NTT西日本グループは、グループの注力事業の事業内容などを説明する「NTT西日本グループ会社 事業説明会」を、2026年1月14日(水)に開催した。これまでは同社が拠点を置く大阪で行われていた事業説明会だが、今回は会場を東京に移し、東京・大手町のNTT記者会見室での開催となった。
NTT西日本グループ7社が登壇
情報通信やAIなど、デジタル技術の進歩により生活環境が大きく変化している一方で、地域社会では生産年齢人口の減少に伴い、産業の衰退や行政サービスの縮小など様々な課題に直面している。
そんな中、NTT西日本グループは、 ICTなどのこれまで磨き上げてきた技術やノウハウ、様々なアセット、パートナーとの共創を通じ、中核領域である安心・安全なネットワーク、ネットワークと組み合わせて提供価値を最大化する隣接領域、そして新規サービス・事業に挑戦する新領域、三つの領域トータルで地域社会の課題解決を支援し、新たな価値の創出を通じて持続可能な地域社会の実現に貢献している。
そして、ビジョンとして「バリュークリエーションパートナー」を掲げ、ICTを活用した地域社会のデジタル化に取り組むNTT西日本グループには20を超えるグループ会社が属しているが、今回の事業説明会には、ネットワークに付随するAIやデータセンターなどの“隣接領域”と、ロボティクスやドローンなどのサービスを提供する“新領域”に関連する事業が紹介された。
参加したグループ会社は、“隣接領域”におけるAIに関してはNTTフィールドテクノ/NTTマーケティングアクトProCX(プロクス)、マネージドサービスに関してはNTTスマートコネクト、“新領域”におけるロボティクスに関してはテルウェル西日本、ドローンに関してはジャパン・インフラ・ウェイマーク、スポーツ振興に関してはNTTSportict、トータルコーディネートを実施するコンサルとして地域創生Coデザイン研究所の計7社となっている。
ジャパン・インフラ・ウェイマーク
ジャパン・インフラ・ウェイマークは、インフラメンテナンスサービスを手掛ける会社で、NTT西日本以外にも、電力会社やガス会社、JR西日本といった様々なインフラ系企業や、建設コンサルなどが出資しているのが大きな特徴。同社は現在の社会において、「社会資本の老朽化」と「担い手不足、技術不足」の2つを大きな課題として捉え、「支える人を、支えたい。」をミッションとして掲げている。
そして、「新たなインフラ点検手法を創造し、携わるすべての人が使えるようになること」というビジョンの下、“点検サービス”と“支援サービス”の2つを軸にサービスの提供を行っている。
点検サービスとしては、橋梁点検、洗掘調査・溝橋点検、インフラ点検、遠隔巡視点検などを実施。特に橋梁点検においては、米Skydio社と独占的パートナーシップ契約を締結し、日本の橋梁点検に特化したドローンを開発し、AIと組み合わせることで、点検作業を実施している。かつて点検作業は目視で行われていたが、ドローンを使用することで効率性が向上。また、単なるドローンの専門家ではなく、橋梁点検の専門家が自らドローンを操縦し点検作業を行うということで、高い評価を獲得している。
洗掘調査・溝橋点検においては、同社が開発したボート型のドローンを使用。一般的なラジコンボートなどとは異なり、下部にスクリューを備えていないため、水深の浅いところや障害物のある狭い場所なども自由に出入りができる点が大きな特徴となっている。また、下水道点検の場合、管が太い環境では、一般のドローンやボート型ドローンを使用することもできるが、500mm~600mm程度の管での運用はかなり困難となるため、動力のない浮子型ボートの使用を検討。広島県呉市と共同で実証を行い、下水道管路内撮影に成功している。
支援サービスにおいては、ドローンなどの販売や機体開発、ドローンを飛ばすためのパイロット育成などに加えて、デジタル支援やAI解析クラウドサービスを展開している。デジタル支援においては、橋梁点検業務のノウハウを詰め込んだ現場発アプリ「Waymark Note」を2025年5月にリリース。従来の紙の野帳(主に測量向けの小型ノート)による手書き記録や写真整理の煩雑さ、記載ミスなどの課題を解決するために開発されたツールで、点検現場での記録メモがそのまま納品データとなる点が最大の特徴となっている。
