6月20日公開の映画『ルノワール』のジャパンプレミア舞台あいさつが3日、都内で行われ、鈴木唯、石田ひかり、リリー・フランキー、中島歩、河合優実、坂東龍汰、早川千絵監督が登場した。

映画『ルノワール』のジャパンプレミア舞台あいさつに登場した鈴木唯

第78回カンヌ国際映画祭コンペティション部門への出品を果たし、6月20日より全国での公開が決定した映画『ルノワール』。メガフォンを取った早川千絵監督は、前作『PLAN 75』で第75回カンヌ国際映画祭カメラドール特別賞を受賞、アカデミー賞日本代表にも選出されるなど、国際的に高い評価を得ている。そんな早川監督の最新作となる本作は、80年代後半の夏が舞台。病気の父と仕事に励む母と暮らす11歳の少女・フキの日常を描く。主人公のフキ役は、瑞々しい演技に注目が集まる新人の鈴木唯。フキの母親役には石田ひかり、父親役にはリリー・フランキーが配役され、さらに中島歩、河合優実、坂東龍汰といった実力派俳優たちも出演する。

主人公の少女・フキをオーディションで射止めた鈴木。先月フランス・カンヌで開催されたカンヌ国際映画祭に訪れた彼女は、海外の有力紙から「鈴木唯の演技が眩くて美しい」と絶賛された。「感無量ですね。人生で初めてのレッドカーペットはとてもうれしくて、そしてまた緊張しましたけど、とても楽しくて経験したことのないようなことを経験できて嬉しかったです。感無量でワクワクドキドキが止まらなくて、多分一生の思い出になると思います」とカンヌでの出来事を振り返った。

左から、早川千絵監督、河合優実、リリー・フランキー、鈴木唯、石田ひかり、中島歩、坂東龍汰

リリー・フランキーがアドバイス

カンヌ国際映画祭では「注目すべき10人の才能」のひとりにも選ばれ、「何かよく分からないけどすごいなーと思います」と素直な感想を。そんな彼女について父親役のリリーは「『ルノワール』の中の唯さんを観たら注目されますよ」と絶賛し、「老婆心ながら注目されるとなかなか大変な訳よ。おじさんもカンヌで3回歩いているんですが、1回も注目されていない。何ならカンヌに俺が出ているのかどうかも気づいていない」と自虐的に語って笑いを誘う場面も。続けて「慎ましく悪目立ちしないようにすることが大切ですから。あんまり注目されてグレたりしないでね」と注文をつけると、鈴木は「グレたりはしないです(笑)」とリリーに約束した。

また、カンヌで鈴木は映画祭の審査員長を務めたジュリエット・ビノシュのもとへ自ら赴き、「演技はどうやっているんですか?」と質問したという。「そんなにすごい女優さんだとは(笑)」と当初は大女優だと知らなかったそうで、「演技はただそこにいるだけが大事と言われました。五感以外にも第六感や第七感を作れたら良いねとも。それ以外にも演技の練習をしすぎるのも良くないと教えていただきました」とジュリエット・ビノシュから金言を授かったことを告白。そんな鈴木の行動に感化されたリリーも鈴木と一緒にジュリエット・ビノシュに近づき、「お陰で握手させてもらいましたよ」と鈴木に感謝していた。映画『ルノワール』は、6月20日より全国公開。