食事でお腹いっぱいになったはずなのに、デザートや好きなものにはつい手が伸びてしまう──そんな経験はありませんか?

「甘いものは別腹」とよくいわれますが、この“別腹”は本当に存在するのでしょうか。 本記事では、「別腹」の正体や、科学的にどのような仕組みで起こるのかをわかりやすく解説します。

別腹とは?

  • 別腹とは?

    別腹とはどういう現象?

「別腹」とは、「もう食べられない」と感じるほど満腹でも、デザートや甘いものなら不思議と食べられてしまう現象を指します。

もちろん、胃の中に“甘いもの専用の空間”があるわけではありません。それでも、満腹のはずなのにスイーツや好物を見ると、ついペロリと食べてしまう。このような現象が、一般的に「別腹」と呼ばれています。

科学的にみた別腹の正体

  • 科学的にみた別腹の正体

    別腹の正体って?

実は「別腹」は本当に存在しているのだとか。脳の仕組みや味覚の変化によって誕生する「別腹」のメカニズムについて解説します。

脳の働きによるもの

甘いものをはじめ、自分の好きな食べ物を目の前にすると、脳内ではドーパミンやβエンドルフィンといった“快楽物質”が分泌されます。これにより「もっと食べたい」という欲求が高まります。

同時に、食欲を促すオレキシンというホルモンも分泌され、胃のぜん動運動が活発になります。すると、胃の内容物が小腸へ送り出され、胃の上部に新たなスペースが生まれるのです。

この“できたスペース”こそが、俗に言う「別腹」の正体だと考えられています。

味の変化によるもの

人間は、同じ味を食べ続けると満腹を感じやすくなるといわれています。食事は一般的に「塩味」「酸味」「うま味」で構成されることが多いため、これらの味に対してはすでに満腹のサインが出ている状態です。

しかし、甘味に対しては未だ新鮮であるため、食後にデザートを見ると「新しい味覚刺激」として脳が反応し、再び食欲が呼び起こされます。その結果、甘いものなら“別腹”で食べられてしまうのです。

また、甘味に限らず、自分の大好物や特別に好きな味でも、同じように「別腹」が生じることがあります。

「別腹がある人」と「別腹がない人」の違いは?

  • 「別腹がある人」と「別腹がない人」の違いは?

    「別腹がある人」と「別腹がない人」には違いがあるらしい…?

なかには、「別腹がない人」もいるといわれています。「別腹がある人」と「別腹がない人」にはそれぞれどのような特徴があるのでしょうか。

別腹がある人の特徴

別腹がある人は、甘いものに強い魅力を感じやすく、食への関心が高い傾向があります。好物を目にした瞬間に快楽や満足感を得て、脳の働きが活発になるため、「別腹」現象が起こりやすくなるのです。

また、食後にデザートを食べる習慣がある人や、ストレスや疲れを感じたときにスイーツで気分転換をする人も、別腹を感じやすいタイプといえます。

別腹がない人の特徴

一方で、別腹がない人は、満腹感を伝える信号が脳にしっかり届くタイプです。そのため、食後には自然と食欲が抑えられ、デザートを欲しない傾向があります。

また、塩味や苦味などの味覚を好む人が多く、食後に甘いものを求める習慣が少ないのも特徴です。このタイプの人は、“食事そのものの満足感”を大切にする傾向があるといえるでしょう。

別腹がもたらす影響

  • 別腹がもたらす影響

    別腹にはメリットとデメリットがある

別腹によって、甘いものを食べることで幸福感やリフレッシュ効果を得られる一方で、食べ過ぎによるリスクも無視できません。ここでは、別腹のメリットとデメリットの両面を紹介します。

別腹のメリット

甘いものや好きな食べ物を口にすると、脳内では「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンやドーパミンが分泌されます。これにより心が落ち着き、幸福感を感じやすくなるため、ストレス解消や気分転換にもつながります。

また、食後のデザートは日々の食生活に小さな楽しみを与えてくれる存在でもあります。 うまく取り入れれば、心の健康を保つ手助けにもなるでしょう。

別腹のデメリット

一方で、別腹はカロリーオーバーにつながりやすいという側面もあります。特に糖質や脂質の多いスイーツは、血糖値を急上昇させやすく、その後の眠気やだるさの原因になることもあります。

さらに、食後に毎回デザートを食べる習慣がつくと、肥満や生活習慣病のリスクが高まる可能性も。幸福感を得られる反面、食べ過ぎには注意が必要です。

別腹を楽しみつつ、食べ過ぎには注意しよう

ここまで紹介してきたように、「別腹」は私たちに幸福感や食後の楽しい時間をもたらしてくれます。食べ過ぎに気をつけながら、バランスのとれた範囲で「別腹」を楽しんでみてください。

久高先生より

日頃の食習慣は疾患の予防や管理に重要であることは言うまでもありません。しかし実際には様々なライフイベントの中で常に間食を控えつつ、食バランスを整え続けることは困難であり、心の健康・生活の質の向上という見地からは適度にデザートを生活に取り入れることも重要と考えます。それは長期的には適切な食習慣・身体活動をはじめとする、普段の健康的な生活習慣の継続につながると考えます。

普段のルーチンとしてデザート・間食を取り入れるのではなく、普段健康的な食生活を送っているご褒美としてこれらを適度に取り入れていきましょう。

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