3人1組で戦うバトルロイヤル形式の無料配信シューティングゲーム『Apex Legends』の年間世界王者を決める『Apex Legends Global Series(ALGS) Year 5 Championship』の決勝大会(賞金総額200万ドル=約3億1,600万円)が1月15〜18日、北海道札幌市の大和ハウス プレミストドームで開催された。

  • EA|Joe Brady @joebradyphoto

    EA|Joe Brady @joebradyphoto

世界が熱狂した札幌の4日間

世界各国から集まった40チームのうち半数の20チームが18日のファイナルに進出。ファイナル出場最終枠のかかった敗者復活戦“Last Chance Qualifier(LCQ)”を勝ち上がったプロチーム「Oblivion」が初優勝を飾り、賞金60万ドル(約9,480万円)を手にした。

  • EA|Joe Brady @joebradyphoto

    EA|Joe Brady @joebradyphoto

市街地の激しい銃撃戦を制し、ポイントをつかむチームが出るたび、ドームに地鳴りのような大歓声が巻き起こった。9チームがマッチポイントの50点に到達して迎えたこの日の9ゲーム目。最後の戦いを勝ち抜いたのは、敗者復活戦で最後の決勝枠を獲得した米国の「Oblivion」だった。LCQから頂点にたどりついたチームは、5回目の大会で初めて。“Legends”の名にふさわしい伝説が、札幌で誕生した。

MVPに輝いたBlinkzr選手は「私の競技人生において、これ以上の経験はない。この経験を札幌で達成できたことは特別だ。様々な大会に出てきたが、今回の勝利は本当に信じられない。かなりの時間と努力をかけて準備してきて、特別な瞬間が訪れた」と、興奮冷めやらぬ表情で大会を振り返った。

「Oblivion」の最大の勝因は、局面ごとの冷静な判断力と堅実でバランスの取れた戦術にあった。決勝までの戦いでは、リスクを抑え、ポイントを確実に稼ぐ卓越した安定感を見せた。試合展開に波があっても焦らず、チーム一丸となって1ゲームごと、上位のポイントを積み重ねた。敗者復活チームでありながらプレッシャーが一段と強くなるファイナルの大舞台で驚異的なメンタルの強さを発揮。選択したレジェンド(キャラクター)やポジション取りの巧みさ、敵チームの動きを的確に読み解く戦略眼で、奇跡的な逆転勝利を手繰り寄せた。

  • EA|Joe Brady @joebradyphoto

    EA|Joe Brady @joebradyphoto

世界中から北の大地のドームに集まったファンが、4日間の熱い戦いを一層熱いものに昇華させた。用意された3万5,000枚のチケットは完売。会場内では英語、中国語、アラビア語、韓国語、ポルトガル語など、多彩なランゲージが飛び交った。

最終日の開会式では、沖縄出身のラッパーOZworldがメインステージでライブを披露。地元札幌の企業クリプトン・フューチャーズが生み出した初音ミクも登場し、会場を盛り上げた。

Youtubeなどの配信プラットフォームでは数十万人がリアルタイム視聴し、SNSでは連日ハイライトや反応が飛び交った。「Oblivion」のMonsoon選手は、「日本のファンは本当に情熱的で、Apexや、出場している選手たちを愛していることを肌で感じられた。選手と同じくらいの情熱を注ぎ、会場全体が一つになったような瞬間を一緒に作れた。本当に感謝しているし、(札幌が)ベスト・オブ・ベスト」と、大会を振り返った。

北海道電力は、再生可能エネルギーで大会を支援

この4日間、SONY、RED BULL、Googleといった世界企業が構えたブースの列に、北海道電力も並んだ。昨年同じ大和ハウス プレミストドームで開催された大会を視察、今大会からスポンサーに名乗りを上げた。ブースの看板には大きく「NO ELECTRICITY,NO GAME」(電気がなければ、ゲームはできない)と掲げ、eスポーツと電力の親和性を強く印象付けた。

北海道電力の担当者は「これだけ多くの若者を惹きつけるイベントはなかなかありませんし、当然のことながら、eスポーツと電気は切り離せません。いつかeスポーツのイベントに絡みたいと思っていました」と話す。

北海道電力は、今大会の協賛にあたって開催期間中に会場内で使用されるすべての電力に対し、再生可能エネルギーの環境価値が充当される“カーボンFプラン”を活用。「実質的に再生可能エネルギーの環境価値を持つ」と証明される“非化石証書”をイベントの使用電力分購入し、カーボンニュートラル(地球温暖化の一因とされる炭素の排出量と吸収量を均衡させ、排出量を実質ゼロにする世界的取り組み)な社会創りへの意識づけを促した。

また、ブース内にはApex Legendsのキャラクター・ワットソンの塗装が施されたトヨタ製の水素自動車で、普段使いの社用車でもあるMIRAIを持ち込み、脱炭素の未来を演出。MIRAIで発生させた電気を使って“電気エネルギー関連の武器しか使えない”特別仕様のApex Legendsをプレイする環境を用意し、来場者を楽しませた。

さらに、全力で20秒自転車を漕ぎ、どれだけの電気エネルギーを作ることができるかを体感できるコーナーは、4日間で600人以上の参加者でにぎわい続けた。発電に挑んだ来場者には、自分がどれだけ発電できたかを確認できる発電証明書と、基準をクリアするとApex Legends オリジナルのTシャツやトレーナー、カードなどが手渡された。発電証明書には、カーボンニュートラルが自然と意識されるよう、自身の発電量と、ゲーミングPC稼働時間、二酸化炭素排出削減量が記入された。

世界40チームが参加した5回目の大会は、成功裡のうちに幕を閉じた。「Oblivion」のFunFPS選手は「札幌での体験は全てが最高。次も楽しみだよ」と、すでに同じ場所での開催が決まっている6回目の大会に目を向けた。3年連続となる札幌開催でもまた、新たな伝説が生まれるに違いない。