そして、AI解析クラウドサービスでは、鉄塔・柱上配電設備・マンホール・道路構造物・路面などのインフラ点検を効率化する、11種類のAI解析機能を備えたクラウドサービス「Waymark Portal」を提供している。専門知識や高性能なパソコンは不要。写真・動画をアップロードするだけでAI解析が行われ、レポート作成/データ管理までを一括で対応している。さらに、ジャパン・インフラ・ウェイマークでは、鉄塔特有の損傷に対応した検出機能を持つ「鉄塔点検支援AI」を開発し、重篤損傷検出率において9割以上の精度を記録。2026年度より、NTT西日本が保有する鉄塔の点検業務において実利用される予定となっている。
NTTフィールドテクノ
NTTフィールドテクノはNTT西日本グループの設備系会社として基幹ネットワークやフィールドエンジニアリングの領域で事業を展開。47都道府県のうち30都道府県でサービスを提供しており、西日本エリアにおいて通信設備の維持安定を担う会社となっている。
NTT西日本グループがインフラ事業者として抱える課題には、「労働人口の減少」と「老朽設備の増加」の2つが挙げられる。人が減り続ける中、仕事量は増加するという状況において、限られたリソースで業務を行うために、NTTフィールドテクノではインフラメンテナンス分野のDXを推進し、それを社会全体にシェアリングすることを目指している。
NTT西日本グループではこれまで、計画構築・点検・保守という業務フローにおいてそれぞれに最適なシステムやツールを導入することで、省力化と拠点集約による効率化を推進してきた。そして、電気通信設備の維持管理業務で培ったノウハウやアセットを他のインフラ設備にも展開できるかどうかの試行錯誤が行われており、そのひとつとして生まれたサービスが「Audin AI(台帳整備・劣化診断サービス)」となっている。
「Audin AI」は、NTTフィールドテクノが故障修理に向かう際の自動車に搭載されたドライブレコーダーを活用。日々の走行で蓄積した画像データをAI解析することで、道路構造物をリスト化したり、地図上にプロットしたりする「設備台帳整備」や路面ひび・塗装剥離、ガードレールの錆などからの「劣化診断」を行い、レポートを作成する。「剥離した白線」「カーブミラー」「交通標識」など、管理が困難な設備の効率的な把握が可能。本技術は国交省の点検技術支援カタログに掲載されており、2023年8月の開始以来、多くの自治体における設備の維持管理に関する課題解決に利用されている。
現在、社会課題の解決にスタートアップ企業は欠かせない存在となっているが、愛知県が開催するスタートアップによるピッチイベント「スタートアップ活用まちづくり支援事業(スタまち)」においてAudin AIが選定されており、マップフォーとタッグを組み、愛知県東浦町における道路維持管理業務の効率化に向けて、実証実験などを展開している。Audin AIで路面の状態などを把握し、マップフォーの空間認識技術と組み合わせることで、点群データを用いてAI路面劣化診断や修繕対象の優先順位付けなどを行う。
さらに、Audin AIは、経済産業省の「令和6年度補正グローバルサウス未来志向型 共創等事業費補助金」にも採択されており、道路点検業務DXの海外展開に向けた挑戦も行われている。現在、インドネシアでの道路維持管理を目指し、DX化に向けた現地ヒアリングを重ねながら、実証事業への取り組みが進められている。
NTTフィールドテクノがAudin AIで目指すのは他のインフラ管理者の課題解決。もちろんAudin AIだけで、インフラ管理者の悩みのすべてが解決できるわけではないが、通信業務で培った維持管理ノウハウ、NTT西日本30支店に在籍するオンサイト技術者、そして自社の業務を効率化・高度化するDXツールの組み合わせによって、インフラ管理者の課題解決を図っていくという。
NTTマーケティングアクトProCX
NTTマーケティングアクトProCX(プロクス)は、NTT西日本グループのコンタクトセンターを運営する中で培ってきたノウハウを活用しながら、多くの企業におけるコンタクトセンター・コールセンター業務のサポートを展開。「安心と信頼を紡ぎ、喜びと感動を生み続ける。」といったキーメッセージをもとに、CX(顧客体験)のプロとして、ヒトとデジタルを融合させたオムニチャネル顧客接点運営を始めとし、経営改善に資するデータ分析・コンサルティングおよび各種テクノロジーを一連で提供している。
