排便の間隔が空いてしまう、トイレで出しにくそうにしている、痛がっている……。子どもの便秘は意外と多いものです。どんな状態になったら便秘なのか、どのタイミングで受診をすればいいのか解説します。

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■子どもの便秘症とは?

便秘とは、「便通が滞った状態」または「便が出にくい状態」を指します。

<便秘の症状>

お通じの間隔は人によって異なります。その子にとっての排便の量や回数が減ってしまったら、それは便秘となります。

また出すときに痛みがある、いきんでも便が出ない状態も便秘です。

さらに、便秘によってお腹の痛みや不快感・膨満感があったり、不安になったり、排便のときに痛みや出血があって診察や治療が必要なものを病気として「便秘症」と呼んでいます。

<便秘の種類>

便秘症は期間から「慢性便秘症」と「一過性(急性)便秘症」に、原因から「器質性便秘症」と「機能性便秘症」に分けられます。

器質性便秘症はなんらかの病気が原因で起こるものです。対して、機能性便秘症は病気など医学的な原因が見当たらないにも関わらず起こるものです。子どもの便秘の大半は機能性便秘症にあたります。機能性便秘症が一定期間(4歳未満は1カ月、4歳以上は2カ月以上)続くと「小児慢性機能性便秘症」となります。

<子どもの便秘は意外と多い>

子どもの機能性便秘症はよくあることで、10人に1人かそれ以上といわれています。便秘になりやすい時期として、離乳食開始のころや、トイトレの時期、入園や入学でトイレの環境が変わったときがあげられます。

■どのぐらいからが便秘? 便通の見極め方

正常な排便の回数は、小学生では1日に1回~3日に2回ほど、幼児では毎日出る子もいればそうでない子も。個人差があり年齢によっても変わってくるのでお子さんの普段のペースを知っておくことが大切です。

目安として、排便の回数が週に3回より少ない、5日以上出ない日が続くといった場合に便秘とされます。毎日お通じがあっても、出すときに痛がる、出血する場合も便秘となります。硬くて小さいコロコロした便が続くときも便秘が疑われます。

■どうなったら病院に行く? 便秘での受診の目安

子どもの便秘は、放置すると悪い循環に入り、悪化することが多いです。早い段階での治療が良いとされています。子どもが便通で悩んでいるとき、腹痛や嘔吐、排便通やお尻の出血といった辛い症状があるときは、診療時間内に受診しましょう。

特に便秘が1~2カ月続くときは治療が必要といわれています。1週間以上排便がない状態をくり返す場合も早めに受診をしてください。

便秘で受診をすると、排便の回数や便の硬さなどを確認されます。排便の回数や便の様子を毎日記録して医師に伝えられるようにしておきましょう。

※詳しくは記事の最後の医師のコメントもご覧ください。

■便秘はどう治す? 便秘の治療と対策

便秘の治療はお薬で排便を助け、生活習慣を改善して正常な便通に戻していくことになります。便通に個人差があるのと同様に、「これをしたら便秘に効いた」ということも人によって異なります。それでも、便秘の対策として生活習慣を改善すれば、ほかの面でも健康的な生活になります。予防にもなるので、次のことを試してみてください。

<早寝早起きで規則正しく>

規則正しい生活は、排便のタイミングも整えることにつながります。特に朝は早起きをしてゆとりを持ってトイレに座る時間を作りましょう。

<食事の量を適切にする>

食事量が少ないと便の量が減り、そうするとおなかに便が留まっている時間が長くなり、水分が吸収されて硬くなってしまいます。小学生ぐらいになるとダイエットのために食事を我慢する子も出てきますが、食事の量が少ない場合は、食事量を増やす工夫を。特に朝ごはんをしっかり食べると腸の動きが活発になり、便意が起こってスムーズな排便につながりやすくなります。

<食事内容を見直す>

子どもの場合、食事療法が便秘に効果があるかどうか、はっきりとわかっていません。とはいえ、毎日のことなのですぐに取り組むことができます。できる範囲で試してみましょう。

例えば、お菓子や甘いジュースを好んで、食事量が減っているケース。カロリーは高いのにあまり便にならないものばかり食べていると、便の量を減らすことになります。甘いものでお腹がいっぱいになると食事の量を増やすことも難しく、栄養バランスも偏ってしまいます。間食の時間以外はなるべく食べないようにしましょう。

食事は食物繊維を意識しながらバランスよく摂ることを心がけましょう。食物繊維の量は量だけでなく、腸内環境を良くして便通をスムーズにする「水溶性食物繊維」と便の容積を増やして腸の動きを促す「不溶性食物繊維」とがあります。前者は海藻や果物、後者は芋や豆などに比較的多く含まれています。どちらか一方だけではなく、バランスよく両方を取り入れましょう。

<運動をする>

体を動かすと腸の動きも活発になるといわれています。小さい子はあまり運動不足になることはないかもしれませんが、成長するにつれて子どもも座っていることが多くなるケースも。運動不足が心配なときは、散歩のような軽いものでもいいので体を動かしてみましょう。

■便秘は放置せず、専門家に相談を

便秘は放置していると悪化することが多いもの。悪化するとほかの病気につながることもあります。一時的なものでお子さんの調子も良さそうであれば家庭で様子を見てもいいですが、続く場合や辛い場合は早めの受診を心がけましょう。

最後に子どもの便秘に関して、小児科の専門医に聞いてみました。

排便の回数や量が少ない状態を便秘と言います。排便のリズムには個人差がありますが、3~4歳ごろなら2~3日以上排便がなければ便秘と考えてよいでしょう。

子どもの便秘の原因には、運動不足や食物繊維の不足、ストレスなどが挙げられます。トイレトレーニングや、入園で生活リズムが変わるタイミングが、便秘のきっかけになるケースも散見されます。

ご家庭での対処法としては、朝食後にトイレに座る時間を確保する、三食なるべく同じ時間に食べる、睡眠をしっかり取るなど、生活リズムを整えることが基本です。よく体を動かして、こまめに水分補給をしたり、おやつを芋や果物に変えることも良いでしょう。また、お風呂上りにお腹のマッサージをすると、腸が刺激されて便秘が解消されることもあります。トイレ自体に抵抗がある場合は、お子さんの好きなキャラクターを壁に貼るなど、トイレを楽しい場所にすることも効果があるかも知れません。

ご家庭でのケアだけでは改善が難しいこともあるので、5〜7日以上排便がないときや、排便時に苦しそうだったり痛みがあったりする場合は、受診することをおすすめします。

元野 憲作(もとの けんさく)先生

一宮西病院 小児科/部長
資格:日本専門医機構認定 小児科専門医