総合海洋政策本部、国土交通省、日本財団は、海洋についての国民、特に、次世代を担う青少年の理解と関心を一層深めるため、2025年7月21日に、「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う日」である「海の日」を記念する「海の日記念行事2025」を、東京国際クルーズターミナル(東京都江東区青海)にて開催した。
「海の日記念行事2025」開会式に秋篠宮両殿下がご臨席
「海の日記念行事2025」のオープニングセレモニーとなる開会式には、秋篠宮皇嗣殿下と妃殿下がご臨席。秋篠宮皇嗣殿下は、「海の日」が国民の祝日となって30回目の節目を迎える中、海水温の上昇や海洋資源の枯渇など、海を取り巻く様々な問題を取り上げ、「このような諸問題の解決に真剣に取り組み、豊かな海の環境を保全していかなければなりません」とお話しされ、そのためには、「国民ひとりひとりが海への関心、理解を持ち続け、次の世代を担う人たちに、豊かな海を引き継いでいく取り組みが大切」とのお考えを示された。
開会式では、坂井学 海洋政策担当大臣が、「ご来場の皆さんとともに、海の日を大いに楽しむことはもちろん、海の恩恵にあらためて思いを致し、海洋大国日本の繁栄を願いたい」と開会を宣言。
総合海洋政策本部長である石破茂 内閣総理大臣は、ビデオメッセージにて、「四方を海に囲まれ、世界第6位の広大な管轄海域を有する我が国にとりまして、『海』をいかしていくこと、そして『海』を継承していくことは非常に重要な課題」と言及。そして、今から350年前の1675年に嶋谷市左衛門が他の国に先んじて、小笠原諸島の父島・母島の探検調査を行ったことが、その後の領有に繋がっているといった例を挙げ、「我が国の領土、領海、排他的経済水域は、我が国の先人たちのたゆまない努力によって獲得され、あるいは守られてきたもの」との考えから、「私達は先人たちの努力に思いを致しながら我が国の豊かな海を守り、そして次の世代へと引き継いでいかなくてはならない」と力を込める。
しかし、そのためには、国民が海の大切さを理解するとともに、海の魅力を知ることが重要となるが、「最近、国民の皆様方が海に親しむ機会が減ってきております」と、海との接触機会の減少を危惧。そして「海の日」が、海に親しむための良い機会になることに期待を寄せる。そして最後に、海の恵みに感謝しつつ、海洋政策を着実に進めていくことを約束した。
「四方を海に囲まれた我が国は海と共存し、海とともに発展をしてまいりました」と話す、中野洋昌 国土交通大臣は、日本における海事産業が、関連作業と有機的かつ密接に結びつくことで、「世界でも稀有な海事クラスターを形成している」と言及し、「我が国社会経済活動や国民生活、さらには地方創生の流れからも外せないものになっている」との考えを示す。
その一方で、世界的な競争の激化や地政学的なリスクの増大など、海事クラスターを取り巻く状況が厳しくなっている現状から、「海洋国家日本を後世につないでいくためにも官民が一体となって、海事クラスターの強靭化に取り組んでいく」ことの必要性を説き、さらに、国土交通省として、次世代を担う小中学生に向けた取り組みを進めていることについても明らかにした。
主催者に名を連ねる日本財団の尾形武寿会長は、エネルギー資源などが諸外国からの輸入に依存する現状を見据え、「海は我が国の生命線」であるとし、温暖化の元凶と言われる炭酸ガスやカーボン、海を汚す海ごみの削減など、海を守るための施策を実行するのと同時に、諸外国との交流に不可欠な船が安全かつ正しく航海するためには、優秀な船員の養成が重要との考えを明かした。実際に、最新の練習船の新造や船員の養成にも努めていくという。
また、「海の日」が本来の7月20日ではなく、三連休を作ることで国民がレジャーを楽しむ機会を増やすことを目的として、7月の第3月曜日となっていることに触れ、「海の日」は7月20日に固定し、ハッピーマンデーやハッピーフライデーなどを併用することで、三連休以上の連休を作り出せることを示し、7月20日は小・中学校における夏休みの初日になることもあわせて、海の日の固定化を訴えた。
主催者挨拶に続いては、日本船主協会会長で、日本郵船 取締役会長の長澤仁志氏、日本船主協会副会長で商船三井 代表取締役社長の橋本剛氏、同じく副会長の川崎汽船 取締役会長の明珍幸一氏、そして日本船主協会理事長の篠原康弘氏が登壇し、協賛団体発表を行った。
日本の海運業の未来を確かなものにするためには、「優秀な船員の育成が欠かせない」と話す長澤会長は、船員の育成において際まえて重要な役割を担っている海技教育機構の現場において、練習船の老朽化など様々な課題が生じており、「十分な実習機会の確保が困難な状況となっている」との警鐘を鳴らす。
そこで、日本郵船、商船三井、川崎汽船と日本船主協会は、三社を中心に業界の力を結集し、海技教育機構に対して大型練習船の寄贈を行う方向で具体的な検討を開始。2030年の竣工を目指して、協議を進めていることを明らかにした。
開会式に続いては、海洋少年団による手旗信号の披露や「第18回海洋立国推進功労者 表彰式」などを実施。そのほかステージでは、海上保安庁音楽隊や海上自衛隊東京音楽隊による演奏やトークイベントなどが実施された。
珍しい船の一般公開や関連企業・団体によるブース出展
「海の日記念行事2025」では、珍しい船の一般公開として、商船三井の「自動車船」と海技教育機構の練習船「大成丸」の展示が実施された。
また、関連企業・団体によるブース出展も行われ、海に関わる様々な展示で、来場者の興味を引いていた。
日本郵船ブースでは、2050年に向けたコンセプトシップなど様々な船の模型が展示されていたほか、VR操船体験や機関士体験コーナー、さらには、うんこドリルコラボゲーム体験コーナーなど、さまざまなコンテンツが展開されていた。
海上保安庁ブースでは、パネル展示のほか、機動防除隊活動体験やミニ制服試着体験などが実施された。
商船三井ブースでは、描いた絵がそのまま海の中に映し出されるインタラクティブお絵かきや操船シミュレーター体験などが展開された。
日本内航海組合総連合会ブースでは、内航海運・船員の仕事紹介のほか、実際に練習船に乗って航海する様子をVRで体験できるコーナーが用意されていた。



















