映画『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』(公開中)で、お宝を狙うルパンたちの前に立ちはだかる最強の敵・ムオムの声を演じた歌舞伎俳優の片岡愛之助にインタビュー。本作では、愛之助が大ファンだと公言しているB'z(松本孝弘、稲葉浩志)が主題歌を担当しており、初めてB'zと作品を共にした喜びやB'zへの思いを聞いた。

  • 片岡愛之助

    片岡愛之助　撮影:蔦野裕

本作は、アニメ『ルパン三世』の約30年ぶりとなる2D劇場版アニメーション完全新作。地図に載っていない謎の島に乗り込んだルパンたちが、銃も刀も通じない“不死身の血族”を相手に、過去と誇り、そして盗人としての矜持を賭けた知略の戦いに挑む。

2023年12月に初演され、今年9月にも上演される歌舞伎『流白浪燦星』で主人公・流白浪燦星(ルパン三世)役を演じている愛之助が、『ルパン三世』の声優に初挑戦。“世界の墓場”のような謎の島でおそろしい計画を推し進めている得体の知れない不死身の男・ムオムを演じた。

主題歌には“ルパン三世の新たな物語”のために書き下ろされたB'zの「The IIIRD Eye」が決定。B'zの長年のファンである愛之助は、初めて作品を共にできたことに「うれしいです。びっくりしました」と感激し、「今回の歌も素晴らしい。めちゃくちゃかっこよくて鳥肌が立ちました。作品とも合っていて、これはすごいなと興奮しています」と絶賛する。

声優を務めることが決まってからB'zの2人にLINEで報告したという。

「ムオムのビジュアルを送ったら『インパクト強いね』とおっしゃっていました。『ご一緒できてうれしいです』と伝えたら、『ご一緒できて光栄です』と言ってくださって、『光栄なのはこっちですよ!』と(笑)」

  • 片岡愛之助が声を演じたムオム

愛之助がB'zを聴き始めたのは20歳を過ぎた頃。友人がカラオケで歌っているのを聴いたことがきっかけで、「僕は歌舞伎しか興味がなくて、あまり音楽を聴いてなかったのですが、『BAD COMMUNICATION』を歌っているのを聴いて、すごいなと。イントロも長いし、曲全体も長くて、面白い歌だなと刺激を受けて、それからいろいろ調べて聴くようになりました」と振り返る。

そして、「20歳過ぎぐらいからずっと聴いているので、僕はB'zで出来上がっています(笑)。音楽もいいし、歌詞が響きますし、ずっと聴いています」と述べ、「元気になりますし、日々パワーをもらっています」とB'z愛あふれる愛之助。

特に心に響いている楽曲を尋ねると「いっぱいありすぎてどれを挙げたらいいかわからない」と悩みつつ、「RUN」を挙げ、同楽曲から得た人生哲学を語った。

「『よくまあここまで俺たちきたもんだなと』『血よりも濃いものを作ることがあるね』という歌詞で、血のつながりは大事だけれど、それ以上のものもあるのだと。師匠と弟子、グループ、仲間など、同じ景色を見て同じ時を過ごすと、血よりも濃いものができることもあり、人生ってそういうものなんだろうなと思いながらここまで来ました」