企業はその活動の中で、エンドユーザーと様々なタッチポイント、顧客接点を持つことになるが、その中において、価値の創出、売上の向上・新規顧客獲得、利益向上・応対品質の向上・コスト削減、カスタマーエクスペリエンスの最適化など、事業活動において様々な取り組みをしていく必要がある。
そんなコンタクトセンターを取り巻く環境は、大きな激動期に差し掛かっている。NTTマーケティングアクトProCXは、コンタクトセンターを中心としたBPO事業者として、市場環境の変化を「顧客の変化」「技術の変化」「企業の変化」「従業員の変化」と分類。いつでも/どこでも/素早く/簡単に、自分に適した(パーソナライズされた)正しい回答と応対を期待する“CXニーズの高度化”を「顧客の変化」とすると、「技術の変化」として、生成AIによるCXの高度化と業務効率化の飛躍的躍進が可能となっている。
そして、これらを踏まえた「企業の変化」としては、競争優位の源泉が顧客接点にシフトしており、「顧客ロイヤリティ向上の戦略拠点」としてのコンタクトセンターへの進化が期待されるとする。この企業環境を支えていくためには、やはり従業員が重要であり、労働人口が減少する中で「社員から選ばれる職場」になることが重要。NTTマーケティングアクトProCXでは、生成AIをフル活用した次世代型コンタクトセンター運営の必要性を感じ、いち早くその挑戦をはじめている。
そして、そのチャレンジを実現する取り組みの中で、コンタクトセンターにおける生成AI活用について9つのユースケースを想定。顧客接点においては“エージェント化”として、AIボイスチャットによる自動応答を採用することにより自己解決を促す一方で、オペレーターによる問い合わせ対応も継続する。また“人の支援”についても、高度ナレッジ検索やメール文章の自動生成、アフターコールワークにおける応対結果の自動要約などに生成AIがかなり普及しだしている状況にある。その中で、NTTマーケティングアクトProCXはBPOソリューションとして、生成AIなどの導入に向けた「AI・CX コンサルティングソリューション」に加えて、導入後の業務定着や効率化の継続に対する生成AI精度向上ソリューションの取り組みも行われている。
AIボイスチャットの導入に関しては、神戸市税務部問合せ窓口において。定型的な問合せを自動対応し、業務効率化と自己解決率の向上を促進する事例を紹介。定期的な問合せについては65%以上が自動で回答するなど、利用者自身で解決できる環境が整いつつある。それに伴い職員が直接対応する状況は減少し、結果として業務の効率化にも繋がっているという。
なお、NTTマーケティングアクトProCXは、本業務において「VOC分析に基づいたFAQ作成」と「定期的なFAQ追加反応」を実施。とくに、運用期間中に回答状況を定期的に分析し、追加・修正すべきFAQを精査・追加反映する工程を毎月実施したことが、65%以上の回答率に繋がっているという。加えて、このようなコンタクトリーズン分析によるチャネルの最適化を図ることによって、業務効率化、自己解決の向上などが実現されている。
同社は、USEN NETWORKSとの「次世代型コンタクトセンター」プロジェクトも展開している。同社が抱える課題は、顧客契約数増に伴うコンタクトセンターへの入電数増加であり、チャットボットの改善・導線の見直しを実施することでチャネル全体の最適化を図るなど、生成AIと人の共存によって、コンタクトセンターの業務効率とさらなるEX・CXの向上を目指している。
NTTSportict
NTTSportictは、2020年に、NTT西日本と朝日放送グループホールディングスによって設立された、スポーツDXで地域スポーツを応援する会社。AIカメラ「STADIUM TUBE」の開発・販売、映像配信プラットフォームの提供、スポーツDXを活用した地域活性化ソリューション「マチスポ」の展開などが主な事業内容となっている。
現在、地域スポーツは非常に多くの課題を抱えている。代表的なものとしては、少子化や多様な余暇活動によるスポーツへの「参画人口の減少」、ボランティアベースの指導体制限界と専門指導者不足といった「指導者不足」、地域スポーツの試合が映像化・情報発信される機会が乏しいことによる「発進機会の不足」などが挙げられるが、こういった課題に対してNTTSportictが提供するソリューションが「マチスポ」だ。
