フランチャイズで脱サラすると、既存のブランドを利用できる、本部のサポートを受けられるといったメリットがあります。しかし注意すべき落とし穴も複数あり、脱サラする前に対策しておく必要があります。この記事ではフランチャイズで起業して成功した事例や、失敗しないためのポイントを解説します。
フランチャイズで成功した事例
フランチャイズで脱サラをして成功した事例を4つ紹介します。
買取FCショップの出店
もともとサービス業に従事していたAさんは、よく利用していた買取業に興味を持ちました。前職の廃業を機にFC加盟を検討。「買取大吉」での起業を決意しました。
買取店について、昭和の質屋のイメージが強く、店舗に入りにくいという意見も周囲に多かったとのこと。そこで、若い方も気軽に利用できる買取店を目指したいという思いがあったそうです。
開業後は査定金額を間違えたり、買取準備金が不足してお客様を待たせてしまったりといったトラブルもありましたが、開業から半年で売り上げは好調です。
未経験で幼児教室を立ち上げ
Bさんは幼児教室「チャイルド・アイズ」に加盟して、2つの教室を運営しています。チャイルド・アイズは、小学6年生までを対象にし、業界トップの規模を誇っています。
もともと理系の業界でキャリアを積んでいた方でしたが、結婚と子育てを機にキャリアが中断。子育てがひと段落した頃、まったく別の業界でチャレンジしてみようと考えました。
ご自身は幼児教室が未経験でしたが、子ども好きで学生時代に看護施設で勉強を教えていた経験があったこと、配偶者の方が予備校で教師をやっていたことなどが後押ししました。
最初は思うように生徒が集まらなかったそうでしたが、繁忙期まで耐えたのが功を奏して、少しずつ入塾者が増えてきたそうです。問い合わせも増え、新たな需要も獲得しています。
20代でフランチャイズオーナーに
専門学校の職員として勤務していたCさん。「自分がより満足できる働き方と収入」を求め、26歳で独立しました。
ホームクリーニングのフランチャイズオーナーとなり、開業してから4年で年商2,000万円を達成。今後も年商アップ、さらには法人化を目標に邁進しています。
プライドを克服して成功
40代のDさんは、両親の介護や家族との時間が必要になったため、地元に帰ることを決意。大手コンビニのフランチャイズに加盟して事業を始めました。
最初は軌道に乗らなかったものの、会社員時代の成功体験から来るプライドのせいでなかなか本部や仲間に相談できませんでした。生活が苦しくなりいよいよ追い詰められた時に、今までのプライドを克服し、現状を説明して相談に乗ってもらいました。
その後コンビニ経営は無事軌道に乗って安定し、2店目の出店計画を立てています。
フランチャイズで独立・開業するメリット
脱サラでフランチャイズを選ぶことには、以下のようなメリットがあります。
既存のブランド力を利用できる
フランチャイズでは、すでに本部やその商品・サービスにブランド力・知名度がある状態です。このため、初期段階からどの程度集客できるのか予測しやすく、経営計画も立てやすいメリットがあります。
お客様の立場からしても、まったく知らない新規店よりは、新規店でも有名ブランドのフランチャイズ店のほうが、足が向きやすいでしょう。最初から既存ブランドの信用力を利用できるのが、フランチャイズの大きな魅力です。
未経験でも開業しやすい
さまざまな業種・業態で、フランチャイズへの加盟が募集されています。そのほとんどでは、業界に関する経験や専門知識が問われることはありません。
その理由として、本部にはフランチャイズ出店のマニュアル、トレーニングメニューが用意されているためです。未経験の方でも、これらを利用することにより、フランチャイズオーナーとしての知識・スキルを得られます。
本部からのサポートが受けられる
店舗をオープンした後でも、本部からのサポートを定期的に受け、経営に関するアドバイスももらえます。未経験の方の場合は開業後も不安や悩みが多いもので、サポートがあると心強いでしょう。
フランチャイズ開業の落とし穴と対策
メリットの多いフランチャイズですが、以下のような注意点もあります。
ロイヤルティの負担が大きい
フランチャイズ契約をすると、売上のうち何割かをロイヤルティとして本部に支払う必要があります。ロイヤルティの割合は業種やチェーンによって異なりますが、大手の場合は4割~5割と高いケースも少なくありません。
ロイヤルティの負担が大きいと利益が想定していたように残らず、苦しい経営が続くことも。ロイヤルティを支払っても経営が成り立つのか、事前に慎重に判断する必要があります。
多額の初期費用がかかる
フランチャイズもさまざまな形態がありますが、店舗を構えて出店するのがオーソドックスな方法です。店舗を借りるお金、内装や外装の工事費用、設備や備品の費用など、初期費用だけでも多額のお金が必要となります。
