FJネクストホールディングスは7月28日、ひとり暮らしの40代・50代「生活事情」調査の結果を発表した。調査は2025年6月13日~15日、首都圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)在住、独身・ひとり暮らしの働く40代~50代男女400人を対象にインターネットで行われた。

  • 調査対象

調査対象の40代・50代は、いわゆる"就職氷河期世代"または"ロスジェネ(ロストジェネレーション)世代"と呼ばれている。

自宅で夕食「毎日」が約6割

  • 自宅で夕食をとるのは1週間のうち、平均して何日程度ですか?

自宅で夕食をとるのは、1週間のうち平均して何日程度か質問した。全体では、「毎日」が過半数(58.5%)でトップとなった。次いで「5日」(11.3%)、「6日」(9.3%)と続いている。上位の"週5日以上"(「毎日」「6日」「5日」合計)の割合をみてみると、その合計値は実に約8割(79.1%)を占めている。

一方、「自宅では食べない」は僅か6.5%だった。夕食は"外食"で済ますというイメージがあるひとり暮らしだが、在宅勤務の定着もあってか自宅で夕食を済ませる"おうちごはん派"が多い結果となった。

また、2017年に実施した調査では、「毎日」は31.0%(20代・30代、N=300)で、今回の58.5%と大きな差がみられた。コロナ禍の前と後という調査時期の差異はあるが、年代が高くなるにつれて、質・量共に自分でコントロールできる"おうちごはん"志向が高くなる傾向にあるようだ。

「自炊」派が6割超

  • 自宅で夕食をとる際、「自炊」と「調理済みのものを買う」(デリバリー含む)とでは、どちらの方が多いですか?

前問で"自宅で食べる"と回答した人(374人)に、「自炊」と「調理済みのものを買う」(デリバリー含む)とでは、どちらの方が多いか聞いたところ、全体では「自炊」派(60.4%)が「調理済みのものを買う」派(39.6%)を大きく上回った。おひとり様市場やデリバリーサービスなどが普及する昨今だが、節約および健康志向の高さが表れた結果と考えらる。男女別では、女性は「自炊」派が約3人に2人(67.0%)と高く、男性も過半数(53.6%)と「自炊」派が健闘している。なお、前出の2017年実施の調査での20代・30代のデータとは、大差はなかった。

病気・ケガの備えとして常備しているもの

  • 病気・ケガの備えとして、ご自宅で常備しているものは何ですか?

病気・ケガの備えとして自宅に常備しているものを尋ねたところ、トップ3は「マスク」(74.3%)、「体温計」(69.5%)、「絆創膏」(69.0%)となった。4位の「薬」(66.0%)も割合は高く、上位4品目が単身生活者の"定番"と言えそうだ。また、上位2つは、コロナ禍を経て定番化した品目とも考えられる。

男女別では、女性は8割超(81.0%)の「絆創膏」を筆頭に、上位4品目が7割を超えるなど全ての品目で男性より常備率が高いことから、女性の方が備えは万全であることが伺える。

健康維持のために実践していること

  • 健康維持のために、どんなことを日頃実践していますか?該当するものをすべてお選びください。(複数回答)

健康維持のために日頃実践していることを聞いたところ、「手洗い・うがい」が約3人に2人(66.3%)でトップとなった。コロナ禍を経て習慣化したことが背景として考えられる。次いで、過半数(50.8%)の「十分な睡眠を取る」、少し差が開いて「栄養のある食事」(39.8%)が上位にランクインした。

一方、「特に対策はしていない」は14.8%と少数派だった。男女別では、女性は7割超(73.5%)の「手洗い・うがい」を筆頭に上位4項目が4割を超えるなど、男性よりも実践率が高いことから、女性の健康維持に対する意識の高さが伺える。また、男性では「適度な運動をする」(37.0%)が3位だった。

ひと月のお小遣い

  • 公共料金、家賃など必要経費を除いた、ひと月のあなたのお小遣い(自由に使えるお金)は、おおよそいくらですか?近い金額をお選びください

全体で回答数が多かったのは「3万円」(30.3%)で、次いで「5万円」(20.5%)だった。3~5万円のボリュームゾーンが、ひと月のお小遣いの相場と言えそうだ。男女別では、"3万円以下"は男性55.0%に対して女性68.5%と差がみられ、女性の方が"倹約派"であると言えそうだ。

また、全体の平均金額は43,003円だった。2024年に20代・30代を対象に実施した調査(※4)での平均金額は49,987円であることから、若い世代よりも僅かながら"低予算"だった。

