
今季、埼玉西武ライオンズに加入したタイラー・ネビン。昨季、屈辱の91敗を喫したチームにとって、まさに”助っ人”に相応しい活躍を見せている。一塁手として安定感を発揮するだけでなく、勝負強い打撃やチームメイトへの献身的な姿勢で、ファンの心を揺さぶっている。(文・羽中田)
帰ってきた”切り込み隊長”
9月2日の楽天戦から、頼もしい男が一軍へ帰って来た。埼玉西武ライオンズの切り込み隊長・西川愛也だ。
復帰初日で「1番・中堅」のスポットに収まる背番号「51」には安心感がある。やはり彼がいなければ、西武の反撃は始まらない。
8月9日に、右肩違和感で登録抹消となって約1ヶ月。チームは8月を9勝13敗2分で終え、7月に続き月間負け越しとなっていた。それでも西川は、重い空気を吹き飛ばすかのように、復帰直後から暴れ回った。
復帰初戦の第3打席では、楽天先発・岸孝之からレフト前へ復帰後初安打を放つ。この一打で岸をマウンドから降ろし、先制点を呼び込んだ。この試合は2対0で勝利し、チームを勢いに乗せた。
敵地仙台2連戦を連勝して迎えた、9月5日のロッテ戦。レジェンドOBの伊東勤氏と石井丈裕アカデミーコーチがゲストとして来場した一戦だ。
西川自身は、8月3日のロッテ戦以来となる本拠地のファンの前で、3安打2打点を記録。4回裏にはロッテ先発のオースティン・ボスから同点タイムリーを放つなど、パワーアップした姿を見せた。応援席からは、いつもに増して黄色い歓声が飛び交った。
西川の奇数打席の登場曲、ハルカミライの「世界を終わらせて」が流れると、スタンドのファンは一斉にゲートフラッグやタオルを掲げ、声を重ねる。待ちわびた「愛也」が打席に立つだけで、スタジアム全体の熱気が一段階高まるのを誰もが感じていた。
翌6日の同カードも、チーム全打点を叩き出す3安打4打点の大活躍。守備では、両翼とのポジショニングやアウトカウントの確認をしていた。常に声をかけ、若手外野陣をリードする姿は、”ただの1番打者”にとどまらない存在感を放っている。
順風満帆ではなかった過去
しかし、過去のプロ生活は決して順風満帆ではなかった。度重なる怪我に苦しみ、不振の期間も長かった。
花咲徳栄高から、2017年ドラフト2位で西武に入団。大きな期待を背負ってプロの世界に飛び込んだが、高校時代の大胸筋断裂から始まり、今季も右肩違和感で離脱を余儀なくされた。2023年には、62打席連続無安打というNPB野手ワースト記録も残した。
それでもプロ8年目の今季、主力として替えのきかない選手に成長した。2年前のワースト記録更新時からは、想像できない姿だろう。今こうして、グラウンドを縦横無尽に駆け回る姿には、感慨を覚える人も少なくない。
スタンドで見ている子どもたちは、ヒット一本に飛び跳ねて喜び、全力疾走でホームに滑り込む姿に夢を重ねる。若い女性を中心に、他の選手とは異なる雰囲気の、エメラルドグリーンのタオルを掲げるファンの姿が目立つ。西川のユニフォームを着て声援を送る子どもたちの姿も、数多く見受けられる。
ベルーナドーム併設の大型グッズショップ、チームストアフラッグスには西川専用コーナーがある。西武線沿線の広告でも、西川の顔をよく見かけるようになった。球団の未来を象徴する存在として、西川はチームの“顔”になりつつある。
シーズンの佳境に差しかかっている9月。「我らが核弾頭」の西川は、チームを押し上げる存在となれるのか。CS進出の可能性は、まだ残っている。
今季は無論、来季以降も彼の一挙手一投足から目が離せない。
【動画】頼もしい守備!西川愛也のダイビングキャッチがこちら
DAZNベースボールの公式Xより
ライオンズのエリア51
打ってよし、守ってよし
西川愛也 ダイビングキャッチ
⚾プロ野球(2025/9/15)
🆚日本ハム×西武
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【了】