埼玉西武ライオンズの川愛也(写真:産経新聞社)

 今季はリーグ5位に沈んだ埼玉西武ライオンズだが、若獅子が台頭し、名門復活へ一歩踏み出したシーズンと言える。その象徴的存在として、今季の西武を語るうえで欠かせないのが西川愛也だ。本稿では、チームの「顔」として存在感を放った西川に迫る。(文・羽中田)

 

世代交代が進んだ2025年シーズン

 

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 「1回の裏、埼玉西武ライオンズの攻撃は1番・センター・西川愛也・背番号51」────スタジアムDJ RISUKEの力強い声が恋しいオフシーズンだ。今季、このアナウンスは幾度となく、ベルーナドームに響き渡った。

 

 DJの雄々しい声に乗せられて、レフトスタンドを陣取るライオンズファンが、応援団の先導に続き、声を張り上げる。

 

「突撃!突撃!愛也!」

 

 選手たち同様にファン一人ひとりが、来年3月の開幕を待ち侘びているだろう。

 

 今季の西武は、パ・リーグ5位(63勝77敗3分)の成績となり、3年連続Bクラスに沈んだ。それでも、昨季の年間91敗という厳しい現実を思えば、今季は世代交代が進み、若い力が確かな芽を出した1年だったとも言える。

 

 特に大きな飛躍を遂げたのが、外野手の西川だ。彼の活躍ぶりは、目を見張るものがあった。

 

かつては62打席連続無安打も...面影を感じさせない成長

 

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 まずは攻撃面。すべてにおいて、キャリアハイの数字を残したことが挙げられる。

 

 昨季は104試合に出場し、打率.227、6本塁打、31打点、8盗塁。今季はさらに成績を伸ばし、124試合の出場で打率.264、10本塁打、38打点、25盗塁の成績を残した。

 

 かつて、NPB野手ワーストの62打席連続無安打を記録した西川だが、その不名誉記録を感じさせない成長を遂げている。

 

 続いて守備面。俊足を生かした外野守備は、今まで以上に欠かせないものとなった。

 

 打球に対して迷いなく攻め込む守備は、ファンの心を魅了した。今季はパ・リーグ外野手部門でゴールデングラブ賞に輝き、球団では2019年の秋山翔吾(現・広島東洋カープ)以来、6年ぶりの受賞となった。

 

 数々の好プレーを生み出した西川だが、特筆すべきは、外野フライの落下位置までの早さと正確さだ。ぜひ現地で観戦した際には、注目してほしい。

「愛也」がいないレオ軍団は考えられない

 

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 攻守すべてにおいて、「愛也」がいないレオ軍団は考えられない。努力を重ね、入団時よりも数倍大きくなった体が、充実感を物語っている。

 

 来季、西川はプロ9年目を迎える。さらに、選手会副会長という新たな立場を担うことになり、グラウンド内外で求められる役割は一層大きくなるだろう。

 

 年が明ければ、あっという間に球春が来る。ベルーナドームに、あのコールが響く日が戻ってくる。

 

 「1番・センター・西川愛也」

 

 その名前が告げられた瞬間、スタンドが抱くのは、期待以上の感情だ。来季もライオンズファンは、その大きな背中に希望を託す。

 

 低迷を振り抜いたその先にある、勝利のアーチを期待して。

 

【著者プロフィール】

羽中田 (hanakata)

ライター。2001年東京都生まれ。幼少期から埼玉西武ライオンズにまっしぐら。2025年5月より埼玉西武ライオンズの、イベント、試合、選手のインタビューを中心にコラムを寄稿。現在、カフェ店員をしながら執筆活動に励み、年間60試合以上を現地へ足を運ぶ。趣味は、炭坑節を聴きながらカフェモカを飲むこと。

 

 

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【了】