「あなたの頑張る姿を、あなたの誰かに届ける」「『100万人が見る試合を1試合』ではなく、『100人が見る試合を1万試合』届ける」。こういったコンセプトのもと、スポーツDXを活用した地域活性化モデルとなる「マチスポ」では、スポーツAIカメラ「STADIUM TUBE」と自治体の専用ポータルサイトを導入することで、地域スポーツを誰でも簡単に映像化~配信できる環境を実現。地域内外の人の動きを創出し、スポーツを起点としたまちづくりに貢献することができる。
「マチスポ」で使用されるAIカメラは、AIが人の動き、ボールの動きなどから判断して、自動的に試合映像を作り出すことが可能。画面の切り替えなどもAIがすべて自動で行うため、人手を掛けることなく、地域スポーツの映像化・配信を行えるのが大きな特徴となっており、2023年11月に構想発表が行われて以降、2024年度から全国の自治体で実証実験を開始。沖縄県石垣市・大分県別府市・三重県志摩市などの自治体では本格導入を開始しており、これに追随する形で、さまざまな自治体においてさらなる実証がスタートしている。
石垣市では、2024年に実証実験が開始されてから、1年間で500件を超えるアマチュアスポーツの試合や練習風景を撮影・配信。石垣市で開催された沖縄県高等学校の新人バレーボール大会では、地元メディアである「FMいしがき」と連携して実況も行われ、視聴者数は21,500人、応援メッセージ数も35万件を突破するなど、大きな盛り上がりを見せた。
アマチュアの試合の場合、カメラが入ることでプライバシーが問題になりがちだが、実際のところは、カメラで映されることによってモチベーションが向上し、別府市では93%以上が「満足」と回答するなど、市民からも非常に高い評価を獲得している。
また、スポーツを通じた多様な連携も進んでおり、元日本代表で海外でも活躍するプロ選手が、東京・海外から石垣市の中学生にオンライン指導を実施する「遠隔コーチング」が行われたほか、埼玉県熊谷市では、自治体・大学・クラブチームによる産学官連携、さらに、国際交流の場や大阪・関西万博でも「マチスポ」に関する発信が行われている。
現在はスポーツDXに特化している「マチスポ」だが、文化イベントや防災・減災といった他分野への応用などの横展開を行うことで、「地域DX基盤」の一部として持続可能なまちづくりにも貢献可能。NTTSportictは「マチスポ」を通じて、スポーツDXによる持続可能なまちづくりを推進するとしている。
地域創生Coデザイン研究所
地域創生Coデザイン研究所は、2021年に設立されたNTT西日本の100%子会社で、NTT西日本グループにおける地域創生領域を担う。地域通信事業で培ってきた繋がりや地域密着の強みを活かし、様々なパートナーと共に地域課題の解決に取り組んでいる。
NTT西日本グループにおける地域創生活動は、2019年のNTT西日本各支店での取り組みから始まっており、そこで生まれた知見やノウハウを蓄積・集約して、専門会社として設立したのが地域創生Coデザイン研究所。設立以降、地域密着の探求と事業の拡張を加速させている。一般的な法人営業であるBtoBモデルに対して、センターBである自治体や企業と協働して地域の課題解決に取り組んでいるが、課題の探索から社会の実装までを一気通貫で伴走できるところが同研究所の大きな強みとなっている。
地域創生Coデザイン研究所の注力分野のひとつが医療ヘルスケア分野。病院業界は現在、病院経営の持続性と公平な医療アクセスの確保という2つの課題に直面しており、DXによる効率化や通信の活用を通じて、医療従事者が患者と向き合える環境づくりが求められている。特に、7割の病院が赤字と言われる中で医療を提供する病院の経営を改善する必要性があり、さらに日本の大半を占める中山間地域における医療従事者の高齢化も進んでいる。こういった医療を提供する側の課題を、医療を受ける側の課題と同時並行で解決する必要がある。
そして、持続的な病院経営のために対応が求められる課題として、物価高となる中で医療福祉分野は最も価格転嫁が進んでいない業界であり、それが経営を圧迫しているという点がある。また、法・制度の要請により、全業務の20%以上を記録に割かねばならないなど、人手不足も相まって患者と向き合う時間が限られる状況となっている。
そういった流れの中で病院のDXを推進するためには、病院の現状を把握した上で課題を特定し、最適なICTを選定しなければならない。導入後は効果測定を行い、改善を行いながら定着を目指すことになるが、単なるICT導入に留まらず、それをいかに定着させるかを重視している点が地域創生Coデザイン研究所の大きな特徴となっている。
