ツムラは7月9日、「生理に関する意識と実態調査」の結果を発表した。調査は5月30日~5月31日、全国の生理を経験したことのある20代~60代の女性1,500人、同年代の男性1,500人を対象にインターネットで行われた。
生理を経験した人の約7割が"隠れ我慢"
20代~60代の生理を経験したことのある1,500人と、同じ年代の男性1,500人を対象に、生理やPMS(月経前症候群)に関する調査を行った。
まず、生理を経験したことのある1,500人に、生理・PMSに伴うつらさを感じたとき、我慢していつも通りに仕事や家事をしたり学校に行くことがあるかと聞くと、68.5%が我慢した経験が「ある」(「頻繁にある」「時々ある」の合計値)と答えた。同社では、心身の不調を我慢していつも通りに仕事や家事を行うことを"隠れ我慢"と定義しているが、今回の調査では生理を経験したことのある人の約7割が隠れ我慢を経験していることが分かった。隠れ我慢を経験した1,028人に我慢することによる影響はあるかと聞くと、「趣味や外出などへの意欲低下」(34.9%)、「精神症状の慢性化・重症化」(31.4%)、「パフォーマンスの低下などによる周囲からの評価低下や信頼低下」(30.9%)が上位に挙げられた。
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生理・PMSに伴うつらさを我慢して 普段通りにふるまう"隠れ我慢"の経験
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生理・PMSに伴うつらさを我慢することによる影響
生理・PMSに伴うつらさは「日常生活に影響あり」
生理・PMSに伴うつらさが日常生活に影響を及ぼす度合いを聞くと、32.7%が「多少のつらさは感じるが、通常通り生活を送れる」、19.4%が「通常通りとはいかないが、通勤・通学、家事はできる」、5.8%は「立っているのもつらく、起き上がれず寝込んでしまう」と答え、生理を経験したことのある人の57.9%は何らかの影響が「ある」と答えている。
影響があると答えた869人に生理前~生理終わりの期間のうちで影響を受ける日数を聞くと、「3~4日程度」が24.0%と多く、「5~6日程度」14.6%、「1週間以上」13.5%と合わせて、半数以上の52.1%が「3日〜1週間以上」も影響を受けており、約2割は「周期によってバラつきがある」(22.1%)と答えた。生理・PMSに伴うつらさやその期間は、人それぞれに違うようだ。
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生理・PMSに伴うつらさの日常生活への影響
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生理・PMSに伴うつらさが影響する期間
生理・PMSでつらい時のパフォーマンスへの影響
生理・PMSに伴うつらさが日常生活に影響すると答えた869人に、生理・PMSの症状に伴うつらさがあるときのパフォーマンスは普段と比べどの程度下がるのかを聞いた。
普段の状態を100%とした場合、生理・PMSに伴うつらさがあるときは平均で51.8%となり、ほぼ半減している。
生理・PMSに伴うつらさの度合い別に見ると、「立っているのもつらく、起き上がれず寝込んでしまう」人ではパフォーマンスが28.7%と、普段と比べ約7割も減少しており、症状により日常生活のパフォーマンスに大きく影響している状態が明らかとなった。
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生理・PMSでつらい時のパフォーマンスへの影響(%)
生理・PMSに伴うつらさは人によって違うことを知ってもらいたいか
生理・PMSに伴うつらさが日常生活に影響すると答えた869人に、生理・PMSに伴うつらさが人によって違うことを知ってもらいたいかと聞くと、91.9%が「知ってもらいたい」(「そう思う」「ややそう思う」の合計値)と答えた。
知ってもらいたいと答えた799人に、生理・PMSに伴うつらさが人によって違うということが知られていないことで困った経験はあるかを聞くと、61.8%が困った経験が「ある」と答え、「周囲に相談しにくかった」(36.4%)、「職場や学校などで適切な制度や環境が整っていなかった」(23.2%)、「誤解や偏見をもたれた」(15.3%)が上位に挙げられた。
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生理・PMSに伴うつらさが人によって違うことを知ってもらいたいか
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生理・PMSに伴うつらさが人によって違うことが知られていないことで困った経験
生理・PMSに伴うつらさが日常生活に影響すると答えた869人に、生理・PMSのつらさが人によって違うことを知ってもらうことは、助けになると思うかと聞くと、92.1%が「助けになると思う」(「そう思う」「ややそう思う」の合計)と答えた。
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生理・PMSに伴うつらさが人によって違うことを知ってもらうことは助けになるか
普段感じる生理・PMSの症状
生理を経験したことのある1,500人に、腹痛や頭痛など生理・PMSの症状を複数提示し、普段つらいと感じる生理・PMSの症状を聞いた。すると、「イライラ感」(41.3%)、「腹痛」(39.3%)、「眠気」(28.5%)、「腰痛」(28.4%)、「情緒不安定」(27.2%)が上位に挙げられた。
また、周りに理解されにくいと感じる生理・PMSの症状があるかと聞くと、56.8%が「ある」と答えている。周りから理解されにくいと感じる生理・PMSの症状として、「イライラ感」(25.1%)、「情緒不安定」(17.9%)、「眠気」(13.7%)、「疲れ・だるさ」(12.9%)、「腹痛」(12.1%)が上位に挙げられた。
生理・PMSの症状として「眠気」を感じる人は多いものの、周りからは理解されにくい症状と感じているようだ。
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普段感じる生理・PMSの症状TOP10
