京王電鉄は30日、新型通勤車両「2000系」を2026年1月31日から運行開始すると発表した。あわせて2000系の5号車に設置する「大型フリースペース(仮称)」について、愛称を「ひだまりスペース」とすることも発表された。
新型通勤車両2000系は、「日本一安全でサービスの良い持続可能な交通」の実現に向けて、「もっと、安全に、そして安心して、これからもずっと、のっていただける車両を。全ての世代に、やさしく、そして、ワクワクしてもらえる車両を」というコンセプトを掲げた。子育て世代からシニア世代まで、年齢や性別、目的を問わず、利用者が安全・快適に鉄道を利用できるよう、京王電鉄初という「ひだまわりスペース」(大型フリースペース)を設置する。
「ひだまりスペース」については、「大型窓を採用してたくさんの光が集まる『ひだまり』となるほか、ご利用されるお客さまが心休まるような『ひだまり』となることをイメージしたもの」と説明。今年5~6月に行われた「大型フリースペース(仮称)」の愛称投票で、候補3案のうち1,196票と最も投票数が多かったことから愛称に決定した。
2000系の外観は車体前面・側面ともに円をモチーフにしたラウンド型とすることで、多くの人が優しさを感じ、安心できる車両を表現。内装も同様にラウンド型をモチーフとし、心を落ち着かせるナチュラルな空間を演出するという。感性AI(京王グループの企業)が提供する「人の感性を分析できるAIサービス」も用い、幅広い利用者や多様な社員の声から得られたニーズを分析。最もコンセプトにマッチするデザインを採用している。
消費電力の削減と車両の軽量化を図るため、環境性能をさらに高めた低損失のパワーデバイスであるフルSiC素子を用いた新型のVVVFインバータ制御装置を導入。既存の7000系と比べて約20%の省エネ性向上を図る。2000系は2026年1月31日に1編成(10両編成)が運行開始した後、2027年3月までに計4編成40両を導入する計画となっている。
なお、2000系に関連する企画として、「けい太くん」絵本シリーズの5作目『がんばれ! にこちゃん』を1月31日に発売するほか、2000系の製作工程を京王電鉄公式YouTubeチャンネルで公開中。今後、一般向けお披露目会の開催、記念乗車券の発売も予定している。



