東京メトロは26日、英国ロンドン市交通局から委託を受け、地下鉄「エリザベス・ライン」の運営事業を5月25日に開始したと発表した。実際の事業は、現地事業会社「GTS Rail Operations Limited」(GTS)を通じて事業を行う。

  • ロンドン市「エリザベス・ライン」の車両

GTSは英国最大の路線を運営する鉄道事業者「The Go-Ahead Group」(出資比率65%)、住友商事(17.5%)、東京メトロ(17.5%)の3社が共同出資して設立した事業会社。契約期間は、基本7年に延長オプション最大2年を加えた最大9年となる。

東京メトロによる海外の鉄道路線運営事業への参画は今回が初とのこと。同社は取締役1名をGTSに派遣し、経営に参画するほか、現地で社員2名を駐在派遣し、事業にあたる。日本側でも本社内に関係部門の役員・部長を委員とするプロジェクト委員会を設け、GTSとの連携体制を整備して運営支援を行うとしている。

エリザベス・ラインはロンドン中心部を含む117kmに及ぶ大規模都市鉄道であり、うち42kmが地下区間。全41駅のうち11駅が地下駅となっており、総工費は約3.8兆円にのぼる。2015年に部分開業し、2022年に全線開業した。