北海道電力と北海道電力ネットワークは、12月10日・11日の2日間にわたり、就職活動中の学生を対象としたイベント「ほくでんEXPO2025」を札幌市内で開催した。本記事では、イベント初日に実施されたプログラムの様子を紹介する。
本イベントは、文系・理系を問わず参加できる構成となっており、日ごとに異なる部門の社員が登壇。初日は、発電、建築、営業、マーケティングなど、事務系・技術系の複数部門から社員5名が参加し、パネルディスカッションと座談会を通じて、仕事内容や働き方、仕事のやりがい、キャリアの考え方などについて語られた。
社員が語る、仕事のやりがいと入社の決め手
最初に行われたパネルディスカッションでは、入社の決め手や現在の仕事、所属部門のやりがいや魅力など、就職活動中の学生が特に関心を寄せるテーマについて意見が交わされた。全体を通して柔らかい雰囲気で進み、各社員が自身の経験を交えながら率直に語る場となった。学生たちはメモを取りながら耳を傾け、実際の仕事内容やキャリアへの理解を深めていた。
次世代エネルギー部 火力発電環境Gの喜多見氏は、「多くの人の生活を支える仕事に関わりたい」という思いを就職活動の軸に、北海道電力グループを志望したという。現在は既設火力発電所の運用管理を担当する一方、新たな発電所の建設に関連した業務にも携わっている。「自分たちの仕事でつくった電気を、生活の中で実感できることがやりがいにつながっている」と語った。
水力部 発電Gの松吉氏は、北海道で働くことを前提に就職活動を進め、会社の規模や安定性に加え、変化する電力業界の中で挑戦できる点を入社の決め手として挙げた。現在は、全道50カ所の水力発電所を対象に、設備更新や運用計画を取りまとめる業務を担当している。水力発電所は立地や水量、設備構成がそれぞれ異なり、発電所ごとに試行錯誤しながら運用を考えていく点に、仕事の面白さを感じていると話した。
土木部 建築センターの吉住氏は、電力会社にも建築分野があることを知り、幅広い建築分野の業務に携われる点に惹かれて入社したという。現在は発電所・変電所などの建設設備を対象に、保守・点検、修繕・改修工事の業務を担当。業務ではドローンやAIといった新技術の活用も進んでおり、業務の効率化や工事の安全性向上につながっていると紹介した。技術の進化に伴って建築分野の業務内容や関わり方が変わっていく可能性にも触れ、将来的な仕事の広がりを見据えている様子がうかがえた。
業務部 地域共創電化推進Gの山城氏は、「北海道経済への影響力」に魅力を感じて入社を決意。電力供給にとどまらず、企業誘致といった需要創成を通じて地域経済全体に関われる点を仕事の面白さとして挙げ、「この会社で北海道の経済規模を2倍にしたい」と語った。行政や企業など多様な関係者と関わりながら、送配電会社ならではの立場で地域づくりに関われる点も、この仕事の特徴だという。
バリューマーケティング部 カスタマーソリューションGの兼平氏は、北海道での暮らしを続けたいという思いから入社を決めた。入社してからは現場で電気契約の営業を行い、現在は生活関連サービスの企画・提案にも携わり、「お客さま対応の最前線であり、直接感謝の言葉をもらえるなどやりがいを感じやすい」と話した。最近では、電気に限らない暮らしを支えるサービスを展開するなど、多様な業務に携わることができる点に面白さがあると説明した。
入社の背景や業務内容はそれぞれ異なるものの、登壇者全員に共通していたのは、「北海道で働き、地域と関わる仕事がしたい」という思いだ。部門を越えた話から、北海道電力グループの仕事の幅広さと、各部門が担う役割が伝わるパネルディスカッションとなった。
入社後の働き方や疑問に向き合う座談会
後半の座談会では、学生からの質問を中心に、より具体的な意見交換が行われた。社員と近い距離で話せる場となり、学生たちは真剣な表情で聞き入っていた。
