高利貸しをしていたことで罪に問われ、最終的に瀬以と離縁することを決めた鳥山。市原は「人の痛みがわかるからこそ人の隙に入って高利貸しをしていて、どこか後ろめたさがあったと思います。だからこそ、最後の瀬以に対しての行いができたわけで。悪と呼ばれる道に進んでいた人間ですが、最終的に人道までは踏みにじれなかったのだと思います」と自身の解釈を述べた。
そして、第13回で「重三はわっちにとって光でありんした」という瀬以の思いを聞いたときに、「離縁するしかない」と覚悟していたと思うと推測した。
また、瀬川(瀬以)を演じた小芝について「すごく尊敬しています」と心からリスペクトする。
「瀬川として生きていらっしゃって、ご一緒できることを幸せだと感じさせていただける女優さんでした。ちょっとした声や動きですべてを魅了する。カメラの前のお客様もそうですが、現場にいた皆さんが魅了されるような、すべての空気を一気に自分の方に向けるような魅力がある方で、なかなかお会いできないのではないかなと思います」
撮影を終えて「すごくあなたのお芝居のファンです」と小芝に伝えたことも明かし、「風花ちゃんが瀬川のすごく繊細な人間愛の部分を演じられ、この作品の空気感が出来上がったと思うので、『べらぼう』という作品に期待を持たせてくださるかけがえのない存在だなと思います」と称える。
現場では小芝の笑顔が明るい雰囲気をもたらしていたそうで、「重いシーンが多かったのですが、常に背中を押してくださるというか。笑顔が多い方なので私もそこにすごく救われました」と語っていた。
1987年2月6日生まれ、神奈川県出身。1999年に芸能活動を開始し、2001年に映画『リリイ・シュシュのすべて』で初主演を務める。2004年には『偶然にも最悪な少年』で日本アカデミー賞新人賞受賞。主な作品に、映画『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』『ボックス!』『ヤクザと家族』、ドラマ『ウォーターボーイズ2』『ROOKIES』『おんな城主 直虎』『鎌倉殿の13人』、ミュージカル『生きる』など。近年は主演を務める『おいしい給食』シリーズが大好評。最新作である劇場版『おいしい給食 炎の修学旅行』が今年公開予定。
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