最初に思っていたよりも高額なお金がかかることが判明し、後悔することになるかもしれません。
サポートが手厚くない
フランチャイズのサポート体制はさまざまで、中には思ったようなサポートが受けられないケースもあります。高額なロイヤリティを支払う価値は、集客やマーケティングなどのサポートを受けられることにあるため、サポートが得られないことには大きな不満を感じるでしょう。
高額な加盟料やロイヤリティの負担が続く一方、売上や利益を上げるためのサポートが得られないというのは、厳しい経営状況です。最悪の場合は、早期撤退につながることもあります。
説明会などではどのようなサポートを受けられるのかをはっきりさせましょう。体験談や口コミなどもたくさん集めて、加盟するかは慎重に判断しましょう。
規約や制約が厳しい
本部はブランドイメージを保つため、規約や制約を設けているケースがあります。たとえばコンビニは24時間営業が基本で、8時間営業というわけにはいきません。
またコンビニでは季節のキャンペーンが数多く実施され、「この商品を売るように」と本部から伝えられることも多くあります。本部とのパワーバランスを考えると、フランチャイズ店舗側が断るのは難しいでしょう。
フランチャイズの脱サラに成功する人の特徴
最後に、フランチャイズの脱サラで成功しやすい人の特徴をまとめます。これからフランチャイズを目指す方は、自分ができていること・できていないことを整理してみてください。
お金をしっかり管理している
事業を長く継続できる方は、ほとんどがお金に関する感覚・知識が優れています。無駄な支出を抑え、収入額を適切に予測できるため、合理的な経営判断ができるためです。
またフランチャイズではある程度の元手も必要となるため、資金調達も課題です。金融機関などから資金調達をできることも、経営者として必要な素質です。
主体性が高く行動力がある
事業主・経営者は、会社員とは働き方がまったく異なります。人に命令されて仕事をするのではなく、すべて自分で判断し、仕事を作り出していく姿勢が欠かせません。
このため、主体性が高く積極的であり、行動力もある方が成功しやすいです。指示待ちの姿勢では通用しません。
周囲の人を大切にする・大切にされる
事業を成長・拡大させるには、一人では限界があるため、お客様や関係者の協力が欠かせません。周囲の人を大切にすることにより、大切にされるような信頼関係を構築できます。
実力がいくらあっても、性格が悪ければ周囲は離れてしまいます。従業員がいなければ、事業は継続できません。
人に頼れる・甘えられる
自分の弱さ・至らなさを認め、人に素直に頼れる方、助けを求められる方も成功しやすいです。プライドが高いと一人で抱え込みすぎて、心身の健康を損ねてしまうことがあります。
困難な状況に直面した際に、周囲に相談し、解決策を導き出せることが重要です。他人の意見・アドバイスも率直に受け止め、参考にできる器の大きさが求められます。
市場をリサーチできている
どれほど優れたビジネスアイデアも、それを受け入れてくれる場所がなければ成立しません。よって、市場のニーズや状況を丁寧にリサーチすることが重要です。
フランチャイズの場合、「本部がやってくれるだろう」と手抜きをしてしまうかもしれません。しかし、ビジネスオーナーである以上、市場を調べることは必須です。
差別化ができる
脱サラで成功している方は、サービスや商品にオリジナリティがあることも特徴です。たとえフランチャイズであっても、他社との差別化ができる方は強みがあります。
経営を続けるなかで独自のノウハウを蓄積し、付加価値を付けていけば、価格下げ競争からも離脱できるでしょう。
売り込みが上手
ビジネスを軌道にのせ、成長させる方は営業上手な一面もあります。たとえ優れた商品・サービスでも、認知されなければ、売れなければ意味がありません。
自社商品やサービスのメリットを、お客様のニーズに合うように適格に提案する力があると有利です。また人脈の構築にも役に立つ力といえます。
仕事が好きで没頭できる
脱サラで成功している方の多くは、仕事を愛していて、長時間没頭しています。自身が得意なこと・好きなことを仕事にしており、働くことが苦にならないためです。
長期的に経営を続けるためには、その仕事を愛せるのかどうかも重要な判断基準となります。
メンタル管理ができている
脱サラは孤独な戦いになりやすい面があります。コンビニ開業のケースでも紹介したように、プライドが邪魔して相談ができないこともあります。
適切にメンタル管理をするには、以下のポイントが重要です。
- 栄養・睡眠・運動の基本的な生活習慣を身に付ける
- 自分に合ったストレスの発散方法を見つける
- 困った時に相談できる相手がいる
- 仕事の合間に気分転換やリラックスをする
メンタル管理の重要性を深く理解し、日頃から適切にケアをしている方ほど、開業に成功する方が多いです。
