Visaは11月12日、企業やプラットフォーマーが受取人のステーブルコインウォレットに直接送金できるパイロットプログラムを発表した。
ステーブルコインを活用した新たなパイロットプログラム
Visa Directの導入企業は法定通貨で送金を行い、受取人は資金をUSDCなどの米ドル連動型のステーブルコインで受け取ることを選択できることで、国際送金のスピードとアクセスが大きく向上する。これにより、Visa Directの対象範囲が拡大し、クリエイター、フリーランス、マーケットプレイスの事業者は、資産の価値を安定的に維持し、より速やかに資金にアクセスできるようになる。また、通貨の変動が高い市場や、銀行インフラが限られた市場においても、安心して利用できる環境が整う。
同社のコマーシャル&マネームーブメントソリューションズのプレジデントであるChris Newkirk氏は、次のように述べている。「ステーブルコインによる送金の導入は、世界中の誰もが着金まで何日も待つことなく、わずか数分で資金にアクセスできる、真のユニバーサルアクセスを実現します。デジタルブランドを構築するクリエイター、新たなグローバル市場に参入する企業、国境をまたいで活動するフリーランスなど、誰もがより迅速で柔軟な資金移動の恩恵を受けることができます。」
最新の調査「Monetized: Visa 2025 Creator Report」によると、デジタルコンテンツのクリエイターが電子決済を好む最大の理由は、「資金により速やかにアクセスできること」となっている。回答者の57%が、コンテンツ作成に関わる対価の受け取り手段として電子決済を選択する主な理由に「即時アクセス」を挙げている。
同社は9月のSIBOSにおいて、企業がステーブルコインにより精算資金を準備しておけるパイロットプログラムを発表した。この2つのパイロットプログラムにより、世界中の消費者により高いアクセス性と柔軟性を提供するとしている。
Visa Directステーブルコイン送金の主な特徴
消費者やクリエイター、フリーランスは、ほぼ一瞬でステーブルコインによる送金を受け取ることが可能となる。また、ステーブルコインは銀行サービスの行き届いていない地域や、米ドル銀行口座が開設できない場所でもアクセス可能となる。各取引はブロックチェーンに永久に記録され、監査やコンプライアンス対応、受取確認が可能。
一部のパートナーによる試験導入の後、2026年後半には、需要の拡大や規制の枠組みに応じて、より広く展開していく計画となっている。
Q: Visa Directステーブルコイン送金のパイロットプログラムとは?
-- Visa Directの新たなパイロットプログラムにより、米国のプラットフォーマーや企業は、カードや銀行口座を介することなく、ユーザー、従業員、社員のステーブルコインウォレットに直接送金できるようになる。資金はUSDCなど米ドル連動型ステーブルコインで送金される。
Q: ステーブルコイン送金のメリットは?
-- クロスボーダー送金がほぼ一瞬で可能となり、銀行営業時間や国際送金の遅延といった課題を解消する。米ドル連動型で価値の予測性を確保し、送金はすべてブロックチェーンに記録され透明性が保たれる。消費者はステーブルコインを自由に保管したり、支払いに利用したり、換金することができる。
Q: このサービスの対象は?
-- グローバル企業、マーケットプレイス、クリエイター/ギグエコノミープラットフォーム、フィンテックと、KYC(本人確認)およびAML(マネーロンダリング対策)要件を満たし、互換性のあるステーブルコインウォレットを保有する受取人が対象となる。
Q: これは9月のVisaの発表と何が違うのか?
-- 9月にVisa Directはステーブルコインによる資金精算の準備金のパイロットプログラムが発表された。企業はVisa Directの精算資金を法定通貨だけではなく、ステーブルコインを使って準備できるようになり、バックエンドの財務部門にとってイノベーションとなる。今回発表されたプログラムでは、消費者などの最終受取人がステーブルコインで受け取れるようになり、デジタルドルを受取人のウォレットに直接送金することができる。
Q: 精算資金を準備する金融機関や企業はステーブルコインと法定通貨のどちらを使うのか?
-- 法定通貨で資金精算を行う。
Q: より広くパートナーのアクセスが可能となるのはいつ頃か?
現在は、一部のパートナーの導入を進めている。「より広いアクセスは2026年の予定で、グローバル展開が本格化した段階で、お客様から関心をお寄せいただきたいと考えています」(同社)
