今年で18回目を迎える東京ミッドタウンのデザインイベントが新たなステージへと移り、タイトルも新しく「TOKYO MIDTOWN DESIGN LIVE」と題して開催。「あたりまえの日常が、おもしろくなるデザインイベント」をスローガンに、東京ミッドタウン館内やミッドタウン・ガーデンに全27組の作品が展示されている。
■日常の中にある“デザイン”を意識してみると面白い発見が!?
初日の10月10日(金)には今回のクリエイティブディレクター・佐藤卓とエキシビションのキュレーター・土田貴宏によるトークセッションがマスコミ向けに開催された。イベントのテーマ決めにあたっては「そもそもデザインとは何か?」というところから話し合いを始め、「日常にありふれているデザインを意識することで、日常を面白くできるのではないか」という答えにたどり着いた。さらに「揺さぶってみることで、当たり前のものがいかにありがたいものか分かるのでは?」ということから、「ゆさぶる」というテーマが生まれたのだとか。
“I”の文字が3つのハートになっているロゴは、佐藤がデザイン。「何もかも入れ替わるのではなく、前年までの『DESIGN TOUCH』をアップデートすることが大切だと考えた。長年デザインの仕事をしてきて“デザインとは間を適切につなぐこと”という思いもあり、DESIGNという文字の間にある“I”を、誰もが知っているハートでつないだらどうか、と。3つのハートは少しずつ違っていて、優しくつなぐ場合もあれば、意識的に角を立ててつなぐ方が良い場合もあるなと考え、一番上が正方形を3つ並べたもので、だんだんやわらかくなっている」とロゴに込めた思いを語った。
デザインというと難しく考えがちだが、「東京ミッドタウンに買い物に来た人たちがふと興味を持てるものにしたい」というのも大きな狙いだという。このイベントをどんなふうに楽しんでほしいかという問いに、佐藤は「普通の生活の中で提案性のある作品が展示されているので、日常に隠れていて、無意識に触れているデザインに少し気持ちを向けてみるきっかけになったらうれしい」とコメント。
■余剰材やミッドタウン・ガーデンで採取した藻類から家具を制作
トークセッションのあとはミッドタウン・ガーデンに展示されている作品を作者本人が解説。
AtMa(アトマ)による「0% SURPLUS(ゼロパーセントサープラス)」は、大理石やタイルの端材でできた椅子やベンチ。「私たちは内装インテリアデザインの仕事と、自主制作でプロダクトのデザイン制作をしています。内装の仕事で発生する余剰材をただ廃棄するのかという課題や疑問を抽出して、それらを解決するようなアイデアやメッセージを乗せたプロダクトのデザインをしています」。展示されている椅子は、余剰材を金属パーツで連結して制作したという。
we+(ウィープラス)の「SO-Colored」は、微細藻類を培養し、天然由来の樹脂とブレンドして顔料を作り、タイル化して家具に仕立てた作品だ。「”藻類“と聞くとクロレラやイカダモなど海や川辺に生息するものを思い浮かべますが、実はミッドタウン・ガーデンにも生息しています。今回、ミッドタウン・ガーデンで採取した藻類を培養し、天然由来の樹脂とブレンドしてタイルを作って家具を制作しました」。藻の色はグリーンのイメージだが、培養途中でストレスを与えると赤や青、黄色にも変化するという。「藻を顔料に使ったことはこれまでないと思います。この藻類がいろんな可能性を広げてくれたのではないか」と語った。
山田紗子の「drawing chair」は人と周囲の境界線として発想された家具。建築家でもあることから「いつも空間を設計していて、家具を考えた時に、その家具が持つ“領域感”を線で表すと、空間と自分をつなぐ距離感が見えてくる。ひとつの空間の中で、自分が座っている領域を自由に描けたら豊かなものになるのではと考えました」と自身の普段の視点から広がった作品であることをアピールした。
■音楽もトークもラジオ体操も。五感でデザインに触れてみよう
館内展示場にも、実物大の鳩のオブジェがテーブルとなった「Dove Table」(山田 裕人)、デジタル上で生まれる質量のないオブジェクトを、厚さ1mmの鉄板によって実体化した「SOHMA FURUTATE」(MASS)、ガラスの重量感と軽やかさを共存させた時計「glass wall lamp」(sasamoto natsuki)などが展示され、足を止める買い物客も多い。
さらに期間中にはtofubeatsやKEN THE 390、民謡クルセイダーズらがパフォーマンスするライブイベント「DESIGN LIVE カタカナナイト」や、クリエイターによる「トークバトン」、土日祝にミッドタウン・ガーデンで行われる「DESIGN LIVE 音楽体操&ラジオ体操」など、五感で楽しめる企画が並ぶ。
気軽にデザインに触れて体験できる「TOKYO MIDTOWN DESIGN LIVE 2025(東京ミッドタウン デザインライブ)」は、11月5日(水)まで開催。






