
10月23日、2025年ドラフト会議が開催された。今年は立石正広(創価大)に対して3球団の指名があったが、過去のドラフト会議では5球団以上の競合となった選手たちも複数存在する。今回は、過去に5球団以上が競合してプロ入りした選手たちの歩みを取り上げたい。(文・シモ)
清宮幸太郎
[caption id="attachment_219797" align="alignnone" width="530"] 北海道日本ハファイターズの清宮幸太郎(写真:産経新聞社)[/caption]
・投打:右投左打
・身長/体重:184cm/95kg
・生年月日:1999年5月25日
・経歴:早稲田実
・ドラフト:2017年ドラフト1位(日本ハム)
清宮幸太郎は、7球団から1位指名を受けて北海道日本ハムファイターズに入団した。
たぐいまれなるパワーと巧みなバットコントロールを兼ね備えた打撃で、高校時代に当時の本塁打記録となる111本を放った清宮。
ルーキーイヤーは、一軍デビューから7試合連続安打を記録するなど、53試合の出場で7本塁打、18打点をマーク。実力の一端を見せた。
すると、翌2019年、2020年にも7本塁打を記録。しかし、プロ4年目の2021年は一軍出場なしに終わり、伸び悩む時期を迎える。
そんな中、翌2022年に新庄剛志監督が就任すると、打撃に変化が生まれる。同年は129試合の出場で打率.219ながらも18本塁打、55打点とキャリアハイの成績を残した。
今季は138試合の出場で打率.272、12本塁打、65打点を記録。惜しくも最多安打には届かなかったが、リーグ2位の143安打を放った。
福岡ソフトバンクホークスとの優勝争いというプレッシャーの中、ほとんどの試合に出続けた経験も今後の大きな糧となるだろう。
しかし、入団時の清宮の期待値からすれば、この数字はまだ物足りない。今季の全12本塁打は右投手から放ったもので、左投手に対しては0本塁打と寂しい数字に終わった。
来季でプロ9年目を迎える清宮。常時30本塁打以上を記録する真の意味でのスラッガー・清宮を見てみたい。
田中正義
[caption id="attachment_219796" align="alignnone" width="530"] 北海道日本ハムファイターズの田中正義(写真:産経新聞社)[/caption]
・投打:右投右打
・身長/体重:188cm/96kg
・生年月日:1994年7月19日
・経歴:創価高 - 創価大
・ドラフト:2016年ドラフト1位(ソフトバンク)
最速150キロ超の速球を武器に活躍する田中正義は、2016年に5球団の競合で福岡ソフトバンクホークスに入団した。
高校までは外野手だったが、大学時代に本格的に投手に転向。大学2年春に、東京新大学リーグの共栄大戦で公式戦初登板を果たすと、11個の三振を奪い完封勝利を挙げる。また、3年秋のリーグ戦では、ノーヒットノーランを達成した。
圧倒的な成績を残して、2016年のドラフトではソフトバンク、日本ハム、ロッテ、巨人、広島の5球団から1位指名。抽選の結果、ソフトバンクが交渉権を得た。
しかし、ソフトバンクでの6年間は、2021年の18試合登板が最多。期待通りの活躍とはいかず、くすぶっていた。
そんな田中に転機が訪れたのは、プロ7年目の2023年。北海道日本ハムファイターズへの移籍である。
移籍初年度は、47試合の登板で2勝3敗25セーブ、防御率3.50をマーク。昨季は53試合の登板で4勝4敗20セーブ、防御率2.17と安定感を高めた。
今季は49試合の登板で1勝1敗13セーブ、防御率1.32と防御率がさらに改善した。
過去にドラフト会議で競合した日本ハムへの移籍が、田中に再び輝きをもたらしたのである。
菊池雄星
[caption id="attachment_215378" align="alignnone" width="530"] エンゼルスの菊池雄星(写真:Getty Images)[/caption]
・投打:左投左打
・身長/体重:184cm/100kg
・生年月日:1991年6月17日
・経歴:花巻東高
・ドラフト:2009年ドラフト1位(西武)
現在は海の向こうで腕を振っている菊池雄星。彼もドラフトで争奪戦となった選手だ。
菊池は花巻東高で3年春・夏の甲子園に出場。3年夏の甲子園の東北高戦では、高校生ながら最速154キロを記録し、メジャーのスカウトからも注目を一身に浴びた。
迎えた2009年のドラフト会議。菊池は西武、楽天、日本ハム、阪神、中日、ヤクルトの6球団から1位指名を受け、西武に入団した。
ルーキーイヤーは左肩痛のため一軍登板なしも、プロ2年目は9試合に先発して4勝をマーク。翌2013年には17試合の登板で9勝4敗、防御率1.92と大器の片りんを見せた。
しかし、菊池の能力が真に開花するのは、プロ7年目の2016年である。
この年は22試合に登板して、12勝7敗、防御率2.58とリーグ2位の防御率をマーク。翌2017年には16勝6敗、防御率1.97の成績を挙げ、最多勝と最優秀防御率のタイトルを獲得した。
そして、続く2018年も14勝4敗の成績を挙げると、ポスティングシステムを利用してシアトル・マリナーズに移籍した。
トロント・ブルージェイズ、ヒューストン・アストロズなどを経て、今季はロサンゼルス・エンゼルスで先発の役割を与えられ、7勝を挙げた。
