千は2025年7月5日 、「熱中症対策に関する意識調査」の結果を発表した。同調査は2025年5月19日~6月7日、全国の幼稚園・保育園352施設と、全国の保育園や幼稚園に通う子どもを持つ保護者891名を対象にインターネットで実施した。
幼稚園・保育園などの保育施設に、実施している熱中症対策を尋ねたところ「こまめな水分補給(99.4%)」や「エアコンや扇風機などの空調の活用や調整」(97.7%)といった基本的な対策に加え、約半数の保育施設が「熱中症に対する対応ルール・マニュアルの作成」(56.0%)、「緊急時の対応・医療機関との連携」(48.0%)、「熱中症に関する研修の実施」(46.9%)などを積極的に実施していることが分かった。これは日々の運用だけでなく、緊急時への備えや職員の知識向上といった組織的な管理体制を整えることで、酷暑に万全を期していることを示している。
こうした保育施設の対策について保護者の67.9%が「安心している」と回答しており、酷暑に備えた対策が一定の評価を得られていることが明らかになった。
また、昨年の夏の保育中に施設として困ったことを聞いてみた。83.2%の保育施設が実施している「熱中症警戒アラートに応じた活動変更」により、88.6%の保育施設が「戸外活動の中止・制限」に困ったと回答した。
子どもの健全な発達に不可欠な戸外活動を、猛暑により制限せざるを得ないというジレンマを現場が抱えていることが浮き彫りになった。
昨年の夏にお子さまが熱中症を発症したと回答した保護者は、全体の6.1%に上った。発症時の状況で最も多かったものは「屋外で遊んでいるとき」(53.7%)、次いで「屋外でスポーツ・運動をしているとき」(24.1%)となり、屋外で過ごす時間にリスクがあることが分かる。
保護者へ子どもの熱中症を心配する状況を聞いたところ、屋外での活動中はもちろん「園・学校での活動中」(48.7%)、「プールや海など水遊びしているとき」(48.3%)、「寝ているとき 」(43.2%)も4割以上の回答となり、あらゆる状況でリスク意識があることが明らかになった。
保護者へ家庭での熱中症対策を聞いたところ「こまめな水分補給」(96.4%)、次いで「適切な服装」(83.3%)、「室温・湿度管理」(82.2%)と日中の環境要因への対策意識が高いことが分かった。一方で、熱中症に負けない体づくりに繋がる「十分な睡眠」(51.4%)や「バランスの取れた食事」(29.3%)といった日常的な生活習慣による予防策については、実施割合が低い傾向が見られる。特に、食事を意識している保護者は約3割にとどまっており、日々の体調管理における潜在的な課題がうかがえる。
一方で、子どもの熱中症対策について保護者に不安や困りごとを聞いたところ「子どもが自分で体調の変化を伝えられるか不安」(71.3%)が最も多く、次いで「熱中症の初期症状に気づけるか不安」(58.8%)が続いた。この結果から、保護者は子どもの体調変化に気づく難しさや、子ども自身が不調を伝えられるかどうかに不安を感じており、異変を見逃してしまうことへの懸念が浮き彫りとなった。
保育施設や家庭での熱中症対策は着実に進んでいるものの、猛暑による戸外活動制限や子どもの体調変化を伝える難しさなどの課題が残っている。今後は子どもの安全と健やかな成長を両立させるため、保育現場の工夫や支援体制の充実とともに、保護者の不安を軽減するための情報提供やサポートの強化が求められる。