病院のDX推進・業務の改善にあたり、まず重要となるのが「業務可視化」。業務量を可視化し定点観測することで、働き方改革や看護師の育成教育に繋げていく。また、急性期病棟の看護師にスマートフォンを配布し、ビジネスチャットを活用する実証取組を実施したところ、1日あたりの電話回数/時間は半減。また、終礼を廃止することで、1日あたりでのべ100~150分(10~15分×10名)の削減も確認されたという。
現在、2040年までに地域の医師数が現状の半数以下になるというレポートが出されている一方で、在宅医療に対する需要は今後伸びていくと考えられている。それに伴い医師の負担増が予測されるため、新しい仕組みとテクノロジーの活用は必須だ。D to Pの遠隔診療(医師と患者をつなぐ遠隔治療)では、耳が遠い・ICTに不慣れなどの理由で高齢患者対応に限界があることから、対応策として准看護師などを配置することでオンライン診療を行うための医療Maasが必要となってくる。
中山間地域の課題、特に医療アクセス課題は、個々では持続可能なモデルの構築が難しい。国(政府)はなかなか現場の実情が把握しづらいため、地域のプレイヤーと共に取り組むことで見えた課題は、解像度が高い状態で国へ共有することになる。ただしこのとき、補助金などに頼るモデルではなく、持続的な課題対応のための政策となるよう提言することが重要になるという。
テルウェル西日本
テルウェル西日本は、NTT西日本グループの一員として西日本エリアを中心に拠点を構え、清掃事業を中核に建物運営を支える様々なサービスを展開している。清掃事業に留まらず、介護分野やオフィス関連商材など幅広い事業に取り組んでいるが、その中でも特にコア事業として位置づけられ重点的に強化されているのが「清掃サービス」「清掃コンサルティング」「ロボティクス事業」となっている。
清掃業界における課題を、「社会課題」「お客様課題」「ビルメンテナンス会社課題」といった3つの観点から見ると、「社会課題」については、日本においてほぼすべての業界で深刻化している「労働力不足」が大きな課題となっており、もちろんビルメンテナンス業界でも例外ではない。この傾向は今後さらに加速し、2030年には国内で約600万人以上の人材が不足すると予想。人手不足は人件費の上昇という形でも影響してくるため、人が足りていないだけでなく、人を雇うコストも上がっていく環境の中で、いかに安定してサービスを提供していくかが課題となっていく。
そういった課題に対して、労働力を補い、支える手段としてロボットの導入が加速している。業務用ロボットや配膳ロボットなどのサービスロボットは今後も右肩上がりで伸びていく見通しであり、特に業務用ロボットは2030年には約5万台規模まで普及すると予測されている。つまり、労働力不足と人件費上昇という環境においては、ロボットは清掃サービスに欠かせない存在。その一方で、ロボットの導入が進むことで、本当に現場で十分にそのロボットが活用され、期待した効果が発揮されているのかという新たな課題も顕在化してきている。
清掃における「お客様課題」についてみると、多くの顧客が現在の清掃品質について何らかの不満を抱えているが、今行われている清掃の内容やコスト感については客観的に判断する材料がないため、何をどう改善するのが良いのかわからないという状態にある。その結果として、具体的な改善に踏み出せず、不満があっても現状のままの清掃が続いてしまうことになる。また「ビルメンテナンス会社」においては、人材不足や高齢化によってこれまで現場で培われてきたノウハウやスキルが継承されず、清掃品質を安定して提供・維持するのが難しくなってきたことが課題となっている。
顧客からの不満や課題の背景には、清掃品質の評価が今なお人の感覚に頼っていることがある。見た目がキレイかどうかだけで判断され、どれだけ汚れが残っているか、どの作業が足りないかなどが数値や基準で見える化されていないのが現状ということだ。その結果、清掃品質の良し悪しがわからないという状態が、顧客側にもビルメンテナンス会社側にも共通して起こっている。この“見えないままで運営している”構造が、清掃業界の課題となっており、これらの課題に対してテルウェル西日本は同社の強みである清掃事業をさらに発展させた清掃DXサービスでの解決を目指している。
