三井住友カードとマイナウォレットは1月16日、マイナンバーカードを活用したステーブルコイン決済の社会実装に向け、連続的な実証実験プログラムを共同で開始すると発表した。

マイナカードを用いた次世代の決済体験へ

日本では、改正資金決済法等の制度整備を背景に、法定通貨と連動したステーブルコインやブロックチェーン技術を活用した新たな決済手段への期待が高まっている。一方で、高齢者や子どもを含む幅広い層が、専用アプリやウォレットのインストールや操作に不安を感じるケースも多く、「誰でも簡単に使える」ユーザー体験の設計が課題となっている。

マイナウォレットは、マイナンバーカードをそのまま「ウォレット」として活用し、ステーブルコイン等のデジタル資産を扱うことができるサービス「マイナウォレット」「マイナペイ」を開発してきた。本人確認については、公的個人認証(JPKI)を組み込むことで、高い安全性と利便性の両立を目指している。

三井住友カードは、次世代決済プラットフォーム「stera」を通じ、全国の中小店舗を含む多様な加盟店にキャッシュレス決済インフラを展開している。1台の端末でクレジットカード、電子マネー、QRコード等、さまざまな決済手段に対応可能なstera端末は、新たな決済サービスを迅速に社会へ届けるためのオープンプラットフォームとして機能している。

両社は、マイナンバーカードを活用した公的個人認証(JPKI)による認証強度の高い本人確認と、stera端末を中核とした実店舗決済基盤を組み合わせることで、「公的ID×ステーブルコイン決済」という独自領域において、誰一人取り残さない次世代の決済体験の実現を目指す。

連続的な実証実験プログラム

両社は、単発の実証実験にとどまらず、複数地域・複数ユースケースでの連続的な実証実験プログラムとして本プログラムを設計している。

今後は、スポーツやエンタメ領域のイベント(スタジアム、アリーナ等)での利用、商業施設や観光施設、公共施設など多様な実店舗での利用、自治体と連携したデジタル地域通貨や給付金等のステーブルコインによる配布、行政手続きや公共料金支払いでの活用といったテーマで、順次実証実験フィールドの拡大を検討していく。

ライジングゼファーフクオカ ホームゲームでの実証実験

第1弾として、福岡市およびライジングゼファーフクオカの協力のもと、1月23日および24日に開催されるライジングゼファーフクオカのホームゲームの会場、照葉積水ハウスアリーナ(福岡市東区)にて、マイナンバーカード×ステーブルコイン決済の実証実験を実施する。

利用イメージとしては、マイナンバーカードを用いてユーザー登録を行った来場者にJPYCを付与し、来場者が会場内の売店等でstera端末画面上に表示される金額を確認したうえで、マイナンバーカードをかざして決済を実行する。裏側では、ブロックチェーン上でステーブルコイン残高の移転を実行する。

  • 実証実験における決済フロー

    実証実験における決済フロー

福岡市での実証実験を皮切りに、同様のスキームを他地域および他ユースケースへ展開していくことを視野に入れている。

将来的なインバウンド対応等への展望

本プログラムはまず、マイナンバーカードを利用する国内居住者向けのステーブルコイン決済の実証実験からスタートするが、将来的には、海外利用者が保有するステーブルコイン(例:USDC 等)をstera端末経由で日本国内の実店舗決済に利用可能とする、訪日外国人旅行客向けの決済スキームの検討も進めていく。

これにより中長期的には、マイナンバーカードを用いた国内居住者向け決済と、暗号資産やステーブルコインを活用したインバウンド決済の両輪で、steraプラットフォーム上に次世代のデジタル決済インフラを構築していくことを模索する。