フジテレビ系ドラマ『愛の、がっこう。』(毎週木曜22:00~ ※TVer、FODで配信)の第4話が、31日に放送された。

今作は、まっすぐで不器用なあまり過去に恋愛で大きな過ちをおかしてしまった高校教師の愛実(木村文乃)と、複雑な家庭環境から義務教育すらまともに受けられなかった読み書きの苦手なホストのカヲル(ラウール)が出会い、お互いが本当の“愛”を知っていくというラブストーリーだ。

  • 木村文乃(左)とラウール (C)フジテレビ

    木村文乃(左)とラウール (C)フジテレビ

恋心の芽生えに気づいていない2人

今作が視聴者を引き付けるのは、単純そうに見えながらも実は全く異なる、“複雑性”を多分にはらんでいるからに違いない。

それは大枠である「教師とホストが恋に落ちる」という部分からしてそうだろう。教師がホストに恋に落ちるというのは、確かにセンセーショナルではあるのだが、どうしても恋に落ちるという普遍的な部分だけで押し切ってしまうきらいも感じてしまう。つまり、教師だろうとホストだろうと、人が恋に落ちるのは当たり前のことで、そこに邪念を持つことこそが邪念であり、教師とホストというキャッチーな設定の中で、恋するときめきと葛藤を描ければそれでいい――筆者はそんな物語なのではないかと当初は想像していたのだ。

だが、実際はどうだろうか。教師とホストという大枠をただのキャッチーな要素だけにとどめず、ホストのリアルをしっかりと取り入れた社会派の一面を持ち出しただけでなく、教師の愛実は、カヲルとの学びを通して人と向き合う喜びを感じているのだが、それが恋だとは気づいていない。翻ってホストのカヲルも、愛実を自らがのし上がるための“太客”だと言い聞かせながらも、そこに恋心が芽生えていることに気づいていない。

このように、お互いが恋とは気付いていないのにもかかわらず、視聴者にははっきりとそれらが恋だと分かってしまう。しかも、かなり深い部分で2人は恋に落ちていると確信できるほど、実はとてつもなく複雑性を持った恋模様を描いているのだ。もっと注意深く見るならば、2人は恋に気づいていないのではなく、気づこうとしていないのかもしれないという、さらなる複雑性も感じられる。

中島歩が見せる複雑性という名の“気持ち悪さ”

それは2人の恋模様だけでなく、愛実の親友である百々子(田中みな実)についても言えることだ。第4話で、愛実がカヲルといまだに接点を持っていると知ったことで衝突してしまったが、すぐさま元の親友に戻るあの展開は、逆に人間同士のつながりの複雑性をよりリアルに表現しているようにも思えた。

また、複雑の極みと言っていいのが愛実の婚約者である洋二(中島歩)。自身は何の躊躇もなく浮気をしていながら、こと自分の婚約者に対しては執拗に心配し干渉までしてしまうという、複雑性という名の“気持ち悪さ”を存分に発揮している。

改めて、“恋に気付いていない”というその様は、ラブストーリーとしては常套だ。しかし、今作には教師とホストという大枠があることで、思いがけない複雑性が生まれ、そして描かれるべき恋模様もさらに深みを増しているのだと気付く。

だからこそ、前回今回において、愛実とカヲルがすでにその恋に気付きそうである…という段階まで来ているのに、その先のラブストーリーの常套、“ハッピーエンド”が全く想像できない。やはり今作は複雑だ。だから面白い。

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