関東地方船員対策協議会と日本内航海運組合総連合会は、関東運輸局(国土交通省)の共催のもと、船舶エンジニア(機関士)を中心とした船の仕事の説明会となる「海に挑むなら今!船の仕事を知る仕事フェア」を2025年10月28日に、群馬県高崎市のたかさき書斎にて開催した。

  • 説明会に先立って挨拶を行う関東地方船員対策協議会の会長であり、関東沿海海運組合の理事長を務める榎本成男氏

    説明会に先立って挨拶を行う関東地方船員対策協議会の会長であり、関東沿海海運組合の理事長を務める榎本成男氏

船の仕事に関する説明会は沿岸地域で行われることが多いが、今回は、いわゆる“海なし県”と呼ばれる群馬で開催する初の試みだ。関東地方船員対策協議会の会長であり、関東沿海海運組合の理事長を務める榎本回漕店 代表取締役 社長の榎本成男氏は、「船で実際にどういった仕事が行われているかを知っていただき、ぜひ我々の仲間になってほしい」と参加者に熱く呼びかけた。

陸の仕事と海の仕事の違いは?

説明会ではまず、今回の企画・運営を行ったワークエントリー 管理統括部 部長の太田広子氏が講師となって、船における基本的な仕事を紹介する導入セミナーを実施。陸の仕事と海の仕事の違い、そして国内物流の要である内航船の重要性、そして船の心臓部である機関士の役割などについて、参加者のディスカッションも交えながら解説していった。

  • 導入セミナーを行うワークエントリー 管理統括部 部長の太田広子氏

    導入セミナーを行うワークエントリー 管理統括部 部長の太田広子氏

太田講師による導入セミナーに続いては、参加者を2班に分けて、船の仕事をさらに深堀り。一班は、榎本氏より内航船の実状や船内の様子、実際の業務ルーティン、さらには海技資格の取得方法などを、現場の声も交えながら紹介していく。

  • 船の仕事について詳しく紹介していく榎本氏

    船の仕事について詳しく紹介していく榎本氏

そしてもう一班は、会場に設置されたVR機器などを通して、「船内VR見学」や「エンジン音体験」など、内航船のリアルな仕事を体験。さらに、実際に船で働く方々へのインタビュー動画を視聴し、船の仕事への理解を深めていく。

  • 「船内VR見学」や「エンジン音体験」などによって船の臨場感を体験する

    「船内VR見学」や「エンジン音体験」などによって船の臨場感を体験する

「今回のイベントを、船の仕事に対して興味を持つ方の母集団を増やすことへの足掛かりにしたい」と話す、本イベントを企画・運営したワークエントリー 人材サービス事業部 マネージャーの千野祐貴氏。「船の仕事といえば、どうしても漁業などをイメージしがち」という現状から、千野氏自身も「話を聞き、実際に見学などをして、初めて内航海運の仕事がイメージできた」という経験を踏まえ、「まずは内航海運という必要不可欠な仕事の内容を理解してもらわないと、ただ求人を出したり合同説明会を行っても、なかなか参加しようとはならないだろう」との見解を示す。

船の仕事の中でもあえて船舶エンジニア、機関士に絞った理由は、自動車大国ともいえる群馬県の土地柄を考慮した結果だ。

「製造業が大半を占める県ですし。中でも整備士を目指す若者が比較的多い傾向にあることから、まずは機関士というところに親和性を感じてもらえるのではないか」といった思いからのアプローチではあるが、「最初の打ち出し方として機関士を中心に展開していますが、まずは船の仕事に興味を持っていただくのが第一」であり、「機関士に限らず、海の仕事、船の仕事が職業選びにおける選択肢のひとつになってほしい」との思いを明かす。

今回の開催ののち、内容を変えながら年内に後2回の説明会を予定しているという。「より多くの方に周知を図り、参加者を増やしていくことで、船の仕事に対して興味を持つ方の母集団を大きくし、今後開催する合同企業説明会などに繋いでいきたい」と、今後の展開に向けての意気込みを語った。