会議中や運転中、勉強に集中したいときに限って襲ってくる強烈な眠気。「今すぐこの眠気をどうにかしたい!」と思った経験がある人も多いのではないでしょうか。
本記事では、そんな時にすぐに試せる眠気を吹き飛ばす方法を紹介します。さらに、そもそもなぜ眠くなるのかという原因や、眠気を防ぐ生活習慣など根本的な改善策についても解説します。
眠気の原因
眠気が突然やってくる理由としては、いくつかの要因が考えられます。まず、眠気が襲ってくる代表的な要因を紹介します。
睡眠不足
まず考えられるのは、睡眠不足。睡眠は心身の疲労回復や自律神経を整えるのに重要な役割を果たしています。睡眠不足が続くと回復が追いつかず、集中力や判断力が低下し、日中に強い眠気に襲われることがあります。
体内時計の仕組み
人の体には、約24時間周期の体内時計が備わっており、体の仕組みとして、人には“昼下がりの自然な眠気(Post-lunch dip)”があり、起床時間に関わらず14~17時頃に眠気が出やすくなります。15時頃に眠くなるのは、自然なリズムだということを押さえておきましょう。
食後の血糖値の変動
昼食後に眠くなるのはよくあることですが、その背景には血糖値の急な変動が関係しています。特に、うどんやパスタなど糖質を多く含む食事をとると血糖値が一気に上がるため、その後血糖値が急上昇した後に相対的に下降すると、眠気が出やすくなります(実際に低血糖を起こすわけではありません)。
環境要因
眠気は周囲の環境にも左右されます。暖かい室内では血管が拡張して熱が放散され、深部体温がゆるやかに低下することで眠気が出やすくなります。
ホルモンバランス
春先は日照時間の変化に体が適応する過程で体内リズムが乱れやすく、眠気を感じやすくなることがあり、“春ホルモン”と呼ばれることもあります。また、女性の場合は、PMS(月経前症候群)の時期にホルモンの影響を受け、眠気が強くなることがあります。
眠気を吹き飛ばすおすすめの方法
強い眠気を感じたときに「今すぐどうにかしたい」と思う人は多いでしょう。そんなときにぜひ試して欲しい眠気対策を紹介します。
ストレッチをする
軽いストレッチで筋肉を動かすと、血流がよくなり眠気を覚ますことができます。背伸びをする、もも裏を伸ばす、首を伸ばすといった手軽な動きでも効果が期待できます。
身体を冷やす
眠気を感じたら冷水で顔を洗ったり、冷たい飲み物を口にしたりするのも有効です。体温を下げると交感神経が刺激され体が活動的になります。エアコンで室温を適度に冷やす、窓を開けて外気を取り入れる、上着を脱ぐといった方法も簡単に実行できます。
ツボを押す
ツボ押しはリフレッシュ効果が期待でき、気分転換として役立つことがあります。親指と人差し指の付け根部分にある「合谷」、手のひらの真ん中にある「労宮」、左右の目頭の上にあるくぼみの「清明」などを押すのがおすすめです。
軽い運動をする
立ち上がったり、部屋の中を歩き回ったりして筋肉を動かすことでも交感神経が刺激され、眠気覚ましに役立ちます。会議中や授業中で目立つ動きができないときは、足首を回す、手をグーパーするといった軽い動きで体に刺激を与えましょう。
カフェインを摂る
コーヒーや緑茶に含まれるカフェインは、眠気を誘う物質であるアデノシンを抑制する働きがあります。効果が出てくるまでに15~30分かかるため、眠気が来そうな時間を見越して摂るのがコツです。不眠や胃の不調につながるため、過剰摂取には注意が必要です。
日光を浴びる
電気をつけたままでは眠れないという人は多いですが、これは光の刺激を受けることで覚醒を促すセロトニンが分泌されるためです。照明を明るくするだけでも効果はありますが、より高い照度をもつ日光を浴びるほうがさらに有効です。
音楽を聴く・ラジオや動画をBGMにする
耳からの刺激は脳の活動を活性化させます。リズム感のある音楽は単調な状況を打破し、集中力を取り戻すきっかけになります。ラジオや動画から流れる適度なノイズも集中力を高めることができます。ボリュームやチャンネルは、シーンに合わせて選びましょう。
ビタミンB群やクエン酸を摂取する
日中に眠気を感じやすいときは、疲れなどが一因となっていることがあります。ビタミンB群やクエン酸はエネルギー代謝を助け、リフレッシュ感につながる場合があります。
眠気防止剤を服用する
市販の眠気防止薬はカフェインが配合され、短時間で眠気を抑える効果があります。製品により1回の服用量に含まれるカフェインの量や服用回数などが異なるため、用法用量や副作用などをしっかり確認して服用しましょう。
眠くならないための方法は?
眠気対策は一時的な工夫だけでなく、日常生活そのものを見直すことも重要です。ここではそもそも眠くなりにくい状態をつくる根本的な改善策を紹介します。
睡眠環境の改善
睡眠の質は寝室の環境で大きく変わります。快適な寝具、静かで暗い部屋、適度な室温が深い眠りを支えます。寝室をリラックスできる空間に整え、就寝前には強い光を避けることも効果的です。質の高い睡眠を確保することで、日中の眠気を根本から減らすことができます。
適度な運動とバランスのよい食事
適度な運動をすると寝付きがよくなり、深い睡眠を促します。ウォーキングやストレッチなど軽い運動でも効果があり、継続することが大切です。また、主食・主菜・副菜をそろえたバランスのとれた食事は血糖値の上昇を抑え、食後の眠気を防ぎます。特に、野菜類や豆類、全粒穀物など食物繊維が豊富な食材は、血糖値の急上昇を防ぎます。
就寝前の習慣
スマートフォンやPCのブルーライトは、睡眠ホルモンの一種であるメラトニンが抑制される可能性があるため、入眠を妨げます。代わりに読書や軽いストレッチ、アロマなどリラックスできる習慣を取り入れるとよいでしょう。就寝前のルーティンを整えることで心身が眠りに入りやすくなり、翌日の眠気も軽減されます。
朝、日光を浴びる
起床後に太陽の光を浴びると、眠気を誘発するメラトニンの分泌が止まることがわかっています。また、体内時計をリセットする最もシンプルで効果的な方法です。毎朝同じ時間に光を取り入れることで覚醒リズムが安定し、日中のパフォーマンスが向上します。夜も自然に眠気が訪れやすくなるため、規則正しい生活の基盤となります。
眠気対策を試しつつ、生活環境の改善も心がけよう
強い眠気を感じた時の対処法を紹介しました。ストレッチや冷却など即効性のある方法を試しつつ、根本的な改善策も取り入れて、健やかで快適な毎日を送りましょう。
五藤良将先生より
眠気は単なる「甘え」や「気合いの問題」ではなく、体内時計や血糖値、睡眠の質など多くの生理的要因が関係しています。強い眠気を感じたときは、まず自分の体が発しているサインに気づき、今回紹介した対処法を取り入れてみてください。また、一時的な工夫だけでなく、睡眠習慣や生活リズムを整えることが、日中のパフォーマンス向上につながります。毎日をより快適に過ごすためのヒントとして、本記事が皆さまのお役に立てば幸いです。
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