具体的な仕事内容についての質問が寄せられるなかで、特に多く聞かれたのは、「入社後、仕事はどのように覚えていくのか」「最初の1年目はどんな点が大変だったか」といった、入社直後の不安に関する質問だ。社員からは、「入社時点での専門知識よりも、入社後に学ぼうとする姿勢が大切」「配属後は研修やOJTを通じて、段階的に業務を覚えていくケースが多い」といった説明があり、入社後の流れが具体的に語られた。
また、「就職活動の際に何を軸に考えていたか」「面接ではどんなことを話していたか」といった、身近な先輩としての経験を尋ねる質問も目立った。登壇者はそれぞれ、自身の就職活動を振り返りながら、重視していたポイントや当時の考え方を率直に語り、学生にとっては就職活動の考え方を整理するヒントとなっていた。
仕事内容だけでなく、一年目の働き方や就職活動の悩みについても直接聞ける場となり、学生が自分自身の進路をより深く考えるきっかけとなっていた。
就活生インタビュー「部門を越えた対談で企業理解が深まった」
座談会後、イベントに参加した就活生の一人に話を聞いた。文系学生として参加したこの学生は、理系社員と直接話せる点に魅力を感じ、今回のイベントに参加したそうだ。
普段の説明会では文系・理系で分かれて話を聞くことが多く、技術系社員と話す機会はあまりなかったという。その点について、「今回は火力や水力といった技術分野の方と直接話ができ、仕事内容を具体的に知ることができました」と語った。
特に印象に残ったのは、専門知識の有無にかかわらず、丁寧に説明してもらえた点だという。文系学生という立場から、技術的な質問はどうしても抽象的になってしまうが、前提からかみ砕いて説明してもらえたことで、企業サイトやパンフレットだけでは分からない、実際の業務の考え方や職場の雰囲気を知ることができたと話してくれた。
また、イベントに向けて事前に質問を準備して臨んだといい、再生可能エネルギーやカーボンニュートラルに対する会社の考え方を直接聞けたことも、企業理解につながったと振り返った。
採用担当者に聞いた、会社の“全体像”を伝えるための新たな試み
今回の「ほくでんEXPO2025」を企画した人事労務部 採用グループの濱口氏は、本イベントについて「これまでにない形式だった」と振り返る。今年が初開催となった本イベントは、これまで実施してきた模擬面接や社員座談会とは異なり、より会社全体を知ってもらうことを意識して企画されたという。
最大の特徴は、文系・理系、事務系・技術系を分けずに実施した点だ。通常の採用イベントでは系統別に分かれることが多いが、今回はあえてその枠を設けず、さまざまな部門の社員が一堂に会する形を取った。濱口氏は、「北海道電力グループにはどのような仕事があり、どのような人が働いているのか。その全体像を掴んでもらいたかった」と話す。
登壇者の選定にも工夫を凝らした。入社5年目前後の社員を中心に据えたのは、学生が数年後の自分を具体的にイメージしやすい世代だと考えたためだという。若すぎず、かつ距離の近い存在として、仕事内容やキャリアを現実的に伝えられる点を重視した。
実際の手応えについては、「文系・理系それぞれの学生が、事務・技術の職種を問わず、さまざまな社員の話に耳を傾けてくれました。座談会も短い時間で複数回に分けて実施しましたが、学生が幅広く話を聞ける形になったと感じています」と振り返った。
今後は、開催地域や時期の拡大も検討している。札幌に限らず、道外や道内の別地域での実施、さらには開催時期の前倒しや、年に複数回の開催も視野に入れているようだ。
最後に濱口氏は、就職活動中の学生に向けて「就職活動は人生の中でも大きな選択の一つになると思っています。さまざまな業界や会社を見て、自分に合う場所を見つけてほしい。このイベントが、そのきっかけになれば嬉しいです」と語った。
「ほくでんEXPO2025」では、仕事内容や働く人のリアルな声が、部門を越えて紹介された。学生にとっては、社員と近い距離で対話しながら、企業全体の理解を深める機会となっていた。