宗山塁
[caption id="attachment_223411" align="alignnone" width="530"] 東北楽天ゴールデンイーグルスの宗山塁(写真:産経新聞社)[/caption]
・投打:右投左打
・身長/体重:175cm/79kg
・生年月日:2003年2月27日
・経歴:広陵高 - 明治大
・ドラフト:2024年ドラフト1位(楽天)
宗山塁は、明治大で1年春から遊撃手としてレギュラーに定着。大学4年間で首位打者1回、ベストナイン3回、東京六大学歴代単独7位の118安打を記録している。
これらの華々しい実績を引っさげ、昨季のドラフト会議で楽天、西武、日本ハム、ソフトバンク、広島の5球団から1位指名。即戦力ルーキーとして、楽天に入団した。
迎えたプロ1年目の今季。開幕戦のオリックス戦に「2番・遊撃」でスタメン出場を果たすと、抑えのアンドレス・マチャドから同点タイムリーを放つ鮮烈なデビューを飾った。
以降も安打を積み重ね、守備でも幾度となくピンチを救うスーパープレーを披露した。
特に9月25日のソフトバンク戦で見せた、二塁ベース上に跳ね返った打球を冷静に処理した華麗なプレーは、その守備力の高さを物語っている。
今季は122試合の出場で、打率.260、112安打、3本塁打、27打点でフィニッシュ。マルチ安打は30回を数え、守備率もリーグ遊撃手4位の.975を記録するなど、即戦力に違わぬ活躍を見せている。
今後のさらなる活躍を予感させる宗山。来季以降の飛躍に、期待感しかない。
松井裕樹
[caption id="attachment_204672" align="alignnone" width="530"] パドレスの松井裕樹(写真:Getty Images)[/caption]
・投打:左投左打
・身長/体重:174cm/74kg
・生年月日:1995年10月30日
・経歴:桐光学園高
・ドラフト:2013年ドラフト1位(楽天)
最速150キロ超の直球とスライダーが特徴の松井裕樹は、2013年に5球団競合の末、東北楽天ゴールデンイーグルスに入団した。
松井は桐光学園高時代、2年夏の甲子園に出場。今治西高との1回戦では、大会史上最多となる10者連続奪三振、1試合22奪三振をマークした。
2回戦の常総学院高戦でも19奪三振をマークすると、続く3回戦は12奪三振、準々決勝は15奪三振を奪い、36イニングを投げて68奪三振を記録。豪腕ぶりを印象づけた。
その後の2013年ドラフト会議では、楽天、ソフトバンク、日本ハム、中日、DeNAの5球団から1位指名。抽選の末に楽天が交渉権を獲得した。
ルーキーイヤーの2014年は先発として起用されていたが、プロ2年目から抑えに配置転換。同年は63試合に登板して、3勝2敗33セーブ、防御率0.87と抜群の安定感を見せた。
プロ3年目にも30セーブ、プロ4年目にも33セーブを挙げ、チームの抑えに定着。プロ5年目の2018年には調子を落とすも、翌2019年には38セーブを挙げて最多セーブを獲得した。
先発復帰を経て再び抑えに回ると、2022年に32セーブ、翌2023年には39セーブをマークし、2年連続で最多セーブを受賞。球界を代表するクローザーに成長した。
楽天での10年間で3度の最多セーブを含む236セーブの実績を残し、2023年オフにサンディエゴ・パドレスに移籍。昨季は64試合、今季も61試合に登板してポストシーズン進出に貢献した。
大石達也
[caption id="attachment_237540" align="alignnone" width="530"] 埼玉西武ライオンズの大石達也(写真:産経新聞社)[/caption]
・投打:右投左打
・身長/体重:185cm/92kg
・生年月日:1988年10月10日
・経歴:福岡大大濠高 - 早稲田大
・ドラフト:2010年ドラフト1位(西武)
東京六大学のリーグ戦で通算60試合に登板し、10勝4敗、防御率1.63、217奪三振を記録した大石達也。2010年ドラフト会議では6球団競合の末、埼玉西武ライオンズに入団した。
ルーキーイヤーは先発を任されるも、右肩痛を発症し一軍登板なし。翌2012年には中継ぎに配置転換され、24試合に登板して1勝1ホールド、防御率2.75とまずまずの成績を残す。
翌2013年には抑えに指名された大石。しかし、同年は37試合の登板で0勝5敗8セーブ、防御率6.38と成績を落としてしまう。
そして、2014年に再び右肩痛を発症。何とか生き残りをかける中、プロ6年目の2016年には36試合に登板し、1勝3ホールド、防御率1.71をマークした。
翌2017年には20試合に登板し、2勝4ホールド、防御率0.93と抜群の安定感を誇った。しかし、その後は一軍での登板機会を徐々に減らし、2019年限りで現役を引退した。
プロ9年間の通算成績は、132試合の登板で5勝6敗8セーブ12ホールド、防御率3.64に終わっている。
引退後はファーム育成グループや二軍投手コーチなどを経て、今季から一軍投手コーチに就任。西武の防御率を昨季の3.02から、パ・リーグ3位の2.92に改善させた。
選手としてはまずまずの数字に終わったが、指導者として第2の人生を歩んでいる大石。来季も一軍投手コーチの続投が決まっており、今後の手腕に注目したい。
【了】