現在の貯金額

  • 現在の貯金額(銀行貯金・郵便貯金)はいくらですか?近い金額をお選びください

現在の貯金額(銀行貯金・郵便貯金)は、「2,000万円以上」が14.5%でトップに。"老後資金2,000万円問題"が話題となったが、すでにクリアしている人が約7人に1人いるようだ。次いで「1,000万円」(7.5%)、「500万円」(7.0%)の順だった。"1,000万円以上"は、2024年に20代・30代を対象に実施した調査では12.5%だったが、今回の40代・50代では倍以上の25.3%(約4人に1人)に達した。年齢すなわち蓄えられる期間が長いことに加えて、老後の蓄えが優先された結果と捉えられる。

一方、「貯金はしていない」人も約3人に1人(33.5%)おり、格差が垣間見られた。

また、貯金をしている人(266人)の平均金額は7,599,248円だった。前出の2024年の20代・30代を対象の調査での平均金額は4,119,322円であることから、40代・50代は年齢と共に着実に貯金を積み重ねていることが伺える。

「投資はしていない」が約6割

  • 投資はしていますか?

  • 投資の種類を教えてください。該当するものすべてお答えください。(複数回答)

投資ブームと言われる昨今だが、「投資をしていない」が全体の約6割(60.8%/243人)を占めた。損失の可能性がある投資よりも、着実な貯金を優先した結果なのかもしれない。

男女別では、「投資をしていない」は男性56.5%に対し女性65.0%であることから、男性の方が投資にやや積極的のようだ。

また、投資をしている人(157人)に種類を聞いたところ、トップは「投資信託」(66.2%)、次いで「株式」(57.3%)だった。男女別では、「投資信託」は女性(72.9%)の方が男性(60.9%)よりも、「株式」は男性(64.4%)の方が女性(48.6%)よりも、人気が高いという逆転現象が起きている。

なお、2024年に20代・30代を対象に実施した調査との比較では、全体の投資行動について大きな差は見られなかった。

投資の目的は「老後の備え」が6割超

  • 投資する理由は何ですか?3つ以内でお答えください。(複数回答)

投資をしている人(157人)に目的を聞いたところ、「老後の備えを確保したいから」が6割超(61.8%)でトップとなった。老後資金2,000万円問題、年金制度改革など暮らしの先行きに不透明感が増す中、将来に対する不安解消が当面の目的のようだ。次いで、「いざという時に備えたいから」(43.9%)、「単純に資産を増やしたいから」(42.7%)と上位3項目に回答が集中した。

男女別では、女性は「老後の備えを確保したいから」が7割超(72.9%)、「いざという時に備えたいから」が過半数(52.9%)で、女性の方が将来への備えを切実に考えていることが伺える。

また、前出の2024年に20代・30代を対象に実施した調査との比較では、やはり40代・50代の方が"老後の備え"は約10ポイント高いという結果になった。

セキュリティと家賃、どちらを重視?

  • 賃貸物件にお住まいの方に伺います。部屋仕様や立地条件が同等の場合、あなたはセキュリティと家賃のどちらを重視しますか?

賃貸に住んでいる人(229人)に、重視するのは家賃かセキュリティかを聞いたところ、全体では「どちらかと言えば家賃重視」(38.8%)が最も多く、次いで「家賃重視」(30.1%)だった。この2つを合わせた"家賃重視派"は約7割(68.9%)で、"セキュリティ重視派"(31.1%)を大きく上回った。近年の物価高に加え首都圏で家賃の高騰が続いていることが、この結果に至る背景として考えられる。

男女別では、女性は「どちらかと言えば家賃重視」が4割超(40.1%)であるものの、"家賃重視派"は63.9%と男性の73.7%よりも低いことから、男性よりもセキュリティ意識は比較的高いと言える。

2023年に20代・30代を対象に実施した調査との比較では、収入の面から家賃を重視すると思われる若い世代の方が、意外にも僅かながらセキュリティ重視の傾向にあるという結果となった。

部屋のセキュリティ設備で欠かせないもの

  • 部屋のセキュリティ設備で、これだけは欠かせないと考えるものは何ですか?(複数回答)

ひとり暮らしの部屋に欠かせないセキュリティ設備のトップ3は、「モニター付インターフォン」(47.0%)、「ドアチェーン」(43.8%)、「オートロック」(35.8%)だった。4位は「ドアスコープ」(25.3%)で、"訪問者の顔"を確認できる設備が上位にランクインしている。男女別では、女性の「モニター付インターフォン」の割合の高さが目立った。

また、前出の2023年に20代・30代を対象に実施した調査との比較では、「オートロック」は若い世代が45.5%に対して、40代・50代は35.8%と約10ポイント低く、「ドアチェーン」は若い世代が31.5%に対して、40代・50代は43.8%と10ポイント以上高くなっているのが特徴的だった。