コンビニやスーパーの売り場で見かける「プライベートブランド」(PB)商品。同じ売場でその界隈の「定番」と並べられていることもありますよね。「えー、どっちを買うべきなんだろう」って悩んだ経験はありませんか?

  • 定番とPBの仁義なきバトル!

そこで、PB商品と「定番」を比較してみようじゃありませんか、という当企画。

第15回(→第14回)となる今回のテーマは、食べ応えのある中華の定番・冷凍炒飯(チャーハン)です! 定番枠からはニチレイフーズ「本格炒め炒飯」を選出。PB枠のセブン-イレブン「7プレミアム 極上炒飯」、イオンのトップバリュー「本格五目炒飯」と比べてみます。

  • 左から、ニチレイフーズ「本格炒め炒飯」、セブン-イレブン「7プレミアム 極上炒飯」、イオンのトップバリュー「本格五目炒飯」

メーカー

それでは早速、いつものごとく各商品をどのメーカーが作っているのかをみておきましょう。

・ニチレイフーズ ニチレイフーズ
・セブン キューレイ(※ニチレイフーズグループ)
・イオン ニチレイフーズ

こ、これは過去の「冷凍今川焼」の回でも起きた、「結局全部ニチレイフーズが作ってた」パターンです! 日本の冷食市場において、いかにニチレイフーズが強いかということが分かりますね……。

  • さすがは日本“冷食界”のキングオブキングなんだよなあ

税込み価格

続いては価格です。同じ企業が作っているとはいえ、どこかで差別化しているはず。価格差はどうなんでしょうね。

・ニチレイフーズ 409円 ※いなげや価格
・セブン 321円
・イオン 321円

おおっと、セブンとイオンが同価格です。ニチレイフーズが他と比べて88円高い結果になりましたが……。

ここで、金額に「内容量」も加味してみましょう。

内容量

・ニチレイフーズ 450g
・セブン 300g
・イオン 500g

それぞれの商品の100gあたりの金額を出してみると、以下のようになります。

100gあたりのおおよそ価格

・ニチレイフーズ 110円
・セブン 100円
・イオン 60円

こうしてみると印象が大きく変わりますね。ニチレイとセブンがほぼ横並びになり、イオンは約6割ほどの価格に。安さが際立ちますなあ。価格がここまで違うということは、具材などの中身がけっこう違うのかな……?

  • 価格の安さが際立つイオンPB

カロリー(100gあたり)

次はカロリーです。こちらもそれぞれ100gあたりで見てみましょうか。

・ニチレイフーズ 212kcal
・セブン 210kcal
・イオン 183kcal

ふむふむ、ニチレイとセブン、ここでもかなり近いですね。イオンだけが30kcal弱ほど低めとなっています。お値段が安めでカロリーも低め……と考えるとイオンかなり優秀ですね。

  • カロリーでもイオンPB強し

原材料

続いては、原材料名を確認しましょう。

・ニチレイフーズ 米(北海道)、加工液卵(鶏卵)、焼豚、ネギ、香味野菜ペースト(以下略)
・セブン 米(国産)、鶏卵、焼豚、ねぎ、しょうゆ、XO醤(以下略)
・イオン 米(北海道)、加工液卵(鶏卵)、野菜(にんじん、ねぎ、たけのこ)、焼豚、発酵調味液(以下略)

こうしてみると、イオンが「五目」炒飯を標ぼうしている理由がよく分かりますね。焼豚よりも野菜を多めにすることでコスト&カロリーカットしつつ、同時に野菜も味わいたい層にうまくマッチしていると思います。

一方で、他2つについては、野菜がほぼねぎのみですか。そう考えると、がっつり行きたい人はニチレイかセブン、野菜を取り入れたい場合はイオンがよさそうですね。

レンチンの方法は?

それではいよいよ、実際に食べ比べ……の前に、レンチンの方法についても見ておきます。「えっ、レンジでチンするだけじゃないの?」と思われるかもしれませんが、実は違いがあるのです。

・ニチレイフーズ → 袋から出して平皿に広げる
・セブン → 袋のままレンチンOK
・イオン → 袋から出して平皿に広げる

ここに来てセブンが大きなメリットを提示してきました。袋のままでレンチン可能ということは、つまり「調理がラク」ということ、そして「(袋まま食べられれば)洗い物を減らせる」ということになります。袋に直接スプーンをつっこんで食う炒飯は美味いぞぉ……!

  • 一度袋から出してチンするニチレイとイオンに対して

  • セブンは袋ままいけます。これは楽チン!

いよいよ実食!

袋から出して並べてみました。

  • 左からニチレイ、セブン、イオンです

うーむ、さすがイオンは野菜多め、カラフルでおいしそうです。「五目」であることのメリットが活きていますね~。ニチレイとセブンを比べると、ややセブンの色が濃い目かもしれません。

  • さすが「五目」。具だくさんなイオンです

  • 左がニチレイ、右がセブンです。けっこう色味が違う

では食べ比べてみます!

・ニチレイフーズ

うんうん、いつものしっかりした塩味です。チャーシューの風味もあって、ネギのアクセントが効いていますね。完成されたバランスを感じられます。

  • しっかりした塩味。チャーシューの風味とネギのアクセントのバランスが絶妙です

・セブン

あっ、けっこう濃いめな味わいです! 特にチャーシューは、中華街で食べる「ガチ中華」をほうふつとさせる風味があります。これを家で食べられるのはテンション上がるかもしれない。

  • けっこう濃いめ。そして「ガチ中華」をほうふつとさせるチャーシューの独特の風味が特徴

・イオン

うんうん、野菜類のシャキっとした食べ応えと、しいたけの風味が効いていますね。しょっぱみ強めのセブンと食べ比べると、全体的にやや甘みさえ感じられる、優しさのある味わいです。

  • 野菜類のシャキっとした食べ応えと、しいたけの風味が特徴。やさしいながらもしっかりとした味わいです

まとめ

ここからは筆者の独断と偏見で、どの商品がどんな人に向いているのかをまとめていきます。

・ニチレイフーズ

いつものさっぱり塩味系チャーハンを楽しみたい人。何か別のおかずと一緒に食べたり、メインの添え物として出す場合はこちらが合いそう。

・セブン

ガチ中華感のあるチャーシューの風味が好きで、濃いめのガツンとした味わいを楽しみたい。洗い物を減らしたい人。

・イオン

たくさんの炒飯をコスパよく、カロリー低めで食べたい。チャーシューだけでなく野菜もバランスよく取りたい人。

筆者はどれを選ぶ?

冷凍今川焼」の回でも感じたんですが、ニチレイさんは、ほんとPB商品であっても味に手抜かりなし。味の違いが、質の違いではなく、あくまでコンセプトの違いなんですよね……。さすが冷食界のキングオブキングなんだよなあ。

そうなりますと、セブンの「ガチ中華みのあるチャーシュー」や「袋ままチン」、イオンの「スペックの良さ」「具材バリエーション」などの特徴が活きてきます。非常に迷ったのですが、あのガチな味わいを家で楽しめるのは強い。ということで、今回の筆者はセブンの炒飯を推したいと思います。