東海エリア最大級の自転車イベント「名古屋サイクルスポーツデイズ2025」が、イオンモール熱田(愛知県名古屋市)の東平面駐車場で、3月15日〜16日の2日間にわたって開催された。
最新モデルの展示や特設コースでの試乗、ショップブースでの買い物、自治体ブースによる自転車イベント・観光PRなどなど、スポーツサイクルのハード・ソフト両面の魅力が詰まった本イベント。気になるブースを取材した。
シマノブースで最新アクセサリーをチェック
今年で6回目を迎えた「名古屋サイクルスポーツデイズ」。人気スポーツバイクブランドの“ピナレロ”や“リドレー”など、100を越えるスポーツサイクルブランドが集結し、各社の最新モデルや話題のeバイクなどを、約500mの特設試乗コースで体感できる。
最初に訪ねたのは、2月に発売された新製品のアイウェアをはじめとする、アクセサリー製品をメインに展示していたシマノのブース。
「「サイクリング用のアイウェアということで、ハイエンドモデル「S-PHYRE SL」では軽さを徹底的に追求しているのが最大の特長です。テンプル(つる)の無駄な部材削り、超音波溶接で糊を使わず、素材を溶かすようにして接合しています」(シマノ担当者)
シマノのアイウェアは高品質でありながら、オンラインストア限定販売のため、非常に手頃な価格を実現できていることも大きな魅力。一方、イベントなどでしか基本的に試着の機会がないため、アイウェアのフィッティングが目的でブースに足を運ぶ人も少なくないようだ。
昨年、フラッグシップブランド「S-PHYRE RC9」の試し履きを行なっていたシューズフィッティングでは、昨年の新製品である「RC7」をフィッティング用に用意。ベルギーのヘルメットブランドで、シマノのグループ会社である「Lazer」の製品も展示していた。
「ヘルメットは努力義務化のタイミングで急激に需要が高まった後、少し落ち着いていましたが、今日はヘルメットを試着される方が肌感覚としては多い気がします。大阪など他の地域でのイベントと比べてもヘルメットの反応がとても良いですね」
さらに、シマノブースでは今年1月末に発表されたコンポーネント「CUES(キューズ)」ブランドの新製品を採用したサンプル車両の展示も実施。注目を集めていた。
「もともと「CUES」は一昨年からクロスバイクなどのフラットハンドルバー向けのみのラインアップだったんですが、ロードバイク向けにドロップハンドル仕様のものを1月に発表しました。特長のひとつが高耐久性です。ロードで一般的に使われているコンポーネントと比べ、ギアの歯を一枚一枚厚めにつくっているため、ギアの寿命が従来製品と比較して3倍になることを謳っています」
昨年に引き続き、シマノは2025年度も国内でのマウンテンバイクのレース競技やイベントなどでの出展、協賛やテクニカルサポートに力を入れていく方針とのこと。
「マウンテンバイク競技は世界的に非常に人気があり、シマノの自転車部品のカテゴリでも販売数量の割合としては、マウンテンバイク系製品のほうが世界的には高いんです。日本では市場が小さいんですが、ブランドとしてマウンテンバイクの試乗をより盛り上げていきたいと考えています」
パナソニックとYAMAHAの最新モデルも大人気
続いて訪れたのは、チタンフレームセットの2モデルの展示・試乗を行なっていたパナソニックブース。
「FRTD05」は上位モデルとして独自に開発した技術で性能を突き詰め、3段階に厚みの異なる「3Dオプティマム・Xバテッド」加工を施したパイプで、フレームを軽量化した。また、ライダーの体格や脚力に合わせた選択肢を提供するため、剛性の異なる2タイプ(Version L/Version H)を用意している。
「FRTD11」はスタンダードモデルとして、ストレートパイプ(均一な厚さのパイプ)を採用。ストレートタイプなので重量は少し重ためだそうだが、価格を抑えつつチタンの乗り味を味わえるモデルだという。
ともに3月10日から受注開始しており、チタン素材ロードバイクの特性とされる、しなやかで軽快な乗り味が特長だ。いずれのモデルもディスクブレーキ採用ロードバイクで主流となっているフラットマウントタイプのディスクブレーキに対応する。
3月1日・2日に開催された「サイクルモードライド大阪2025」で初めての試乗を実施し、名古屋エリアでは今回が初めての試乗機会となった。パナソニックは4月19日・20日の「サイクルモード TOKYO 2025」にも出展し、これらのモデルをメインに据えて展示と試乗を実施する予定だ。
「チタンバイクを目指してブースにお越しいただく方が多く、朝からずっと試乗に出ています。他にもクロモリフレームのバイクも非常に人気で、鉄フレームの人気がまた再燃してきている印象です。オーダーバイクなので、こうして完成車を直接見て乗っていただくことはなかなかない機会だと思うので、ぜひ多くの方にご来場いただきたいです」
最後は昨年の本イベントで2日間の開催期間中に400人以上が試乗したというYAMAHAブース。今年もグラベルロードタイプの「ワバッシュ(WABASH)」とクロスバイクの「クロスコアRC(CROSSCORE RC)」の試乗で賑わっていた。
9月に発表された2024年モデルでは、ドライブユニットを一新し、走行モードのアップデートを実施。シリーズ初のスマホ連携機能を搭載したモデル「CCROSSCORE Connected」も新たに追加している。
「試乗ではeバイク自体に乗ったことない方もまだまだ多く、初めて乗ったという方が多いんですが、ドライブユニットが新しくなったことで、『以前のモデルよりも静かでパワフルになった』といった声もよくいただいています。カラーに関しても『日常使いしやすい色が揃っている』という声が寄せられています」
4月の「サイクルモード TOKYO 2025」にも出展予定の「YAMAHA」。「YPJ」シリーズのそれぞれのモデルの特長を体感できる機会づくりとして、「YPJ café」や「YPJ ショートトリップ」といった自主開催イベントにも力を入れている。
「『YPJ ショートトリップ』はガイド付きのサイクリングツアー。より多くの方に今までになかった体験を提供し、クロスバイクの楽しみ方などを積極的にご提案していきたいと思っています」