぐ場合、連絡普通旅客運賃から70円を割り引く。その他の運賃割引は行わない。
利用時の注意点として、入場と出場は必ず同一のカード等で行う必要があり、途中で別のカードに切り替えることはできない。定期券など他の乗車券との併用は不可とされ、対象エリア外への乗越しや振替輸送、入場券としての利用にも対応しない。
東京メトロと都営地下鉄の路線で、改札外での乗換えを行う場合、乗換時間を60分以内とし、60分を超えると乗換駅から新たに運賃が発生する。対象となる11社局以外の路線へ乗越しができないため、利用可能エリア外まで乗車する場合は交通系ICカード等を利用するか、他社線との接続駅で改札を一度出場する必要がある。
サービス開始時点で11社局の全駅が対象ではない点にも注意が必要。東京メトロでは中野駅からの乗車が対象外となるほか、西武鉄道も導入当初は一部の駅を対象外とし、2027年3月までに全路線全駅に拡大する予定としている。東武鉄道は東武スカイツリーラインや東上線池袋~小川町間は全駅対象となるが、伊勢崎線、日光線、鬼怒川線は対象駅を限定する。
関東の鉄道事業者11社局は、「使い慣れたクレジットカード等1つで鉄道をご利用いただける新しい移動環境を整備することで、国内外の多様なお客さまに快適でシームレスな乗車体験」を提供できるとメリットを説明。その上で、「これからも、既に多くのお客さまにご利用いただいている交通系ICカードを主軸と位置づける」としており、交通系ICカードの置換えを目的としたものでないことを強調している。







