――今回の撮影で印象深いシーンを挙げるとどこでしょうか?
2人:全部が印象深いんですよね…。
宇佐:本当に全部のシーンが色濃く残っているんです。完成映像を見たときに、「あの時のシーンだ」と全部鮮明に思い出せるくらい、熱量の高い現場でした。早川くん目線で言うと、教室での居づらさとか、息詰まる空気からの屋上シーンの開放感は印象深いです。宇佐卓真としても屋上に出る扉を開けた瞬間、体の中から邪念が出るような感覚がありました。
――あの屋上は目の前に海が広がっていて、ものすごくいいロケーションですよね。
宇佐:神奈川県にある学校で撮ったのですが、すごかったよね。目に入ってくる景色が全部水平線なんですよ!
――最初CGなのかと思ったくらいです。
平野:監督やスタッフさんが、屋上だけはどうしてもあそこで撮りたいと頑張ってくださって。
――それくらいこだわったロケーションなんですね。天気はどうでしたか?
宇佐:海辺なので、風はすごかったです(笑)。でも、ほとんど晴れでしたね。誰か晴れ男がいたんだと思います。
平野:僕、ちょっと晴れ男気味です(笑)。1日だけ雪が降ったんですけどね。
――ご自身にとって、今作における屋上のような自分を開放できる居場所はありますか?
宇佐:自分の家ですね。猫が2匹いるのですが、自分だけのスペースという感じで、心の中に踏み込んでほしくないという気持ちになって、絶対に友達も入れたくないんです(笑)。見た目も自分の好きなように飾っているので、何も崩されたくないという気持ちがあって。
――猫ちゃんに崩されてしまうことはないのですか?
宇佐:それは全然大丈夫です。猫はかわいいので(笑)
平野:僕は実家ですね。ワンちゃんを飼っていて、張り詰めなくていい力の抜ける場所です。近いので、しょっちゅう帰ります。
キャストとスタッフのピースがそろった現場
――先ほど熱量の高い現場だったというお話がありましたが、なぜそんなチームになれたのでしょうか?
平野:純粋に原作と脚本が面白いというのが、まず一つあると思います。
宇佐:僕は早川くんを演じるにあたって、同じように恋愛や、将来のことに悩んでいる人が見たときに、がっかりさせたくないという責任みたいなものもあったし…。
平野:やっぱりそうだよね。
宇佐:それが自分たちだけじゃなくて。スタッフさんを含めみんなが同じ方向を向いていたので、「これはいい作品になる」と撮影している時から思っていました。
平野:皆さんがそれぞれ、演じる僕たちも、スタッフの皆さんもパズルのピースになってそろったという感じがありましたね。