テルウェル西日本では、清掃×データサイエンスを通じた独自の清掃コンサルティングサービスとして、建物の汚れ度合いを示す様々な環境データ、自社検証によるロボット性能、最新の清掃機材など清掃技術に関するデータ、この3つをすべてデータベースにまとめ、建物ごとに最適な清掃のやり方を設計する。経験と勘に頼らずにデータと技術で最適な清掃を作り上げるのが、テルウェル西日本の清掃DXサービスとなっている。
また、テルウェル西日本が提供しているもうひとつの大きな価値がロボットの最適な選定。清掃ロボットはかなり普及しているが、値段だけで選ぶと失敗することが少なくない。ロボットによって得意な床材や清掃方式/走行距離/稼働条件などはまったく異なる。テルウェル西日本は製造会社の目で、各メーカーのロボットを実際に使いながら、独自に社内で検証を実施しており、集塵洗浄力/安全性/ユーザビリティ/拡張性など独自の観点でデータ化を行っている。まさにマルチベンダーだからできる環境や運用にあった最適なロボット選定となっている。
NTTスマートコネクト
NTTスマートコネクトは、NTT西日本の100%子会社で、データセンターを核としたハウジング事業、クラウドのサービス提供などを行うクラウド事業、動画のストリーミングなどを扱うストリーミング事業、そしてデータ分析・活用サービスの提供といった大きく4つの事業を展開している。
企業を取り巻く環境変化として昨今大きな問題となっている、情報漏洩・セキュリティインシデント。このインシデントの代表的なものとして、「社員が故意に情報漏洩」「退職者の情報持ち出し」「ハッカーからの攻撃」といったパターンが挙げられるが、情報漏洩や情報持ち出し、脆弱性を突いた外部攻撃などによるセキュリティインシデントは、企業の社会的信用を失って莫大な損害を被ることとなり、事業継続が困難な状態に陥ることもあるため、社会的な要請として「内部脅威対策の強化」が求められている。
内部脅威とは、従業員や契約社員などの関係者による、意図的に、または過失により引き起こされるセキュリティリスク。内部脅威は兆候が見えづらく、信頼関係がベースにあるため対策に抵抗感を持つ企業も多いが、企業と従業員を守るためには対策が不可欠である。そして、内部に脅威がある状態ということをしっかりと認識し、かつそれに対してタイムリーに対処していくことが、インシデントを回避するためには非常に有効となってくる。同時に内部統制の強化は“企業を守る最後の砦”として、今すぐ取り組むべき最重要課題となっている。
内部脅威対策には様々な方法があるが、内部の不正にフィーチャーした場合、内部不正が起きる3要素として「機会」「動機」「正当化」があり、その対策としては「技術的対策」「組織的対策」「心理的対策」といった手法がとられる。この3つをケアするサービスとしてNTTスマートコネクトが展開するのが、「wakucone plus」。2025年11月5日よりサービス提供が開始となった、IT資産情報・リスク管理・リスク対処と業務実態の可視化がワンストップでできるSaaSサービスだ。
内部統制強化、すなわちセキュリティ対策においては、エムオーテックス社のIT資産管理ツール「LANSCOPE Endpoint Manager Cloud」のライセンスを標準でバンドル。リスク検知はもちろん、遠隔での対処が可能となっており、IT資産情報の棚卸に対応する。一方、生産性向上に繋がる業務実態の可視化においては、取得したPC操作ログから独自AIが分析して繰り返し作業されているパターンを抽出することにより、業務の課題を発見できる。機能面では、システム利用状況の可視化および業務時間の可視化もサポートしている。
「wakucone plus」は、視認性の高いダッシュボードを採用することで、セキュリティリスクが一目でわかるのが特徴。「LANSCOPE」のライセンスが標準でバンドルされており、リスクの対処が即座に可能となっているほか、効率化が可能な業務をAIが発見してくれることから、DX推進にも役立つサービスとなっている。また、今後のアップデートによって、月次での働き方や作業傾向の変化をAIが知らせる機能も追加予定。個人の操作ログ上の傾向値を分析し、変化があったポイントをAIがテキストで知らせてくれる。そのほか、勤務の状態確認により、社員のケアや内部不正の防止にも役立つとのことだった。









