水曜日のカンパネラ、浅草公会堂に「福」を招いた初ホールツアーファイナル

水曜日のカンパネラが、初のホールツアーを開催し、全国14か所をまわり、番外編として東京・浅草公会堂にてライブを行った。以下、そのオフィシャルレポートを掲載する。

【写真】水曜日のカンパネラ、浅草公会堂公演の様子(全19枚)

雨の浅草。あいにくの天候ながら、街は観光客で賑わっていた。その中心にそびえる浅草公会堂が、水曜日のカンパネラ初ホールツアーの締めくくりの地、そしてこの日、彼女たちにとって初めて立つステージだ。チケットはSOLD OUT。会場いっぱいの観客が、ツアーファイナルを目撃すべく集まった。

18時48分、暗転とともに音楽プロデューサー・ケンモチヒデフミがステージに登場。客席から大きな拍手と歓声が湧き上がる。ケンモチがDJセットを操作し重低音を響かせると、ステージ中央の床下から鉄かごがせり上がった――しかし、そこに詩羽の姿はない。スポットライトが照らしたのは、なんと2階席。詩羽のサプライズ登場に観客は驚きと歓喜の声をあげた。

詩羽は2階席を動き回りながら「ティンカーベル」を歌い、客席を通ってステージへ。続けて、詩羽体制で初めての楽曲「バッキンガム」を披露した。MCでは、ツアーファイナルを迎えられた喜びとチケット完売への感謝を述べ、「観客の顔が見えるライブが貴重」と語り、「みんなで一緒に楽しみを作っていきたい!」と呼びかけた。

続いて、初代カンパネラ時代から歌い継がれる”お風呂の歌”「ディアブロ」へ。観客と一緒に振付を練習し、「いい湯だね♪」という歌詞に合わせてコール&レスポンス。ミドルテンポの「聖徳太子」では2人のダンサーが加わり、サビでは手を左右に振って盛り上がった。疾走感あふれる「シャルロッテ」を披露すると、詩羽は、アジア・ヨーロッパツアーの開催を発表。大きな歓声と拍手が起こる中、初のヨーロッパ公演への期待をにじませつつ、詩羽は「私、インドアだからなあ」と笑顔で語った。

「つらいことは”つらい”って言うことで、変わる気持ちもあると思う。今日のライブが少しでもピースな気持ちになって、いい日に繋がってくれたら」と語り、「楽しいですか?」と詩羽が問いかけると、客席からは大歓声が上がった。「水曜日のカンパネラの客層はバラバラ。でも、性別や年齢に関係なく、全力で楽しむ姿が一番かっこいいと思う」と語り、ダンスチューン「金剛力士像」へ。赤と青のライティングが印象的な中、再び2人のダンサーが登場し、その前で詩羽は歌声をじっくり聴かせた。「赤ずきん」では、布団に隠れたオオカミと8人の赤ずきんが登場し一緒にダンス。楽曲終盤には、布団の裏に「アサクサ」と書かれていることが明らかになり、会場はさらに盛り上がる。勢いそのままに、「たまものまえ」では、<踊りたい奴は たまもるふぉーぜ>の後のドロップで「コンココンダンス」を観客と一緒に踊った。

ケンモチによるグッズ紹介を挟むと、星が輝くステージ背景の中、詩羽は客席を歩きながら「願いはぎょうさん」を歌う。楽曲中盤には、10人のダンサーたちが手持ちの龍で、客席を練り歩いて楽曲を盛り上げた。「赤猫」では、てぼ(ラーメンの麺を茹でたり、湯切りしたりするための道具)を持ったダンサーが湯切りダンスへ。楽曲中盤には、巨大てぼが登場し、詩羽を中心に全員で”湯切り”をしていく。後方ではケンモチが蓮華を振るい、楽しげに盛り上げているのが微笑ましい。楽曲後半には、全員で「せーの」と湯を切るとラーメンが完成、会場はさらにヒートアップした。「四天王」では、<四天王って知ってんの>というコール&レスポンスが響き渡った。

再びのMCでは、詩羽が映画『パリピ孔明 THE MOVIE』(4月25日公開)に出演していることに加え、劇中歌「again and again」をリリースしたこと、5月1日(木)に渋谷WWWで崎山蒼志との共演ライブがあることを告知。次の楽曲が5人のアイドルグループを描いた「一寸法師」であることを明らかにすると、客席から4人をステージに招き、詩羽を加えた5人で小槌を手に踊り、それぞれが自由なスタイルでダンスを行なった。この日だけのスペシャルユニットに、観客は大きな拍手が送られる。一転、「動く点P」は数学の”動く点P・Q”をモチーフにした楽曲。色とりどりの球体がステージを駆け巡り、光と音の連動演出が美しく彩った。