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周りから理解されにくいと感じる生理・PMSの症状の有無
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周りから理解されにくいと感じる生理・PMSの症状TOP10
生理・PMSとして知られている症状TOP10
生理・PMSとしてどのような症状が知られているのか、先に提示した生理・PMSの症状を男性(1,500人)にも提示し、答えてもらった。すると、男女全体(3,000人)では「イライラ感」(50.1%)、「腹痛」(41.6%)、「情緒不安定」(37.7%)、「疲れ・だるさ」(33.4%)、「腰痛」(30.9%)が上位となった。
性別で比較すると、女性は38.0%が「胸の張り」を上げているが、男性は10.1%と27.9ポイント差、「眠気」は女性44.9%に対し、男性11.7%と33.2ポイント差と認識が生じている。
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生理・PMSとして知っている症状TOP10
生理・PMSの症状認識している種類の数は性別で差あり
生理・PMSの症状として認識している種類を性別で比較すると、提示した症状のうち男性が認識しているのは平均3.5種類だが、女性は平均7.3種類と倍以上も多くなっている。生理・PMSの症状への理解は、性別により差があるようだ。
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提示した症状のうち生理・PMSとして知っている症状の種類
生理・PMSに伴うつらさのコミュニケーションへの影響
生理を経験したことのある1,500人に、生理・PMSに伴うつらさが原因でコミュニケーションに悪影響を及ぼした経験を聞いた。
生理・PMSに伴うつらさが日常生活に支障がまったくないと答えた631人では周囲への悪影響を感じた人は22.3%だが、生理・PMSに伴うつらさが日常生活に影響すると答えた869人では、コミュニケーションに悪影響を及ぼしたと感じた人は61.4%と約3倍を示している。
悪影響を及ぼしたと答えた675人にその相手を聞くと、「配偶者・パートナー」(61.0%)が最も多く、次いで「母親」(26.1%)となり、「職場の上司や先輩」(17.6%)、「職場の同僚」(16.9%)など職場にも影響が及んでいる。
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生理・PMSに伴うつらさによる周囲への悪影響
生理・PMSに伴うつらさの周辺の人への伝えにくさ
生理・PMSに伴うつらさが日常生活に影響すると答えた869人に症状について周囲の人への伝えにくさを聞くと、72.0%が「伝えにくいと感じた」(「頻繁にある」「時々ある」の合計値)と答えた。
伝えにくいと答えた626人にその理由を聞くと、「自分の症状やつらさを分かってもらえないと思うから」(51.8%)、「気を遣わせたくないから」(43.0%)、「自分の症状やつらさを表現・説明しにくいから」(42.8%)という理由に次いで、約3割が「我慢すべきだと思っているから」(31.6%)と答えている。
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生理・PMSに伴うつらさの周囲の人への伝えにくさ
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生理・PMSに伴うつらさについて周囲の人に伝えにくい理由
生理・PMSでつらそうな人に対する周囲の思い
生理・PMSに伴うつらさが日常生活に影響する人の約7割が生理・PMSに伴うつらさについて周囲に伝えにくいと感じているが、周囲の人は生理・PMSでつらそうな人に対し、どのように感じているのか調査した。
生理・PMSで困ったりつらそうな人に対し、全体の89.0%が「無理に我慢する必要はないと思う」と寄り添っているが、男性の82.2%、女性も70.5%は「サポートしたいが対応の仕方が分からない」と答えている。生理・PMSに伴うつらさは人により異なることから、同じ女性でも周囲にいるつらそうな人への対応の仕方が分からない人が多いようだ。また、全体の76.4%が「そのつらさを理解したい」と思っているものの、78.6%が「経験したことのないつらさを想像するのは難しい」と感じている。
男女ともつらそうな人をサポートしてあげたいという気持ちはあっても、どう行動すべきかが分からない人が多いようだ。
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生理・PMSでつらそうな人に対する周囲の思い
周りからのひと言で我慢せずに済んだ経験
生理・PMSに伴うつらさが日常生活に影響すると答えた869人に、生理・PMSでつらいとき、周囲の人の言葉のおかげで我慢せずに済んだ経験を聞くと、63.8%が「我慢せずに済んだ言葉がある」と答えている。具体的な声掛けとしては、「無理しなくていいよ」「休んで大丈夫だよ」など体調に配慮してくれた言葉(45.3%)が多く、次いで「代わるよ」「できることある?」など実際に力になってくれようとした言葉(23.0%)、「私もそういうときあるし、休むと楽になったよ」といった自分の経験を共有して思いやってくれた言葉(20.1%)の順となった。
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生理・PMSでつらいとき、周りからのひと言で我慢せずに済んだ経験
生理・PMSに伴うつらさを我慢しない・させないために必要なこと
全員に生理・PMSに伴うつらさを我慢しない・させないために、どんな社会にしていく必要があると思うか、自由に答えてもらった。「症状に関する知識を幅広い世代の人々に認知させる」(男性25歳・北海道)といった生理・PMSの認知促進、「生理の話をタブーにしない」(女性47歳・福岡県)などオープンな環境づくり、「学校でPMSの症状についても詳しく教育」(女性28歳・埼玉県)などの教育・啓発施策まで、さまざまな意見が寄せられた。
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生理・PMSに伴うつらさを我慢しない・させない社会になるために必要なこと