お金にまつわる事件やトラブルを徹底的に追いかけるフジテレビ系ドキュメント特番『実録!金の事件簿』が5年半ぶりに復活し、きょう3日(19:00~)に放送される。この番組の見どころは何と言っても、“お金”に絡んだ人間の本性があぶり出される実録映像だ。
大の大人が声を荒げるスリリング
今回登場する一人は、税金を滞納しながら多額の現金を隠して生活保護を受けようとする高齢男性。市の職員が生活状況を確認するために自宅を捜索するが、あるキーアイテムを職員が見つけると態度が豹変。ここまでは再現ドラマで紹介されるが、そこから先の緊迫した問答が実際の映像で映し出される。
意地でもアイテムを見せない滞納者は、のらりくらりと職員の質問をかわしていたものの、進展のないやり取りに両者徐々にいら立ちを募らせ、ヒートアップ。大の大人が声を荒げる場面は、ドラマでは描くことのできない圧倒的なリアリティで実にスリリングだ。
ついには警察も巻き込む事態になるが、それでも収まらない滞納者の抵抗。“お金”が絡むと、人間はここまでの行動をとるものなのかと、感心すら覚えてしまう。
そんな実録映像の迫力を引き立てる再現ドラマにも注目。滞納者役で、『地面師たち』(Netflix)で強烈なインパクトを残した俳優が姿を見せると、スタジオ出演者は思わずそのキャスティングに反応していた。
あの頃のギラギラした坂上忍に懐かしさも
ほかにも、父親から仕送りを受けても税金を収めない無職の三兄弟の絵に描いたような逆ギレっぷり、交通違反の反則金未納で逮捕される男たちのあり得ない言動など、個性豊かなキャラクターが次々に登場。これもやはり“お金”がまとわりつくことで生み出されてしまったモンスターなのか…と考えると、人間の弱さ・脆さというものまで痛感させられる。
さらに、田舎へ移住して税金を滞納して大麻を栽培する若者、通勤ラッシュに潜む卑劣な痴漢行為の実態、議会中にあり得ない行動をとる地方議員などが登場。MCの坂上忍は「どうして、悪いことをしたら、したと認めないんだろう、と思いますね。往生際の悪さ、人間の弱さを垣間見てドキッとします」と語る。
そんな坂上と言えば、情報番組『バイキングMORE』の終了から3年が経ち、最近は動物と戯れる穏やかな表情がすっかりおなじみだが、スタジオでこれらのVTRを見た怒りの顔は、あの頃のギラギラした緊張感を醸し出しており、少しばかり懐かしさも覚えるはずだ。