「どうですか、詩羽は?」と問いかけると、「かわいい!」と即答の声が飛ぶ。ツアーでは毎公演、異なる衣装を着てきたと語り、この日は赤を取り入れた派手なロリータ衣装であること、最近のお気に入りだと嬉しそうに話した。「人との出会いが多くなる時期、好きなものを否定されることもあるかもしれない。でも、自分の好きなものを抱えていることが大事。どんなことを言われても、自分の”好き”を信じてステージに立ち続けたい」と真っ直ぐに観客へ想いを届けた。

「残り4曲です。いつも通り、アンコールはありません!」と、詩羽が笑顔で伝えると、TVアニメ『九龍ジェネリックロマンス』の主題歌「サマータイムゴースト」へ。先日の長崎で初披露したばかりの新曲で、この日が2回目のパフォーマンスだという。テンポ変化やラップを含む難曲を、堂々と歌い上げた。レゲエ調の「マーメイド」では、4本の大漁旗がステージを舞い、ホーンとブレイクビーツが絡む高揚感たっぷりの展開の中、タオル回しで会場の一体感は最高潮に。曲が終わり、詩羽がタオルを投げ入れると、ミラーボールが回転、場内に光が乱反射した。水カン最大のヒット曲「エジソン」では、心地よいハウストラックの上で観客が思い思いに踊った。詩羽は左右中央へと動きながら、観客へ投げキスを送った。

ラストは、ライブ最後の定番曲「招き猫」。ステージ脇から巨大な招き猫が登場すると、<福を招き招き招き招き入れるのだ>に合わせて観客全体で”招き”ポーズ。多幸感に包まれたまま、「今日はありがとうございました! 水曜日のカンパネラでした」と詩羽が挨拶。最後は両手でバンザイし、「ツアーに来てくれてありがとう! みんな愛してるよー! またね!」と叫び、詩羽とケンモチはステージを後にし、ホールツアーは大団円の中、幕を閉じた。

ラストを飾る東京公演にて、詩羽体制初となるアジア・ヨーロッパツアー<SUMMER TIME GHOST>の開催を発表した水曜日のカンパネラ。本ツアーでは、2025年6月から8月にかけてアジア3カ国(ソウル、台北、バンコク)、ヨーロッパ3カ国(ロンドン、ミラノ、パリ)を巡っていく。更に、カトヴィツェにて開催される音楽祭典「OFF FESTIVAL」への出演も決定している。詩羽が水曜日のカンパネラに加入して以来初のヨーロッパ公演となるので、是非チェックしてほしい。

写真・横山マサト

セットリスト

1. ティンカーベル

2. バッキンガム

3. ディアブロ

4. 聖徳太子

5. シャルロッテ

6. 金剛力士像

7. 赤ずきん

8. たまものまえ

9. 願いはぎょうさん

10. 赤猫

11. 四天王

12. 一寸法師

13. 動く点P

14. サマータイムゴースト

15. マーメイド

16. エジソン

17. 招き猫

"プレミアムライブ2025" 予習/復習プレイリスト

https://wed-camp.lnk.to/premiumlive_yosyu

<ライブ情報>

SUMMER TIME GHOST

ソウル公演

2025年6月8日(日)ソウル・弘大 musinsa garage

チケット発売日:4月3日 (木) 14:00〜

https://www.globalinterpark.com/ja/product/25004911?prdNo=25004911

お問い合わせ:asianpopfestivalkr@gmail.com

台北公演

2025年6月20日(金)Legacy Taipei傳 音樂展演空間

チケット発売日:4月4日(金) 12:00〜

https://romanticoffice.kktix.cc/events/wednesdaycampanella2025

バンコク公演

2025年6月22日(日)Lido Connect (Hall2)

チケット発売日:3月29日(土)11:00〜

https://www.ticketmelon.com/sss/wc2025

ロンドン公演

2025年7月27日(日)HEAVEN

チケット発売日:4月25日(金)18:00〜

ミラノ公演

2025年7月29日(火)LEGEND CLUB

チケット発売日:4月25日(金)18:00〜

パリ公演

2025年7月31日(木) PETIT BAIN

チケット発売日:4月25日(金)18:00〜

カトヴィツェ

2025年8月2日(土)Katowice, Dolina Trzech Stawów

チケットリンク:https://www.reservix.de/tickets-off-festival/b0d3274b5-10b9-49e4-be33-750bf4cd1d6d

〜映画『パリピ孔明 THE MOVIE』公開記念〜 "again and again"リリース記念パーティー

出演:詩羽 / 崎山蒼志

2025年5月1日(木)渋谷WWW

時間:開場 18:15 / 開演 19:00

チケット料金:前売り 5600円(税込・ドリンク代別 / 整理番号付き)

チケットURL:https://w.pia.jp/t/utaha/

水曜日のカンパネラ Official Site:http://www.wed-camp.com/