神奈川県立がんセンターは、神奈川県立保健福祉大学とJMDCとともに、リアルワールドデータを活かし、がん診療の最前線を解析して診療現場へ還元する研究プロジェクトを開始する。
近年、新しいがん治療法が次々と登場し、診療は急速に進化している。しかし、実際の医療現場のデータ(リアルワールドデータ)は、異なる組織に分散管理されており、分析・活用が難しいという課題がある。特に、データの標準化や個人情報保護、長期アウトカムの取得には多くの課題があり、現状、リアルワールドデータは十分に活用されていない。
同プロジェクトは、このような状況を打開するために立ち上げた。リアルタイムに近い形でがん診療データを蓄積し、早期に現場へフィードバックし、データを迅速に更新する仕組みを構築する。複数のデータを組み合わせ、最新のデータサイエンスや解析技術を用いることで、臨床現場への有効活用を目指す。
解析によって、患者の属性による治療効果や副作用の違いなどを明らかにし、がん診療の質の向上、均てん化、医療資源の適正配分に役立てることができる。
まずは神奈川県立がんセンターのデータを中心に分析を行い、その成果を他の医療機関にも横展開し、医療圏・都道府県単位のがん診療の実態を明らかにする。解析結果のフィードバック方法やデータ更新の仕組みを確立することで、データの力を最大限に活用し、患者が個々の状況に応じた最適な治療を受けられる未来を目指す。
将来的には、この結果を基に、がん診療の質向上に役立つ新たなサービス開発につなげ、がん患者とその家族、ひいては一般生活者により良い医療を提供できる社会の実現に貢献していくとしている。

