
三菱自動車は、「アウトランダーPHEV」の使用済みバッテリーを再利用した自律型街路灯をMIRAI-LABO(東京都八王子市)と開発し、販売を開始した。
【画像】初号機は岡崎市が購入した三菱自動車とMIRAI-LABOが開発した自律型街路灯
この製品は、EVやPHEVのバッテリーに使用されるレアメタルの国外流出防止や、バッテリー再利用による環境負荷の低減を目的とし、リチウムイオンバッテリーの循環型社会実現に挑戦するべく開発したもの。2023年4月に実証実験を始めてから約2年を経て、ついに実用化されたのだ。
初号機は、環境省より脱炭素先行地域づくり事業に選定されている岡崎市(2022年11月〜)が購入し、岡崎市社会福祉協議会サービスセンターに設置した。岡崎市は設置した自律型街路灯を照明としてだけでなく、災害時の電源供給源としても活用する予定だ。
自律型街路灯は「アウトランダーPHEV」の駆動用バッテリーを再利用することにより、新たなバッテリーを製造する際に発生するCO2の排出がない。さらに外部の電源を必要とせず、日中に太陽光パネルで発電した電力のみを使って点灯するため、使用時にもCO2排出がないうえ、設置場所を柔軟に選ぶことができる。
太陽光パネルを使ってバッテリーに蓄えた電源はコンセントやUSB接続により外部に給電することも可能。停電時の非常用電源としても活用することができる。
今後、岡崎市は公共施設を中心に自律型街路灯の設置を進め、脱炭素化、防災の強化に役立てていく予定だ。
[製品仕様]*環境省 地域脱炭素移行・再エネ推進交付金適用時の仕様
・地上高:4720mm
・バッテリー種類:リチウムイオンバッテリー再利用品
・バッテリー容量:2.5〜3.0kWh(再利用電池のため固体により容量は変動する)
・PV最大出力:200W(100W×2)
・防じん・防水性能:IP44相当
・LED照明:高輝度LED使用
・LED消費電力:約7.4W×2
・照度:約2400ルクス(1m)
・その他機能:外部給電(最大300W)、電池残量モニター、遠隔監視装置
〈文=ドライバーWeb編集部〉