ヒューマンホールディングスは、「仕事観と自分らしさに関する調査」の結果を発表した。調査は10月24日~27日、正社員・公務員・団体職員として勤務する20~29歳の男女1,000名を対象に、インターネットで行われた。
働くZ世代に「自分らしく働く」とはどういうことかと質問したところ、「ワークライフバランスを保ちながら働く」(18.1%)、「仕事とプライベートをきっちり分ける」(15.9%)、「好きなことや得意なことを仕事にする」(10.8%)、「収入を増やすために働く」(10.5%)が上位に。さらに「メンタルヘルスを守りながら働く」(5.6%)、「タイパよく働く」(5.1%)など、心身の負担を抑えながら効率的に働くことを重視する傾向も見られたが、一方で「多少プライベートを犠牲にしても目標のために働く」と回答した人はわずか2.4%という結果に。Z世代にとっての「自分らしい働き方」とは、「無理をせず、自分のペースで心地よく働くこと」であり、仕事を「生活の一部」として、幸福度を保ちながら働く姿勢が見える結果となった。
また、「働く目的」についても尋ねたところ、「自分らしい働き方」と同様に、生活やメンタルの安定を重視する回答が上位に。一方で、理想や夢を追う回答は少数にとどまり、Z世代は現実的に将来への不安を回避し、安定した生活基盤を築くことを優先している様子がうかがえた。
続いて、「キャリア・スキルアップを重視する働き方」と「プライベートの充実を重視する働き方」のどちらを希望するかを尋ねたところ、60.9%が「プライベートの充実を重視する」方を選択(希望する+どちらかといえば希望する)し、前問いの「自分らしい働き方」や「働く目的」における結果と合わせると、Z世代は、「自分の生活や心の安定を犠牲にしない働き方」を理想としており、従来の“短期集中型の上昇志向”から、“ライフバランス重視型の持続可能なキャリア観”へと価値観が移行していると推察される。
また、職場に導入してほしいと思う働き方を聞くと、「週休3日」(35.1%)、「フレックスタイム」(20.1%)、「副業・兼業の許可」(18.5%)、「短時間勤務」(17.8%)、「テレワーク」(17.3%)が上位に。さらに、理想的な労働時間は週「35時間~40時間未満」(32.4%)が最も多く、次いで「30時間~35時間未満」(19.1%)、「30時間未満」(19.0%)と続いた。
次に、「業務における生成AIの活用状況」を尋ねたところ、46.5%が「活用していない」と回答。「情報収集」(12.1%)、「文章作成や校正」(11.1%)、「データ整理・要約」(10.4%)などに利用している人も一定数いるものの、実務で広く活用されているとは言いにくく、Z世代の「タイパよく働きたい」「効率的に業務を進めたい」という意識とは対照的な結果となった。
続いて、仕事において感じるストレスを教えてもらったところ、「給与」(26.7%)、「仕事のミス」(22.7%)、「仕事量」(19.7%)、「上司との関係」(18.6%)、「この先のキャリアが見えないこと」(17.5%)が上位となったことから、Z世代は長時間労働や職場文化による心身への負荷を敏感に感じているよう。
現在の年収額を教えてもらったところ、「300万円~400万円未満」(27.2%)や「200万円~300万円未満」(19.5%)が多かった一方、希望年収は、「400万円~500万円未満」(20.2%)や「500万円~600万円未満」(17.1%)が上位となり、現状よりやや高めの年収を望む傾向が見られた。



